市場変化のまっただ中
庭師、造園という言葉になじみ深い人がどんどんと減ってきています。今はむしろガーデニングという言葉の方が一般的になっているぐらいかもしれません。庭師が活躍するような庭は減少傾向にあり、マンション型のライフスタイルの発展と相まってその傾向はますます強まっているように感じます。
こんな中でたくましく存続している造園会社があるのも事実です。テレビに露出するような一部の有名造園会社は例外としても、自ら変革を繰り返すことで企業体として成長を続けている会社は存在しています。お庭づくりという次元で様々な提案をしたり、さらに多様なサービス展開を行っている会社もあるようです。
今回のテーマは、こうした庭師/造園業のホームページ制作と管理システムについてです。従来の付き合いベースの仕事の取り方から可能性を拡げるために何ができるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 費用をパッケージ化してわかりやすく
造園業であれば、具体的な費用は別途お見積もり、といったかたちにして、あまり価格を掲載していないところが多いのではないでしょうか。ホームページをそもそも持っていないところもあるぐらいなので、体質としてはどうしても古くなるがちだと思います。
常連客はそれで全く問題ありませんが、新規客や、乗り換え客はそうはいきません。ある程度の範囲で価格が掲載されていないと判断がつきませんし、いくら取られるんだろうかと不安ばかりが募ってしまいます。はじめて問い合わせするという人にとって、できるだけ問い合わせへのハードルは下げる必要があります。この最初の一歩の踏み出しやすさの違いで、お客さんと取れるか取られるかが決まると言っても言い過ぎではないでしょう。
もし導入が可能なのであれば、メニューをパッケージ料金化することをお勧めします。庭の広さが○坪までは××××円ぽっきり!のような表示の仕方です。植わっている植栽によって値段が変わることはもちろんわかりますが、一定の参考値を提示することに意味があります。どうしても割に合わない庭の場合はその旨を伝えれば依頼者もわかってくれるはずです。そのあたりは注意書きとしても併記しておくことでクレームは未然に防止しましょう。
Point.2 普段のメンテナンスのコツを掲載
庭を美しくするプロフェッショナルとして、代行業という立ち位置からアドバイザーという立ち位置に進化すべきです。具体的には、ホームページ上で普段の植物のメンテナンスのコツを積極的に発信しましょう。こうすることで庭に関する知識を積極的にアピールすることができますし、ガーデニングに興味があるけど造園は検討したことがなかったような潜在顧客を集客することができます。
ノウハウの公開には多少の抵抗があるかもしれませんが、知っていることとできることの間には大きな溝があります。大切にすべきは技術であって、知識ではありません。そこは出し惜しみせずに積極的に公開していきましょう。また、「こんなこともできるんだ」と認識してもらうため、サービスとして請け負っているものは、いろいろな種類のものを情報公開するように心がけてみてください。
また、自分でできる範囲でのグッズ紹介や指導も有効な場合があります。危険を伴うものや高い技術を伴うものは職人が担うべきですが、通年での庭のクオリティアップには本人の協力があったほうがスムーズな場合もあります。依頼主がガーデニングに興味がある前提にはなりますが、そうした角度でのサービス提供も検討してみてください。
Point.3 造園事例、毎日の活動は細かく発信
たまに軽トラックが止まっているのは見かけることはあっても、造園業のスタッフが普段何をしているのかはわかりにくいものです。自社に親しみを感じてもらうためにも、普段の会社の様子をどんどんとブログやX(旧Twitter)を活用して発信しましょう。実際の造園作業自体は、動画におさめておき、Youtubeに掲載してしまうのも良いでしょう。
実際の造園事例も写真でどんどんと掲載し、自分達の技術力を提案することも忘れないでください。写真が持つメッセージ性は強烈なものがありますので、過去のものも含めてしっかりと写真を整理して掲載していきましょう。写真のクオリティにはこだわってください。間違ってもスマートフォンで撮ったぶれぶれの写真では逆効果です。一枚一枚、未来のお客様に提案するつもりでそれなりの機材で試行錯誤しながら撮影してください。
しっかりとした発信ができている会社は、それだけでしっかりとした会社という印象を与えることができます。文章量も質も、最初のうちは慣れない部分もあると思いますが、社内で改善していけるのが理想です。
庭という空間のプロデューサーに
時代は明らかに厳しくはなってきています。庭自体が減少していることに加え、ガーデニングをステップにしたセミプロの存在、庭に植えるものの変遷など、あげだせばきりがありません。もはや従来型の待ちでは生き残っていけないことは今更言うほどのことでもないと思います。
こうした状況下で重要なのは、造園業ではなく、庭という空間をプロデュースする存在になれるかどうかだと思います。従来の枠組みに縛られず、柔軟かつ大胆な発想で提案力と実績を積み上げていってください。