雨具にも個性の時代
傘の世界では二極化が進んでいるように思います。使い捨て感覚で気軽に使えるビニール傘が隆盛を極める一方で、一本一万円をくだらないようなブランド傘・機能傘も一定の支持を受けています。雨を防ぐという機能をもったものとして傘を買うか、ファッションアイテムとしての傘を買うかでその予算感も変わってくるのでしょう。長い歴史のある傘ブランドも一定の支持を維持しており、雨の多い日本ならではの多種多様なマーケットになっています。
傘に限らず、長靴や、さらにはカッパにまでブランド化、高付加価値化の波が押し寄せています。通信販売になじみやすい商材のため、一度知名度を得ることができれば大きな市場性が見込めるというのも、旧来の雨具とは違ったビジネスチャンスが見いだされている事情のように感じます。日本国内に限らず、世界中の商品が商材になりえるため、ショップの方向性も様々です。
今回は、こうした雨靴、傘、カッパといった雨具の通販サイト/ネットショップ構築について考えてみたいと思います。どういったポイントに注意して構築すべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 共通の仕様情報の整備
雨具の中でも特に傘は、サイズや素材、柄など、共通の要素が多くあります。サイズにこだわりがある人や骨の数にこだわりがある人などにしっかりと対応できるように、商品仕様は共通のフォーマットで整備しましょう。データとしてもそれぞれを別の項目にわけて保存しておくことで、検索の際の絞り込みに使えるようになります。黒い傘で6本骨、サイズは65cmといった探し方ができるほうが、膨大な商品数がある場合は確実にプラスです。同時にある程度のあいまいさで検索できる余地も残すべきかもしれません。サイズちょうどでの検索になると65cmと64cmで検索結果が変わり、何度も検索を切り替えないといけなくなってしまいます。商品量を見ながら、例えば62〜65cmとしてみたり、小型、中型、大型といった分類にするなど、探しやすさへの配慮は忘れないようにしてください。カテゴリ分けを細かくする一方で、あいまいな検索にも対応できるとなお良しでしょう。
商品仕様を整備することで、サイズ別や色別といった売上集計も簡単にできるようになります。経営上の意志決定にも役立ちますし、利用者の探しやすさも向上するためお勧めです。
Point.2 写真はしっかりきれいに
雨具はもはやファッションアイテムという意識をまず持ってください。写真をスタッフが手持ちのカメラで撮ったもので済ませているとしたら、今すぐにしっかりとした写真に切り替えてください。何もアート作品のような写真である必要はありません。1商品あたり数百円で商品撮影代行を行っている会社はたくさんあるので、そういった会社を利用するのも一つです。写真のクオリティで売上に差がでることもよくある話なので、ここは手を抜かずにしっかりとやってください。実際に雨の日に使っている写真など、リアリティのある写真も良いでしょう。
中長期的には撮影は自社内で行うのをおすすめします。コストカットになりますし、何より商品投入のスピードが圧倒的に早くなります。撮影機材も一度揃えればそう頻繁に入れ替える必要もありませんし、撮影環境を構築してしまえば、あとは日々の業務の流れの中でパッと撮影できるようになります。
Point.3 amazonや楽天、Yahoo!と自動連携
既に、またはこれから、楽天やYahoo!ショッピング、amazonといった他のショッピングモールに出店することを検討するかもしれません。こうした場合に問題になるのが在庫の共通管理です。
手作業で売れる度に修正していては間に合いませんし、休日の対応が後手にまわってしまいます。実際の在庫数よりある程度減らして運用することも可能ですが、全店舗が共通の在庫を参照し、売り逃し・売りすぎがないようにすべきです。自動化することで、スタッフの手間を大きく減らすことができます。
月額利用のそういったサービスも多くありますが、どこもかゆいところに手が届かなかったり、自社の運営スタイルだとコストがかかりすぎる場合があります。そうした場合は自社のネットショップにそうした在庫連動機能を組み込んでしまうことも検討してみてください。短期的には費用として大きく感じるかもしれませんが、ビジネスの成長と時間の経過にあわせて、その効果を体感できるはずです。
直販という大海原
もしあなたが直販にまだ乗り出していないとしたら、大きな可能性を逃していることになります。直販をすれば何でも売れるというわけではなく、むしろ全国の業者がライバルになるためその競争は厳しいものがあります。ですが、直接消費者と対峙するからこそ試すことができる施策はありますし、挑戦できる商品があります。
これからの販売戦略で悩まれているなら、是非自社の直販強化も検討してみてください。後発参入だからこそできるシステム化とマーケティングで、未来へとこぎ出すきっかけになるかもしれません。