カフェ・レストランの細分化
人間の基本欲求である食にまつわるビジネスは景気の善し悪しにかかわらず安定した需要があります。一方で競争は激しく、カフェやレストランはどんどんと細分化し、ターゲットを明確にすることで生き残ろうと模索しているのではないでしょうか。
その一ジャンルとして確固たる地位を築きつつあるのが自然派カフェレストランという業態です。ナチュラルや野菜、オーガニックという言葉を冠することもありますが、基本としては素材にこだわり、フレッシュな野菜を使いながら体に優しい味付けや料理で提供するというものです。プレート単位でオーダーするスタイルからブッフェスタイルのお店まで、細かい差異はあります。フレッシュな素材やオーガニックな素材を使うことが多く、原価としては高くなりがちです。そのため客単価も高いことが多いのですが、それでも人気でお客さんが殺到しているお店もたくさんあります。
健康に良いものをおいしく食べられるということで、多くの支持を集めています。都心部のみならず、郊外でもこうしたこだわりのレストランが増えており、今後もこの傾向が続くことが予想されます。
今回のテーマは、こうした自然派カフェレストランのホームページ制作及び管理システムの構築についてです。どのようなホームページにすればファンを増やしていけるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 産地情報はストーリー仕立てで紹介
消費者の健康志向や安全志向、さらには野菜や肉のブランド路線の流行により、食材の産地を公開すること自体は珍しくなくなってきました。そんな中で際立つためにも、単純に産地を公開するだけではなく、その産地と生産者をストーリー仕立てで紹介しましょう。
○○産のじゃがいも、というだけでは足りません。○○のXXさんがこだわりの製法で作ったじゃがいも、というレベルで、写真や手書き風の文字を添えるとなお良いでしょう。さらに関係性が濃い農家さんであれば、取材にいって、その様子を動画におさめて公開してしまうのも良いと思います。さながら、食を中心としたエンターテイメントです。
どういったことにこだわっているのか、どういった思いで毎日農場に向かっているのか、こうしたストーリーになるだけで、その食材の価値がぐぐっと高まります。何よりこうしたストーリーは読み物としておもしろいのでホームページへの訪問者の満足度が高まりますし、口コミによる拡散効果も期待できます。こだわりの食材があるのであれば、そのこだわりは積極的に発信しましょう。
Point.2 毎日の細かいことを継続発信
ホームページはコストパフォーマンスを考えてWordpressをベースに構築しましょう。こうすることでブログが簡単にホームページに設置でき、継続的な発信が簡単に行えます。ブログでは毎日の気づきや季節に関することを発信していきましょう。お店でX(旧Twitter)やInstagramを運用しているのであれば、そちらも積極的に発信すべきです。
毎日同じように過ぎているように思えて、毎日のカフェレストランには何かしらの出来事や気づきがあるはずです。そうした細かいことを発信していくことがファンを増やすための第一歩です。毎日お店に通ってくれる人はごくごく一部です。毎日通えない人のためにこうしたお店の日常をどんどんと共有しましょう。もちろん、新しいメニューの紹介や季節の素材の紹介は、忘れずに発信するようにしましょう。
Point.3 レシピや料理動画の公開
自然派のカフェレストランが顧客に提供しているものは、おいしい食事だけではありません。健康的なライフスタイルという価値観を提供・提案している比重の方が多いのではないでしょうか。
お店のファンを増やすために、健康的な食事に関する情報はどんどんと発信しましょう。お店でだしている料理のものにするかの判断はお任せしますが、自然派なレシピもホームページ上に掲載します。また、料理の作り方の動画も掲載して、Youtubeでの拡散効果を狙うと共に、料理を勉強したい人に役立つコンテンツにしていきます。
また、こだわりをテイクアウトできるような、お持ち帰り商品の開発も可能であればおすすめします。贈答を通じて新しい顧客の開拓にもつながりますし、売上の底上げにもつながります。お店の人気のメニューをテイクアウトできるようにするだけでも良いでしょうし、余裕があればテイクアウト専用商品を開発するのも良いでしょう。
一見、こうしたことはノウハウの流出のように思えますが、長期的にはお店のブランド価値を高め、失うお客さん以上のお客さんを呼び込む効果をうみます。長く愛されるお店にするためにも、長期的な視点で取り組んでみてください。
ファンからビジネスを拡大していく
自然派カフェレストランのような、ライフスタイルを提案している飲食業の場合、多店舗展開を焦るあまりに自滅して勢いを失うパターンが多いように思います。店舗を出すことが飲食店における売上拡大のセオリーだけに気持ちはわかりますが、店舗数が少なくてもファンを増やし、売上を拡大していく方法はあります。
極論を言えばファンの形成がうまくいっていれば何をやっても成功しますし、ファンを増やす仕組みがなければ、いくら店舗をだしてもうまくいきません。お店自体でやるべきことも多くありますが、ホームページ上でできることもたくさんあります。まずは一歩ずつ、ホームページ活用からはじめてみてください。