マンション乱立

マンションの大規模修繕の数が年々増加してきています。都市部を中心にマンション建設のペースは落ちないため、大規模修繕はこれからも増え続けることが予想されます。タワーマンションと呼ばれる高層マンションも大規模修繕の時期にきているものも増えてきており、マンションのサイズによらず、案件の奪い合いが熾烈化しています。

同時に、潤沢な予算のもと、知名度のある建設会社ばかりが受注する時代から、小回りのきく地域の工務店が受注する時代へとシフトしつつもあります。名前だけで受注できる時代から、細かい提案内容のスペックが見られる時代になってきたと言えるかもしれません。この時代に、いかにして見込み客を開拓し、受注につなげていくべきか、大規模修繕を取り扱う工務店・建設会社のホームページ制作とその集客施策について、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 素人目線でのコンテンツ強化

管理組合が機能しているマンションでは、大規模修繕の発注先の決定者が素人である住人であることも珍しくありません。もちろん、管理を委託されている業者がある程度選ぶ場合もあるかもしれませんが、管理組合内で一通りの調査をするところも多いと思います。

そういった場合によほどの大手ブランドでない限り、わかりにくいホームページは逆効果です。ホームページがわかりにくいと、簡単に競合に流れてしまうのは確実でしょう。

どの程度の修繕が一般的なのか、どれぐらいの費用感なのか。もちろん、実際の現場にいかないと正確に書けないことばかりとは思いますが、ある程度アバウトであってもそういった具体的なコンテンツは訪問者に対して強いアピールになり得ます。見積もりのとりにくさも機会損失の要因になり得ます。情報をひた隠しにせず、オープンにしていくことで、より多くの接点を確保できるチャンスが拡がるでしょう。

わかりやすくためになる、ということは、親近感と信頼感を醸成します。そのまま受注につながることもあれば、相見積もりの中に入る確率はおおいに高まるでしょう。

Point.2 事例紹介をかねた施工の流れ

大規模修繕は10年単位での話のため、発注側に経験豊富な人はいません。また、ネット上にもあまりわかりやすく流れをまとめているものもない今、自社の事例を細かく紹介することで、どのように大規模修繕が進んでいくかの流れをイメージしてもらえるようにしましょう。

流れをただ単に紹介するのにとどまらず、流れの中で自社ならではの強みや工夫をアピールするのがお勧めです。修繕はケースバイケースであることが多く、情報を整理するのが難しいかもしれませんが、1つでも2つでも、具体的な事例があることでイメージがわきやすくなります。

こうした細かい情報発信は、受注後のトラブル防止にも役立ちます。トラブルの大半は双方の期待値のずれにより起こることが多いので、あらかじめこういった流れで行われるということが共有されることで、こうしたずれの問題は少なくなるでしょう。

Point.3 お客様の声は徹底充実

今までに何回か大規模修繕の実績があるのであれば、その案件の発注者にお客様として登場していただき、どのような点に悩んだか、どうして自社に決めたか、などのインタビューをお願いしましょう。

可能であれば物件名と当時の管理組合の皆さんの顔写真もあると最高です。現実のお客様の声はとても信頼できる情報としてアピールできますし、見込み客が「自分と同じ状況だ」と投影してもらえたらならしめたものです。可能であれば地域やマンションのサイズ、管理組合の運営形態などでバリエーションがあるとさらに良いでしょう。顔出しが困難であれば、マンションの写真でも良いでしょう。その事例が詳しくわかるのであれば、そのあたりは柔軟に対応すべきです。

お客様の声はいくつあっても困るものではないため、継続的かつ積極的にホームページ上に蓄積していくことをお勧めします。

未来、未来、未来

大規模修繕案件が動き出すと、しばらくの間はその現場での対応に追われてしまうということも多いと思います。かといって次の仕事の仕込みがなければ、長い目で見たときの売上が安定しません。

プロジェクト単位で日々が業務で終われるからこそ、ホームページが見込み客をどんどんと連れてきてくれる状況にすべきです。現場を確実にまわして実績をつくり、営業はホームページが24時間がんばってくれる、こうした理想の体制を実現してみてください。

開発スタッフのコメント
大規模修繕は建設とはまた違ったノウハウが必要なため、新しいマーケットとしての競争が激しくなっています。大手デベロパーも子会社を通じて参入していることも多く、知名度や実績、提案価格と総合力が求められるようになってきました。こうした中で、相見積もりの候補に入らないことには話になりません。大手に負けないためには徹底的な情報発信と、小回りのきく提案が必要になります。常に進化していくホームページで、当たり負けしない集客施策を充実させてください。