リラクゼーションの進化

リフレクソロジーのブームが一段落し、その後釜を狙うのがストレッチと言われています。癒しが中心だったイメージから、より攻めのイメージのあるストレッチへの転換。客層が重なる部分も多く、業態転換や新規出店を含めて、ストレッチ専門店というマーケットへの参入を考えている方も多いのではないでしょうか。

業態としての認知度も高まっており、大きなショッピングモールであれば当たり前のように見かけることも増えてきました。都市部であればなおさらその傾向を強く感じます。

時間あたりでスタッフ一人あたりの売上が決まってしまう業種ゆえ、大きな収益を目指すのであれば、業務効率の向上は避けて通れない課題です。そのためにシステムの側面からどういったビジネス設計ができるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 ペーパーレス化の徹底推進

紙、は確かに安心感がありますが、デジタル化するために一手間かかるというマイナス点があります。とりわけ、IT機器の扱いに慣れていない高齢者もターゲットに入ってくるため、ペーパーレス化を推し進めることに抵抗がある方も多いかもしれません。

ですが、ここはスマートフォンの普及の後押しや、ペーパーレス化のメリットを重視して、紙でのやりとりを一切廃しましょう。紙でずっと残っていたものも、突き詰めて考えると紙である必要がないことがほとんどです。入力も、スマートフォンの方が早い、という人も多いでしょう。

具体的にはタブレット端末を店頭に設置し、新規来店客の問診票(アンケート)から、すべてそこに入力してもらうようにしましょう。あまりに不慣れな方はスタッフのヘルプが必要になりますが、それでも半数以上の方は自力で入力することを期待してもいい時代になっています。

ペーパーレス化により、紙の収納スペースは不要になり、より小さい店舗スペースで出店できますし、顧客情報の登録を顧客自身が行うのでスタッフの負担が減り、より売上のあがる活動に時間を使うことができるようになります。データが自動的にしかるべき場所に保存されるため、それを他の場所に入力しなおしたり、という手間もなくなります。

Point.2 サービスの規格化と、集中コールセンターで店舗負担減

店舗から紙を無くした次は、店舗から電話を無くしましょう。もちろん、店舗間の連絡用に何かしらの連絡手段は残すとは思いますが、店舗ごとに電話を受けるのは非効率です。全員が施術中であれば電話はとれないですし、電話をとるために施術が中断していては顧客満足度が下がります。

ペーパーレス化はすなわち、共通のシステム基盤で予約管理を行うことを意味しますので、本部の集中コールセンターで予約をうけて、それをそのまま確定の予約としてうけてしまいましょう。店舗側とのやりとりが一切なくなれば、店舗側はサービスに集中できますし、利用者も電話の音によるストレスや中断による満足度の低下がなくなります。

サービスを規格化し、予約をとる時間や予約をいれるルールを統一化することで、店舗の現状が見えないコールセンターで予約を確定してしまっても問題のない状態ができあがります。もちろん、店舗側で緊急事態が起こる等で予約を受けられない時間帯が発生する場合は、その操作も簡単に行えるようにしておけば、思わぬ予約のとりすぎを防止することができます。自店の予約状況は逐一表示され、すぐに確認できるようにしておけば、万が一の予約ミスに気づくこともできるでしょう。

Point.3 引き継ぎカルテの充実

サービスの規格化を進め、スタッフの稼働率をあげるためには、誰が担当しても顧客満足度が下がらない状態を作り上げることが肝要です。そのためにも引き継ぎをスムーズにする顧客カルテが重要です。

とはいえ、スタッフが施術後にそのカルテの入力に何分も費やすわけにもいきません。出来る限り素早く、勘所をおさえた引き継ぎ情報を記入できるように、テンプレートを充実させたり、選択式のカルテにするなど、文字入力の手間を低減すべきです。20分かかっていたものが5分で終われば、次の来店客の対応により早く移行することができます。結果として、1日あたりに対応できる客数が増えることにつながります。

自由な文字入力ではなく、そうした選択式のカルテの精度があがってくれば、それがそのまま顧客統計の分析データとしても役立ちます。痛めている部位や、どういった処置をすれば喜ばれるのかが数字として明確になるので、新サービスの設計や、スタッフ研修の基礎情報としても非常に有用になります。

また、スタッフのみならず、顧客に満足度調査で入力してもらうフローも良いでしょう。カルテが施術者と顧客両方によりアップデートされていくことで、より効果的でテーラーメードに近い施術、関係性ができあがっていきます。

健康維持マーケットの拡大

自分の身体が完ぺきな状態と思っている人はほとんどいないのではないでしょうか。常に人間は身体に違和感を覚える生き物であり、そういった意味では健康維持マーケットの規模は相当に大きいと考えることができます。

規模の拡大と共に効率性を低下させるどころか、より高めていくためには共通システムを核としたビジネス設計が重要です。妥協ではなく、一本筋の通った明快なビジネスモデル作りに、優れたシステムを活かしてみてください。

開発スタッフのコメント
決済までシステム上で行ったり、また、会計系との連動まで含んだりすると大きなシステムになってしまいますが、顧客管理、顧客サポートに限定すれば、比較的筋肉質なシステムにすることは可能です。現場のスタッフにあまり複雑な操作をさせたくない場合や、権限上、あまり大きな権限を与えたくない場合など、要件に応じて検討いただくと、コストパフォーマンスに優れたシステムが実現可能です。