今更、から今から

日々たくさんのブログやメディアが生まれ、5年前と比べても比較にならないぐらい、GoogleやYahoo!の検索結果は激しい競争が繰り広げられています。ソーシャルメディアの影響力が増すにつれ、定期的にSEOは終わったという言説が聞かれますが、それでもなお、インターネット検索の影響力は大きいものがあります。

以前は上位にいたけれども、最近は検索結果順位が落ちて、という声も珍しくありません。それぐらい、量が増え、また、SEOに注力した質の高いメディアも増えてきたため、多くのキーワードで大手や専門メディアが上位を独占する状況が発生しています。同時に、パワーブロガーの存在感も無視できません。トピックごとに専門化し、重厚なコンテンツで勝負するようになっており、SEO競争はかつてないほどのレベルに達しています。

このような状況で中小企業が取り組めることは何か。その一つとして、今だからこそ考えるオウンドメディア・独自ブログについて整理してみたいと思います。早速、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 深さ、をどう出すか

よほど特殊な業界でない限り、あなたが書こうとしている内容は、他の誰かが既に書いています。オウンドメディアを作る目的が、単純なページ増加によるSEO効果であればそれも否定しませんが、もし記事単体で見込み客を呼んできたいのであれば、数多いるライバル達よりも、内容の質・量が優れている必要があります。

記事の量でがんばれるならそれにこしたことはありませんが、相当な時間と労力がかかります。とても普通の一企業には現実的ではないでしょう。そこでお勧めするのが一つ一つの記事の深さを追求することです。「そんなことまで調べる!?」と思ってもらえるかどうかが一つの尺度になりえます。

深さというのは書こうとしてテーマのマニアックさです。たとえばビジネスマナーについて何かを書くとしても、名刺交換について、となると一段深くなりますし、海外のVIPとの名刺交換について、となるとさらに深くなります。さらに、名刺交換のない文化圏での名刺交換について、となるととても深くなります。これはただの例ですが、もう一段階深くできないかを考えると、発想が拡がる場合があります。

これは一例ですが、あなたの業界ネタでも、状況や相手を限定することで、投稿内容を深めることができるかもしれません。細かく、深くすることでネタかぶりが減り、ネット検索で上位に出やすくなります。

Point.2 記事の量はやっぱり重要

投稿のペースとして、「月に1回ぐらい更新すればいいかな」と考えているのであれば、さすがに少なすぎます。可能であれば毎日、無理でも週一、これぐらいのペースで投稿していかないと、資産としての価値がなかなか高まりません。

投稿するネタを準備できるかにもよりますが、量をつくれることも競争優位の一つです。ネタを深く・細かくすることで、より多くの記事を作ることができるのであれば、量も同時に追ってみてください。同時に、一つ一つの記事の文字量も重要です。年々、SEO効果が高まる文字数はましており、数千字というのが当たり前になってきました。長いコンテンツを見やすくするように記事内リンクやhタグでの構造化をきちんとし、充実した情報を用意することが重要です。

同時に、ロングテールで様々なキーワードをカバーできるよう、それぞれの記事に想定するキーワードを意識してください。ひと昔前のようにキーワードを詰め込んでしまうと今では逆にマイナス評価になり得るので、自然なかたちで想定キーワードを入れ込むようにすれば十分です。

Point.3 意味がある内容があること

これは当たり前過ぎるポイントではあるのですが、意味がある内容があることはとても重要です。SEO対策として行われているメディアの中には、ただただ文字だけの中身のないものも多くあります。また、昨今のAIの進化により、内容をある程度自動生成してしまうというアプローチも存在するため、中身の質がますます問われていると言えます。今後、ますます自動生成の似たような文章が氾濫することは容易に予想されます。

オウンドメディア・独自ブログは、あくまで集客が目的です。検索からのアクセスが多くても「この企業、よさそうだな」と思ってもらえなくては意味がありません。その記事を読んで、自社のアピールにつながるのか、しっかりと自問とチェックを欠かさないようにしてください。

年単位の視点を

オウンドメディア・独自ブログには、長期的な視点が必要です。続けていく意志がなければ、集客ツールとしての成長は決して見込めません。

最初は思ったより多くアクセスが増え、その後伸び悩み、そしてまた緩やかに上昇していくという流れがあります。また、特定の記事ばかりがアクセスを稼ぐ状況であれば、その記事の周辺を充実させていくといった細かいチューニングも良いでしょう。いずれにしろ、年単位、そして組織単位で取り組む先に、オウンドメディア・独自ブログの成功があります。

片手間ではなく広告投資としてしっかり取り組めるのであれば、「今からでも」オウンドメディア・独自ブログにチャレンジすることをお勧めします。