比較される時代

税理士事務所といえば、企業経営している人であればかなりの確率でお世話になる存在だと思います。起業したての時はどのように税理士を選べばいいのか当方にくれた経験をお持ちの方も多いと思います。実際、ものすごいこだわりや納得感を持って今の税理士事務所を選んだという人のほうが少数かもしれません。

このあたりに目をつけたマッチングサービスも相変わらず人気ですが、税理士事務所自体がネット集客に力を入れている事例も増えてきました。早い段階で顧客にできればその後の継続的な顧問報酬が見込めますので、真っ当な戦略と言えます。マッチングサービスやポータルサービスと違い、自由なかたちで発信できるので、インターネットを通じた集客に意欲的なところであれば、取り組む価値は十分にあると言えます。

今回のテーマは、こうした税理士事務所・税理士法人のホームページ制作やその管理システムについてです。どのようなホームページを構築すればインターネットで比較される時代を生き残っていけるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 Wordpressベースで更新力を高める

税理士事務所のホームページで多いパターンが、作るときは気合いをいれて作ったけど、その後はずっとほったらかしというパターンです。中にはお知らせ情報の最後の日付が去年だったりと、もはやホームページのことを忘却してしまっているとしか思えない場合すらあります。これではアピールにつながりませんし、SEO対策上もマイナスです。

制作会社に丸投げで、制作会社しか編集・更新が行えないような仕組みだと自ずからこうなってしまいますので、事務所内のスタッフで簡単に更新できる仕組みを整えましょう。幸い、Wordpressをベースに構築することで、ホームページ全体を簡単に構築することができます。

また、ホームページのデザインにはトレンドがあり、いつまでも同じデザインだと古臭く見えてしまう場合があります。10年という単位でそのままでも問題ないケースもありますが、ある程度定期的なリニューアルを行う前提で、仕組みや体制を構築しておくほうがおすすめです。

Point.2 税務関連情報は積極的に発信

あわせて、事務所ブログも開設し、発信力も強化するようにしてください。税務情報はノウハウとして隠すのではなく、どんどんと公開するようにしましょう。あなたが公開しなくても他の誰かが公開して得をしています。インターネットの時代、情報自体にそれほどの価値はない、というぐらいの気持ちで取り組んでください。

インターネット検索でホームページを見てもらえる機会が増えれば願ったりですし、きちんとしたホームページを制作しておけば、そこから仕事の依頼につながることも珍しいことではありません。さらに自身がタレント化することに抵抗がないのであれば、Youtubeチャンネルを開設して、動画での配信に力をいれることも有効でしょう。どこで新しい顧客との接点を得られるかはわからないので、いろいろな方策を組み合わせていくことが重要です。

Point.3 お知らせサービスなどでメールマガジン集客

税務には一定の周期で毎年恒例の行事があります。こうした行事に関する情報を発信するメールマガジンを発行してください。こうした顧客向けに発行するような内容のメールマガジンを一般にも開放することで、申し込み前の見込み客を開拓するという方法もお勧めです。

メールマガジンの内容にあまりにセンシティブな情報を配信しているのであれば自重すべきですが、たいていの場合は事務所のスタッフのことや税務のこと、所長のコラムといった内容で構成されていると思います。こうした情報は何もお客様だけに限定する必要はないので、税務情報メルマガとして公開してみてください。

また、税務への関心が高まる時期に向けて、ランディングページ(LP)を開設するのも良いでしょう。メールマガジンと組み合わせることで、集客力の底上げが期待できます。通年で広告を出し続けると費用対効果があがらない場合でも、需要が盛り上がる時に集中的に投資することで、費用対効果に優れた広告集客が可能になる場合もあります。

際立つ必要性

税理士というのは一度契約を確保できれば、比較的継続率の高いビジネスです。ですが、最初の契約をとるのが大変であり、その際に重要になるのはいかに際立つかだと思います。

ホームページ上でのコンテンツやキャッチコピー、さらにはデザイン上の仕掛けまで、際立つためのテクニックは複数あります。こうしたことを駆使しつつ、情報発信と更新力を高めていくことで継続的な新規客の獲得が可能になるのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
税理士事務所は積み上げ型のビジネスモデルのため、いかに継続的に新規客を獲得し続けるかが、事務所拡大への肝になります。クライアント企業の口コミも効果はあるとは思いますが、その数には限界があります。リモートでのコミュニケーション手段が進化していることもあり、ますます地理的な制約が小さくなっている今、インターネットを活用した集客の優先度を高めない理由はありません。最後にホームページを更新した日が思い出せないのであれば、なおのこと、積極的に取り組んでみてください。