見積額も納品の質もピンキリは当たり前

いざホームページを立ち上げよう!リニューアルしよう!となった時に、自社内で制作部隊がいる会社のほうが少数派だと思います。そこで大多数の会社が制作業務を外部にだすわけですが、玉石混淆の制作会社の中で”当たり”と呼べる会社に出会えるとは限りません。

原価構造が不透明なため、同じ案件で相見積もりをとっても、見積額に10倍の開きがあることも珍しくありません。また、納品の質もその制作会社の能力に大きく依存するため、素人以下のものから感嘆するような質のものまで本当に様々です。安かろう悪かろうがまだまだ残っている業界でもあり、発注側の不満が常にくすぶっている業界でもあります。

いわば海賊時代のような様相を呈しているわけですが、何も知らなければ間違いなく後悔する結果が待っているでしょう。それぐらいホームページ制作会社選びというのは難しく、今この瞬間も多くの会社が「失敗した」と感じています。

「ぼったくり業者」と「安さだけ業者」に要注意

ホームページ制作会社は、費用の納品の質という二軸で大きく分類することができます。

です。

ここでいう費用というのは絶対額ではなく、依頼する内容に対しての相対的なものになります。それぞれの業者の特長や注意点を見ていきましょう。

ぼったくり業者

必要な費用が高額な割に、納品される品質が低い業者が「ぼったくり業者」です。業者のホームページや経歴は派手なことも多く、納品の質の高低を発注側がきちんと判断できない場合は、あれよあれよと納品まで進んでしまい、後から何をいってもどうしようもない状況になることが多いように思います。

こういった業者は見積もりと初期提案の段階ではじくのがベストですが、社内に判断できる人材がいない場合は押し込まれてしまいます。そういった心配がある会社さんにお勧めしたいのは相見積もりをとるようにすることです。ぼったくり業者からしか提案や見積もりを受けなければその金額が安いのか高いのか、また、デザイン案が良いのか悪いのかの判断がつきません。また、実績は必ず確認するようにしてください。作ったばかりのはずのサイトがすでに存在しないなどは、トラブルの可能性が高くなります。

自前で開発力がない場合は、まともなものが納品されないリスクも高まります。悪意の有無にかかわらず、品質が担保されないような業者には依頼しないのがです。

安さだけ業者

費用は安いものの、納品の質も低い業者が「安さだけ業者」です。とりあえずコストを抑えたいという意向が強いとこうした業者にはまってしまう場合が多いように思います。安かろう悪かろうとまでは言いませんが、やはり過剰に安いことはデザイナーや担当者の質が低いことを意味します。提案の質や実際の納品の質が良ければ安いに越したことはありませんが、質もチェックせずに値段だけで業者選定を行ってしまうような愚を犯すことは避けてください。

また、こうした値段勝負の業者は、問い合わせてみると非常に納期が長いこともあります。下請けに出していたり、海外の業者に依頼していたりする場合にはさらに納期が長くなってしまうこともあります。最悪の場合、費用の安さを理由に開き直られてしまう場合もあるので注意が必要です。

王道無難業者

費用はかかるものの納品の質が高い業者が「王道無難業者」です。お金をだせば品質は高まるというのは正しく、しっかりとした組織体制や評判、実績などの安心材料も多く、予算に余裕があれば有力な候補になり得ます。進め方もかちっとしていることが多く、打ち合わせをしっかり行っていきたいという人には安心感があるでしょう。

とはいえ、大企業向け価格なことも多く、中小企業にとっては高すぎる場合がほとんどです。しっかり進めていくということはそれだけ人件費がかかるため、仕方ない構造といえば仕方ないとも言えます。制作会社の知名度やブランド力を第一優先にするのであれば止めませんが、制作費やその後の修正等の作業費も含めて長期にわたり潤沢な予算を設定できる場合にのみお勧めします。

