小規模需要の増大
フィットネスの需要は下がるどころか高まる様相を呈しています。とはいえ、いかにもフィットネスという業態以外に、加圧トレーニングやヨガ、その他マンツーマンをベースにしたところなど、その形態は非常に細分化されてきています。
この他にも自宅にトレッドミルやクロストレーナーを設置する動きもあり、フィットネスマシンを販売する会社にとっては、法人も個人も対策、対応しなければいけない時代になったと言えます。カタログだけを掲載しておけば良い時代は終わったと言え、公式の情報参照源として、正確かつ詳細な情報発信に努める必要があります。OEMメーカーも乱立しており、安い海外品も流入してきています。家庭用の需要を無視していると市場をごっそりと失うリスクがあります。
今回のテーマは、こうしたフィットネスマシンを販売するメーカーのホームページや販売サイトの構築についてです。どういったポイントに注意して構築すべきか整理してみましょう。
Point.1 PDFではなく情報をHTMLに掲載
メーカーの中には、商品の詳細はこちらというかたちでPDFリンクに飛ばしているところもあります。商品カタログを紙で作っている場合、内容を統一できて、アップロードすればすぐに閲覧可能という気軽さからでしょうが、これは訪問者にPDFファイルを開くという手間を強いてしまいます。
印刷用途など、PDFリンク自体はあっても良いですが、同じような内容をHTMLに掲載することで、ページを見ていながらすぐに必要な情報を確認できるようにしておきましょう。カタログを作る際のフローも、あらかじめホームページ化することを見越して作業すると良いでしょう。PDFだと閲覧率がどうしても下がりますが、HTMLページに落とし込むと情報を探しやすく移動もしやすい他に、ページ容量も小さくなるため、快適に閲覧できるようになります。
PDFでは動画は埋め込めませんが、ホームページ上の表現力は無制限です。動画や写真を駆使して、平面的な紙には実現できない立体的なプレゼンテーションを行ってみてください。
Point.2 実際の設置例、活用例を掲載
法人による購入であればあまり効果はありませんが、個人で購入を検討している人からすると、実際に設置した時にどうなるのか、また、どういったライフスタイルになるのか、といった情報を欲しています。こういった不安を払拭する手段として、実際の設置例や活用例をホームページ上に掲載するようにしましょう。
実際の購入者がいればその方に取材を申し込み、設置されている様子を写真におさめるとともに、導入に至った背景などを取材するようにしましょう。ホームページ上にはインタビュー記事として掲載し、できるだけたくさんの写真と質疑応答で、その人のストーリーを読めるようにします。
可能であれば、送料や設置費用なども含めた総費用も掲載し、実際にどれぐらいかかるのかというイメージがつきやすいように配慮しましょう。可能な範囲で、設置場所の寸法や設置の際の苦労やこだわりなどもあわせて発信すると効果的です。重量物であること多いので送料が算出しにくいとは思いますが、地域による目安を掲載するだけでも意味があります。
Point.3 アフターフォローやメンテナンスの詳細も記載
フィットネスマシンのサイトの多くはアフターフォローやメンテナンスのことについての情報が乏しい傾向にあります。比較的頑丈とはいえ、やはり壊れる時は壊れますし、長く使うにはメンテナンスを行った方が良いことには違いありません。ホームページ上でメンテナンスの重要性を発信すると共に、充実したアフターフォローのメニューを掲載するようにしましょう。
無償でも有償でも、しっかりとしたサポートが期待できることは安心材料になります。高額なマシンが多いので、長く使い続けられることは最低条件の一つにもなるため、社内でのルールを明文化して掲載するようにしてください。
また、自分でメンテナンスするためのコツやノウハウをホームページ上に掲載することで、さらに購入後への不安を軽減することができます。「これぐらいなら自分でもできそう」と思ってもらえることがまずは導入への第一歩です。情報は出し惜しみせず、情報発信に対する誠実さを商品やブランドイメージの向上につなげてください。
世界中が販路になる時代
フィットネスマシン市場の中で、海外ブランドの占める割合は無視できません。これは裏を返せば良いものを作れば海外市場にも打って出ることができることを意味します。もちろん、最初から英語対応などは負担として重たくなるかもしれませんが、きっちりとしたインターネット戦略を行うことでブランド育成や、将来的な海外展開も視野に入ってきます。大きな野望を秘めながら、まずはできる範囲からの取り組みを確実に進めていってください。