EOLを迎える既存システムをリニューアルしたい

大学内で独自に運用している短縮URL管理システムをリニューアルしたいというご相談をいただいたのは、大学の情報システム担当の方からでした。大学内の教職員向けに広く使われているシステムではあるものの、近く関連ソフトウェアがEOL(End Of Life)を迎えてしまうということで、リニューアルも含めた今後の方策を検討されていました。

シンプルなシステムではあったものの、いくつか強化したい機能のイメージもお持ちだったため、ヒアリングや議論を重ねながら動作モックをお作りしてご提案を行いました。イメージされていたものと合致したということで、プロジェクトがスタートしました。

既存データのインポート機能を準備

現役で稼働しているシステムのリプレイスだったため、既存データをスムーズにインポートできる機能を開発しました。移行日当日にトラブルが起きないよう、既存データ側から出力するデータの形式を固定するとともに、実際のインポートテストを行うなどして移行日当日に備えました。

また、既存データの中には、もう使われていないデータが多く含まれていたため、データの削除や、オーナーの付け替えを行うなどし、できる限りきれいなデータで移行できるような作業もあわせて行なっています。

共同編集者機能で、複数人での管理を実現

既存システムでは、短縮URLを作成した本人(オーナー)のみがそのデータの編集が可能だったため、個人でのみ使うURLでは問題にはならないものの、部署単位で管理したい場合に誰がどれを管理しているかを把握する必要があり、非常に見通しが悪い状況になっていました。

新システムでは共同編集者機能を追加し、自分以外の誰かを指定するかたちで短縮URLの共同管理が行えるようにしました。部署単位での管理がスムーズに行えるようになったとともに、特定の人に依存しない管理体制になったことで、短縮URLが継続的にメンテナンスされやすくなる効果が見込まれます。

オーナーの引き継ぎ機能を強化

既存システムでは、短縮URLを作成した本人(オーナー)が人事異動や退職などで担当からはずれてしまった場合に、そのまま放置されてしまう問題が多く発生していました。従来は管理者権限でデータを操作するなど、非常に手間のかかる運用になっており、数が多く、また、迷子になってしまったデータを把握するのも難しかったのが課題でした。

新システムでは、引き継ぎ機能を大幅に強化し、オーナーから共同編集者の誰かに短縮URLの管理を引き継ぐという片方向のみならず、共同編集者側から能動的にオーナー権限を引き継ぐこともできる双方向の引き継ぎが行えるようにしました。これにより、計画的な引き継ぎはもちろん、何かしらのアクシデントで管理を引き継ぐ必要が突然発生したような場合にも、短縮URLの管理を途切れることなく利用者側でコントロールできるようになりました。

監査機能やパフォーマンスも強化

新システムでは、短縮URLのデータを誰がいつ、どのように変更したかを記録するように、また、データの変更をどこから行なったかのネットワーク的な情報も記録するようにしました。これにより、万が一インシデントが発生した際の初動で把握できる情報がより正確かつ充実したものになることが期待されます。

また、既存システムでは学期の初めなど、短縮URLの利用が集中するような時期にシステムの応答が鈍化することがあったため、クリック数の書き込みなど、短縮URLへのアクセスの度に発生するデータベースへの書き込み処理をJob化するなどの対応を行い、システム利用が集中した場合にも、より多くのアクセスを転送先URLにすばやく転送できる体制を実現しています。

こういったお悩みをお持ちであればご相談ください

既存システムのEOL(End Of Life)に対応したい

システム自体の動作に問題はなくても、システム自体や、依存しているソフトウェアがEOLを迎える場合があると思います。そうしたソフトウェアのアップデート対応が問題なく行える場合はいいのですが、その対応が現実的に不可能な場合や、その対応に必要な工数が膨大な場合も多くのが実状です。

よほど大規模なシステムでない限り、システム自体をリニューアルしてしまうことでEOL問題を解決することも現実的な選択肢だと思います。もし、現状のシステムに機能面の不安点や、運用上の課題がある場合には、あわせて解決することもできますので、現実的な選択肢としてお勧めします。

既存システムからスムーズに移行したい

すでに稼働しているシステムのリプレイスの場合、システムが利用できない時間(ダウンタイム)をできる限り短くするべきです。「ダウンタイムが0で、気づいたら新しいものに変わっていた」が理想ですが、それが実現できなくても、移行の仕方を工夫することで、できる限りダウンタイムを短くすることは可能です。

既存システムに大量のデータやファイルがある場合には、それだけデータ転送やファイル転送に時間がかかってしまいます。そういった場合にも、事前に転送できるものは転送しておいたり、既存システム側で一定期間の新規データ登録の制限期間を設けて、データの不整合が起こらないようにした上で移行日当日の作業を行うなど、いくつかのアプローチが考えられます。

移行のためのインポート機能等もあわせて開発することで、よりダウンタイムを短くできる可能性があります。ダウンタイムを長くとれないようなケースでもお気軽にご相談ください。

充実した変更履歴を残したい

システムの利用データをどこまで残すかというのは線引きが難しい問題ではありますが、インシデントが発生した際に役立つ情報であれば可能な範囲で積極的に記録すべきです。ただ、記録はしたものの、その参照が非常に手間となってしまうと宝の持ち腐れになってしまうため、「どこまでの情報を、どのように参照できるようにするか」をきちんと考える必要があります。

誰が何をどのように変更したか、といったデータに関する情報は、システム内の管理画面から、クリック操作で参照できるようにすることをお勧めしています。管理画面内に動線を設け、ITリテラシーに関係なく参照しやすい状況を実現することで、「少し気になったので調べてみよう」といったケースや「問い合わせがあったから調べてみよう」といったケースでも、容易に履歴を追えるようになるので非常に便利です。


当社では、既存システムの良いところを引き継ぎ、コストを抑えつつも、時代にあわせたユーザー体験の向上や機能強化を行う筋肉質なシステムリプレイスにも対応しています。ご相談はもちろん無料ですのでお気軽にお問い合わせください。

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