お値打ち業者

費用は抑えながらも、納品の質が高い業者が「お値打ち業者」です。予算が限られる中小企業がホームページを有効活用していく上で探すべきパートナーがこの業者です。知名度や実績は「王道無難業者」に劣ることも多いですが、それは過去の話であって、あなたの会社の案件に対する提案力を見てその善し悪しを判断するようにしてください。この「お値打ち業者」を捕まえることができれば、毎度制作会社選びで悩む必要がなくなり、本腰を据えてホームページを経営に活用していくことができるようになります。

こうした業者はあまり派手な広告宣伝を行っていないことも多く、既存の顧客との取引やそこからの紹介だけで十分な稼働をしているためにあまり表に出てこないの難点です。進め方もメリハリをつけて余計なことをしないことで費用を圧縮していることも多くあります。知り合いの紹介など、偶然にもこうした業者と出会えたのならラッキーと言えるかもしれません。

探し方別の失敗パターンと注意点

いざホームページ制作会社を探す時に、探し方がいくつかあります。それぞれを失敗パターンとあわせて整理してみましょう。

1. 知り合いの紹介

知人や経営者仲間、税理士等から紹介を受けるのがこのパターンです。お値打ち業者と出会う可能性も高いですが、ぼったくり業者と出会う可能性も非常に高いのがこのパターンの特長です。

紹介してくれる相手が自社でホームページを運用していてある程度の知識を持ち合わせているのであればその紹介はまともな業者である場合が多いでしょう。逆に、あまり詳しくない人からの紹介は質の低い場合も多く、紹介がゆえに断り切れずにずるずると行ってしまって失敗することになるでしょう。重要なのは、紹介してくれる相手が詳しいかどうかです。誰かれ構わず紹介して欲しいと依頼するのではなく、ご自身の周囲の人間で詳しそうな人を選んでお願いするように心がけてください。

自分たちが「このホームページはすごい」と思えるホームページの運営元に紹介してもらうのが現実的な方法かもしれません。実際の依頼者の声を聞けるのは判断材料としてはとても良いものです。

2. マッチングサイト、マッチングイベント

世の中には制作会社を紹介したり、制作会社とのマッチングを支援する会社やイベント、WEBサイトが多数存在しています。こういったサービスを完全に否定するつもりはありませんが、ホームページ制作に知識がない人にとっては選択肢だけが多くて混乱するだけだと思います。結局はなんとなくの雰囲気や会社からの距離などで決めてしまって後悔するのでは意味がありません。選ぶ目を持っているかどうか、持っていないのであれば複数の業者に声を掛けるなど、慎重に利用するようにしてください。

3. ネット検索して探す

Googleなどの検索エンジンで探すのも一つの方法です。制作会社はいくらでも出てくると思うので、いかに選ぶかが重要になってきます。自社の業態に理解は深そうか、デザイン力は十分かなど、その会社のホームページを見ながら検討してみてください。地理的に近いに越したことはありませんが、打ち合わせ自体は数回です。多少距離が離れていたとしても、「これだ!」という出会いがあったなら声を掛けてみましょう。

重要なのはデザイン力と構想力の両方

ホームページ制作ではデザインばかりが目立ちますが、きれいなだけでは売上は伸びません。あくまで、背後にある思想や仕掛けがしっかりしていないと、事業を加速させるホームページとは呼べません。

制作会社との初回打ち合わせや提案を受ける際には、その会社がデザイン力はもちろん構想力があるかに注目してください。顧客を理解し、具体的な提案に落とし込むことはすべての制作会社ができるわけではありません。デザインは一つの要素に過ぎないのだということを胸に刻み、経営視点で提案を判断してください。こうすればインターネットを共に攻めるパートナー選びに失敗することはないと思います。

もしホームページ制作会社選びで悩まれた際にはお気軽に弊社にご相談ください。「お値打ち業者」になり得るよう日々努力をしていますし、セカンドオピニオン的に相談だけしていただいても構いません。少しでもホームページ制作会社選びで失敗する会社が減ることを願っています。