変化するデザイントレンドとSEOトレンド

Wordpressで構築されたホームページも多数存在していると思いますが、適切な頻度でデザインリニューアルされているものはそこまで多くない印象を受けます。とりあえず動いているから、という理由で古いものを使い続けるのは様々なリスクをはらんでいると言わざるを得ません。

デザイントレンドは変化し続けているため「どこか古臭い・・」という印象を持たれることもあります。SEOトレンドも細かい変更にあわせて変化するため、十分にSEO対策ができているかにも疑問符がつきます。構築当初は十分に考えられて構築されたホームページであっても、最新の状況を考慮すると十分でないケースもあるのです。思った以上にGoogle側の方針も変動しており、それにあわせて最適化していくのも骨が折れる作業です。

今回はこうした、Wordpressをベースに構築されたホームページ/サイトのデザインリニューアルプロジェクトにおいて、特に注意すべき項目についていくつかのポイントで整理してみたいと思います。

Point.1 ユーザービリティの改善

まず、第一に検討すべきはユーザビリティの改善です。現在のパソコン環境、ブラウザ環境、スマートフォン環境それぞれで、ページが正確に機能していることは大前提として、最適な操作性になっているかを改めてチェックする必要があります。5年、10年と時間が経つと、利用者をとりまく環境や、で操作に関するデザイントレンドも変化します。こういったものを定期的に見直す機会にすべきです。

今まで動いていたものが動かなくなる、ということはそこまで多くはないと思いますが、より簡潔な方法で同じ機能や見た目が実装できたり、以前は考慮すべきだった古いブラウザがすでに考慮する必要がなくなっている場合などは、そうした部分もより洗練させたりすることができる可能性があります。

画面のサイズの物理的な変化はもちろん、ユーザーの好みは他に流行しているサービスUI(ユーザーインターフェイス)の影響を受けます。そういった主流のUIと逆の色使いを行っていたり、異なった動作をしたりする場合は、思わぬユーザーの不満を生んでいる可能性があります。こうした地道なチェックも重要になってくるでしょう。

画面幅についても同様です。どんどんと大画面化するスマートフォンにおいて、基準となるサイズをどこに置くかも更新したほうがいい場合があります。画面幅に応じて表示が変化するのは当然ですが、どの幅のときにもっともバランス良く見えるかは意識する必要があります。利用者数が多いボリューム層の画面幅にあわせるのをおすすめします。

Point.2 SEOへの対応

SEO対策のトレンドは常に変化しています。近年はより早く、より軽くページを表示することが是とされており、レスポンスタイムの重要性が高まっています。同時に、ページコンテンツの充実度も求められるレベルが高まっており、そうした視点であらためてコンテンツや、サイト上の画像等の配信についてもチューニングを行うべきです。

画像ファイルを一つ例にしても、より圧縮度の高い画像配信を併用したり、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用も検討できるでしょう。また、画像の遅延読み込み等、最初の画面表示をいかに早くするか、という視点も重要になってきます。どれも細かい作業の繰り返しですが、リニューアル時にまとめて作業するのが最も効率的なため、あわせて行ってしまうことをおすすめします。もし、継続的にコンテンツを追加していくのであれば、こうした一連のSEO対策上の工夫を、運用フローの中に組み込むようにするのをお勧めします。

このあたりもリニューアルのときにまとめて行うほうが効率的なため、画像の軽量化やパフォーマンスチューニングも徹底的に行うようにしましょう。

Point.3 セキュリティ対応

Wordpressというソフトウェアは非常に優秀で、今この瞬間も進化を続けていますが、セキュリティには気をつける必要があります。もしアップデートが滞りがちなのであれば、そのアップデート作業を妨げているものは何なのかを究明し対策する必要があります。常に最新版を利用しているのが正しいといいますか、最低限の状態というゴールセットで挑むべきと考えます。

もし、使用しているプラグインの問題でWordpress本体のアップデートが影響を受けているのであれば、そのプラグインを削除したり、代替手段を見つけたりする必要があるでしょう。また、もし収容しているサーバーの環境が問題であれば、必要なライブラリをアップデートしたり、サーバー自体を変更したりといった作業が必要でしょう。プラグインの機能を利用しなくてもWordpressの標準機能で実現できる場合もあります。プラグイン依存は少しでも減らすにこしたことはありません。

Wordpressは人気があるソフトウェアゆえに、悪意ある人たちの攻撃対象となることも多いのも事実です。適切なセキュリティ対応が行える状態にできるよう、しっかりとリニューアルプロジェクトの際に考慮するようにしてください。

継続的な改善フローの重要性

いずれのポイントも基本的なことばかりですが、加えて重要なのは、このサイクルを、決して10年に1回のイベントにしないことです。1ヶ月ごとは無理でも1年に1回等、規模の大小はあれど、より良くするためのリニューアルプロジェクトは検討すべきです。継続的な改善ほど効果のあるものはありません。社内体制含め、Wordpressベースのホームページ/サイトを育て、ビジネスにつなげていくという意識で取り組んでみてください。

開発スタッフのコメント
Wordpressは本当にいくらでもカスタマイズできてしまうがゆえに、時間の経過とともにどんどんと肥大化してしまう傾向があります。動作は重くなり、管理は複雑になりがちです。プラグイン依存はセキュリティ強度も下げてしまうため、定期的な掃除やパフォーマンスチューニングは必須と言えます。頻度高くできないのであれば、こうした積もり積もったやるべきことを、デザインリニューアルの際にまとめて実行するのでも十分に有効です。見た目を変更するだけにとどまらない視点で取り組んでみてください。