社交と趣味の場

社交ダンススクールはダンスに疎い人には縁遠く思いますが、都市部には点在し、講師と生徒を中心とした経済圏を形成しています。講師は現役のプロであることも多く、そうした活躍に憧れて門を叩く人や、学生時代に社交ダンスを経験した人達が再びといった場合もあるようです。ただ、一般的にはまだまだマイナーな存在で、テレビ番組の特集でよく見かけた、という程度の人も多いと思います。

フィットネスクラブと比べるとどうしても初心者にはハードルが高く感じます。ペアで行うことがある程度前提になるだけに、一人での参戦に躊躇するのも無理はないかもしれません。とはいえ、こうした事情を払拭してこそ、新しい生徒の獲得につながるのだと思います。

今回のテーマは、こうした社交ダンス教室のホームページ制作と管理システムの構築についてです。どういった工夫を施せば有効活用できるホームページになるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 プロであると同時に人間

社交ダンス教室の顔といえば、講師です。どういった大会で優勝したとか、プロとしての実績を多く掲載しているところは多いのですが、その人の人となりを充実して記載しているところは少ないように感じます。講師写真も華やかなものが多く、ホームページのデザインもどうしてもエレガントな印象が多いだけに、どうしても親近感という意味ではハードルがあがってしまいます。

プロとしての印象ではあまり人となりが分からないぐらいがいいのかもしれませんが、教室に興味がある人にとっては、実績以上に相性が心配になります。これがもし、共通の話題や趣味がありそうであれば、ぐぐっとその不安を低減することができるのではないでしょうか。実績がすごいことしか記載がなければ、「厳しそう・・・」「怖そう・・・」という印象ばかりが膨らんでしまいます。本格派の教室であればそれで良いのかもしれませんが、初心者を積極的に迎え入れたい教室であればそういったイメージは逆効果です。

とはいえ、馬鹿なことを書けというわけではありません。10の質問というかたちで講師全員に共通の質問をして、考え方や好きなものをあぶりだすのでもいいでしょうし、講師一人一人がブログを順番に担当し、日常を写真やコメント付で紹介するのも効果的でしょう。大切なのは情報を隠さずに公開してしまうことと肝に銘じ、積極的な情報発信を心がけてください。

Point.2 基本的なレッスンを公開

教室に通おうかと検討している人の内、特に初心者にとっては、どのようにレッスンが進んでいくのかも不安になります。こうした不安を払拭するために、レベル別に日々のレッスンがどのように行われるかを写真付きで紹介しましょう。もちろん毎日同じことをしているわけではないと思うので、典型的な部分だけでも良いでしょうし、主だったパターンを複数紹介するのも良いでしょう。初心者の方に対象を絞って、どのようにステップアップしていくか、という切り口で紹介するのも有効だと思います。

申し込みから初めてのレッスンまでの流れが透明化されることで、事前に教室に通っている自分の姿をイメージすることができます。事前にイメージしてもらえることで不安を軽減することもできますし、当日の受け入れ側の負担も減る効果が期待できます。また、レッスンメニューを整理することにもつながりますので、講師側も日々のレッスンを進めやすくなる効果もあります。

Point.3 Wordpressでコンテンツ管理も統合

ホームページの土台はWordpressで構築しましょう。低コストで便利なサイト管理の仕組みが手に入りますので、ほぼ一択と言ってもいいと思います。ブログ機能との統合も簡単ですので、ホームページ+ブログという運用にも最適です。それすらも難しければX(旧Twitter)やInstagramだけで戦うという方法もないことはないですが、どうしてもしっかりとした情報発信には向いておらず、両方を併存させるならまだしも、ホームページを持たないのは非常にもったいない印象を受けます。

また、レッスン動画やコンテスト動画など、教室の関係者だけに公開するための場としても使えます。投稿単位でパスワードをかけることができますので、一般には公開したくないけどインターネットで共有したいというニーズにも対応することができます。ソーシャルメディアの更新情報も自動的に反映されるようにしておけば、普段は使い慣れたソーシャルメディアをスマートフォンから更新するだけ、という運用も実現可能です。

エレガントかつ積極的に

社交ダンスがそうであるように、社交ダンス教室のホームページはエレガントであるべきです。デザインはもちろん掲載されているコンテンツでもそうあるべきですが、そのトーンを保ったままで、情報発信の量はできるだけ多くするべきです。

情報発信の量が増えることで失うことよりも、得ることの方が圧倒的に多いと思います。新しい生徒の獲得と既存の生徒の利便性向上の両方に通じるホームページを目指してみてください。

開発スタッフのコメント
地域のコミュニティ誌への広告出稿や看板、口コミなど、旧来ながらの集客手段に限界を感じている社交ダンス教室も多いのではないでしょうか。インターネットを積極的に活用しているところも多く、新規性との獲得経路はすでにインターネットがメインというところも珍しくないと思います。不安を払拭するためには、社交ダンス教室側から歩み寄る必要があります。最初の接点をエレガントかつソフトなものにするべく、ホームページを有効活用してみてください。