※以下の情報はすべて2022年8月末時点での情報になります。最新の情報は、各サービス提供者のホームページにてご確認ください。

フォームサービスとは

会社ホームページやランディングページ(LP)に必須とも言えるフォーム。お問い合わせフォームから資料請求フォーム、申込みフォームと多種多様ですが、完全に自力でフォームを作ろうとすると、ある程度のITスキルが必要になります。もちろん、インターネット検索で見つけたプログラムを見よう見まねでコピペして動かすこともできるかもしれませんが、あまりおすすめできません。

そういったフォーム機能を簡単に実現するためのサービスが、フォームサービスです。フォームサービスには大きく分けて「フォームごと提供型」と、「フォームの処理のみ提供」の2パターンがあります。

フォームごと提供タイプ

フォームごと提供タイプは、提供しているサービスのURLにアクセスし、入力や送信を行うタイプです。Googleフォームやフォームランなどに代表されるタイプで、多くの方が一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。iframeで埋め込むタイプも提供されていることもあり、ページデザインに統合できる場合もあります。

フォームごと提供タイプのメリット

フォームのためにサーバーを準備したりといったことが一切不要で利用を開始できるため、何かの入力を受け付けたいだけ、という用途で幅広く使われています。アンケートの受け付けだったり、住所登録だけ、ヒアリングや簡易的な予約受け付けといった用途での利用が盛んです。フォームのためにWEBサーバーやドメインを準備する必要がないため、とにかく気軽にはじめられるのが魅力的です。

また、あらかじめ入力タイプが用意されているため、ある程度のフォームが簡単に作れることもメリットでしょう。ITに詳しくない方でも、慣れてしまえばある程度運用できてしまうのも魅力的です。

フォームごと提供タイプのデメリット

フォーム自体が別のドメインでの提供になることが多く、自社サイトに組み込む場合にそもそも不可能であったり、iframeでの読み込みでデザイントーンが合わなかったりする場合があります。また、別ドメインへの移動の場合、操作者に異なるサイトへ移動してしまったという不安感を与えたりする場合があります。

特にデザインをコントロールしにくかったり、明らかに外部のサイトとわかりやすいことから、回答を躊躇する人が出る可能性もあります。その場合は事前にこうしたサービスを利用しているといった案内で不安感を軽減する等の対応が必要でしょう。

主なフォームごと提供型フォームサービス一覧

Google Forms

Googleが提供するフォームサービス。Googleアカウントを持っていれば簡単に利用開始でき、送信された内容も簡単に集計やデータとして利用可能なため非常に多くのシーンで使われています。Googleスプレッドシートとの連携が容易なのも強みと言えます。 デザインの自由度は控え目ですが、テンプレートギャラリーから素早くフォームを作成できたりと、簡易的な用途では十分すぎる機能性が担保されています。
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/

フォームラン

株式会社ベーシックが提供するフォームサービス。簡単なメールフォームから本格的なアンケートフォームまで、専用のUIで作成することができます。外部サービスとの通知連携も充実しており、問い合わせ対応のCRMを構築することも可能です。
https://form.run/home

tayori

株式会社PR TIMESが提供するフォームサービス。フォームを軸に、FAQやアンケートの管理機能を謳っています。フォームは専用UIでデザインでき、カスタマーサポートまわりの機能も充実しています。
https://tayori.com/

フォームメーラー

株式会社フューチャースピリッツが提供するフォームサービス。専用UIで簡単にフォームを作成でき、アンケートやお問い合わせ管理、採用まで幅広く活用することができます。
https://www.form-mailer.jp/

Qubo

株式会社アーティスが提供するフォームサービス。メールフォームに特化したキューボリクエストと、アンケートに特化したキューボサーベイの二種を展開。用途にあわせて使い分けることができます。
https://www.qubo.jp/

SPIRAL

株式会社パイプドビッツが提供するフォームサービス。高度なカスタマイズ性を売りにしており、動的なカスタマイズも可能。
https://www.pi-pe.co.jp/solution/form/

フォームブリッジ

トヨクモ株式会社が提供するフォームサービス。kintoneに送信内容が自動保存されるため、kintoneを利用している企業はその業務フローに組み込みやすいメリットがあります。
https://fb.kintoneapp.com/

Jotform

Jotform社が提供するフォームサービス。もともとは海外のサービスですが、日本語向けサイトも準備され、様々なテンプレートから簡単にフォームを作成することができます。
https://www.jotform.com/ja/

フォームの処理のみ提供タイプ

フォームの処理のみ提供タイプは、フォームHTMLが記載されたページだけ準備すれば、その送信された内容を基にした通知メールの送信や、送信後ページへの転送を行ってくれるタイプです。formspreeやSSGformのようなサービスに代表され、発行される専用URLにPOST送信するだけで実装が完了します。

フォームの処理のみ提供タイプのメリット

発行されるURLにPOST送信すること以外は自由のため、自社のサイトやアプリケーション内のフォームから利用することができます。自前のページから機能だけを利用できるため、デザインの統一感はもちろん、サイト訪問者に一切その存在を意識させない顧客体験を実現することができます。いわば面倒な部分だけを外部に委ねられるため、HTMLの知識がある人であれば便利に使える良さがあります。

フォームの処理のみ提供タイプのデメリット

フォーム部分を自前で用意する必要があるため、簡単なHTMLの知識が必要になります。また、ページを用意する必要があるため、発信元になるページを何かしらの方法でホスティングできる必要もあります。最近はHTMLページや各種コンテンツをホスティングする選択肢が増えているものの、そうしたサービスの利用経験がある人以外には少し手をつけにくい印象があるかもしれません。

主なフォームの処理のみ提供型フォームサービス一覧

SSGform

弊社謹製のフォームサービス。無料プランから豊富な機能がすべて利用可能。フォーム送信内容を一切サービス側に残さないため、プライバシー、セキュリティ面でも優れています。
https://ssgform.com/

formspree

Formspree社が提供するフォームサービス。外部サービスとの連携にも力をいれており、送信された内容をもとに様々なサービスに通知連携することができます。
https://formspree.io/

getform

UXPLUS社が提供するフォームサービス。外部サービスとの連携や自動応答などの機能が多数用意されています。
https://getform.io/

Netlify Forms

Netlify社が提供するフォームサービス。他とは異なり、Netlifyのホスティングサービス内でのみ利用可能なサービス組み込み型と呼べる亜種。Netlifyにデプロイするのであれば、簡単なタグ追加のみで問い合わせフォームを作成することができます。
https://www.netlify.com/products/forms/

国内での利用状況

専門知識があまり必要なく、また、特定の用途に利用しやすいためにフォームごと提供タイプのサービス数のほうが非常に多く存在しています。業務利用では引き続きこの傾向が続くことが予想されますが、静的サイトジェネレーターの人気の高まりにより、フォームの処理のみ提供タイプも少しずつシェアを獲得していくのではないでしょうか。