ビジネス創出をサポート

生き方としての起業が一般的になってきました。ITを中心に、ビジネスの形態が拡がったことも遠因としてありますが、少しずつ日本人の考え方が変化していることのあらわれのように感じます。大学発のベンチャーから、フリーランス、さらには出資をうけてのベンチャーなど、様々なかたちで新しい会社が生まれています。

こうした中で、これから起業したいという起業予備軍に対する情報提供やビジネスも盛り上がりを見せています。税理士が主催するものや、地域の商工会が主催するもの、さらには私企業や行政が実施するものまで本当に様々です。それぞれに思惑があっての開催ですが、こうした起業セミナーへの需要が堅調であることをあらわしているとも言えます。

今回のテーマは、こうした起業家向けセミナーのホームページやランディングページの制作についてです。どういったことに気をつけて構築すれば良いのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 セミナーで得られる物を明確化

起業家向けセミナーに参加するような人は、何をやるかが明確な人というよりかはまだ不明瞭であったり、明確な課題というよりは漠然として不安を抱えている人が多いのではないのでしょうか。起業のネタが明確であれば既に動き出しているでしょうし、そうでないからこそ情報収集に精を出しているのだと思います。

こうした人たちにとって、そのセミナーが何を自分に提供してくれるのかというのはとても気になることです。有名な講師がきてなんとなくいい話が聞ける、普段知り合えない人たちと知り合える、といった程度の訴求ではなく、何を話して、どういったことがセミナーに参加した結果得られるのかを明確にホームページ上に掲載しましょう。啓蒙よりなのか、スキルアップよりなのかで客層は変わります。この根底の部分のミスマッチが起きないように配慮するだけで参加者満足度は向上します。

また、そのメッセージ性を補強するために参加者の声を掲載し、実際に主催側が意図している内容を参加者が実感していることを示します。参加者の声は多ければ多いほど良いと思いますが、最低でも3は集めるようにしてください。

Point.2 申込時に枠も確定

セミナーの申し込みの形態によっては、とりあえず参加申し込みをして、後から日程調整を行うというフローのものもあると思います。これは運営側に無駄なやりとりを生じさせますし、参加者側にも、一番気分が盛り上がっている申込時に予定が確定しないというフラストレーションを生じさせます。「面倒だし、また次でいっか」と先送りされてしまうと、その次が来るかはわかりません。

申し込みページ内に現在の空き状況を表示するようにし、そのまま空き枠に対して申し込みを行うかたちにしましょう。ちょうどセミナーの日時候補を選択して申し込むかたちで、自動送信の確認メールの後に、最終確定のメールを事務局から送るようにしましょう。少人数では赤字になってしまう、という場合は、最小催行人数の設定を設けるのも良いでしょう。「あと○人で開催」という表示も追加しておけば、ユーザー側の勘違いによるトラブルも防止できます。

必要であれば開催前日にリマインドのためにメールを送るのも有効です。このあたりは実際の直前でのキャンセル率などを見ながら導入を検討してみてください。

Point.3 動画や写真でセミナーの様子を伝える

参加したことのないセミナーは、どうしても不安に思います。参加者からすればアウェーの環境ですので、その得体の知れない不安を払拭する工夫が必要です。

既に開催したことのあるセミナーであれば、動画や写真を駆使して様子を伝えます。動画であればダイジェスト版があれば最高ですが、なければ最初や中盤の3分ほどを切り出した動画でもかまいません。

また、写真では参加中の聴衆の様子や、講師が話している様子、さらには会場や、その後の懇親会などの様子を掲載するようにしてください。セミナー内容の掲載はノウハウの漏出にはなりますが、全部を公開するわけではないのでそこまで問題にならないことが多いと思います。うまく当日の様子が伝わるように工夫してみてください。式次第を詳しく紹介するのは運用側の負担も小さいのでおすすめです。

不安を勇気に変える場

起業家向けセミナーとは、社会的に非常に大きな使命を負っていると思います。新しい挑戦をしようと悩んでいる人の背中を押すこともあれば、思いとどまらせることもあると思います。最終的に起業することになっても、起業を辞めることになっても、どちらにしてもセミナーが果たした役割は大きいはずです。とはいえ、セミナーへの参加者が増えなければこうした意義も薄くなってしまいます。素材を最大限活かすための方法論を、いろいろと試してみてください。

開発スタッフのコメント
セミナービジネスは情報や出会いの機会を提供する性質上、怪しくなりがちです。ゲストの知名度でそういった不安感を払拭することも可能でしょうが、すべてのセミナーがそうした有名人で行われるわけではありません。セミナー実績はもちろん、内容の発信の仕方や、見込み客とのコミュニケーションなど、まさにユーザー体験全体のクオリティが求められると言えます。参加者の心もモチベーションも満たすような、ユーザー体験を練り上げてみてください。