街に溢れる隠れ家

隠れ家的レストランの人気が衰えることを知りません。本当に秘境のような場所はむしろ少数で、都会にあっても隠れ家的な雰囲気を大切にし、常連さんを中心にお店を切り盛りしているお店のほうが多いのではないでしょうか。

こうした隠れ家的なコンセプトは軌道にのってしまえば楽なのかもしれませんが、あまりに隠れてしまうとお客さんを開拓できないというジレンマに陥りがちです。コンセプトと集客という両立に、頭を悩ませている人も多いと思います。隠れ家だからといって、集客をしてはいけないということはありません。隠れ家レストランなりのやり方がある、というだけだと考えます。

今回のテーマは、こうした隠れ家的レストラン/居酒屋のホームページ制作についてです。どのようなポイントに注意すれば良いのか整理してみましょう。

Point.1 ホームページの雰囲気を最重視

そもそも、隠れ家的、ということでホームページを持っていないお店もあるかと思います。これは賛否両論ありますが、独自の物を持つべきだと思います。本当の隠れ家であれば隠れるべきなのかもしれませんが、存在を認知してもらわないと、隠れ家であることの価値も高まらないという実情もあります。

インターネットがこれだけ普及した世の中で、自店のホームページを持たなくても、どこからしで情報が掲載されてしまいます。食べログやぐるなびなど、望む望まないにかかわらず、また、内容の如何を問わずオープンにされてしまうことから避けられません。

自分の思っていないかたちで発信されるぐらいであれば、きちんとした正規のホームページを作ることが効果を持ちます。伝えたいメッセージを正確に発信できますし、世界観やイメージも緻密に表現することができます。永くブランドのように育てていきたいのであればホームページという媒体を活かさない手はありません。自分たちのことを一番しっかりと伝えられるのは間違いなく自分たち自身です。連絡手段を自分たちでコントロールできるのもメリットです。

コストを抑えたい気持ちはわかりますが、隠れ家的レストランのホームページは雰囲気が最重要です。「行ってみたい!」という好奇心をくすぐる仕掛けと良質なイメージが、質の良い新規客開拓に効果を発揮します。食べログのような口コミサイトで知った人がホームページを見て興味を深めてくれれば狙い通りの展開です。

メインとなるイメージなどの写真素材は自店の様子をドラマティックに撮影することがベストです。何より自店撮影なのでコストを抑えることができますし、そのままお店の雰囲気を伝えることにつながります。お店の中の撮影は加工も含めある程度のコツがいりますので、カメラマンやそれに準じたスキルを持った人に頼むのが無難だと思います。

Point.2 紹介待ち機能を実装

隠れ家的レストランの中には、一見さんお断りのお店も多いと思います。既存のお客さんの紹介があって初めて入店できるという仕組みは、非効率ですがブランディングの観点からは効果がある場合もあるようです。

ここでは一見さんお断りの方針の是非は議論しませんが、こういった一見さんお断りの方針だったとしても紹介無しでの来店を促す機能は実装しましょう。ちょうど店主からの紹介枠のようなかたちで特別に来店できるもので、紹介待ち機能ということでリストに登録することができるようにします。

空きやキャンセルがある場合は優先的に連絡がいくようなオペレーションにしておくことで、お店側にとってもメリットがありますし、せっかく興味を持って下さったお客さん側にもメリットがある仕組みです。連絡をするかしないかに関係なく、こうした顧客候補リストを手に入れるチャンスというのはしっかりと確保すべきでしょう。

ホームページ上のリクエストフォームから連絡先や氏名の情報を入力するだけで登録できるようにしておき、お店側は一覧から抽出したり、一括で選別したりして送信できるようにしておきしょう。こうすることで一見さんの敷居を高くしながらも、新しい客層の開拓という目的を達成できるようになります。

あわせてソーシャルメディア上で、誰か紹介してくれる知り合いを探せるような機能を用意するのも良いかもしれません。Facebookなどのつながりで実は紹介できる人がいた、というケースもありえるので、こうした仕掛けが良い効果をもたらす可能性はあるでしょう。

控えめに、したたかに

隠れ家的レストランだからといって、集客の努力から遠ざかることはお勧めしません。かといって下品な集客手段にうってでるのはもっとお勧めしません。あくまで控えめに、でもしたたかに、効果のでるものに絞ってホームページ戦略を考えていくべきです。使い方次第では大きな武器になるホームページ。食わず嫌いにならずに一度検討してみてください。

開発スタッフのコメント
飲食業の流行り廃りは激しい為、自分たちのペースで、本当に大切なお客様にだけサービスを提供していきたいという経営スタイルも増えてきました。あまりおおっぴらにやるのではなく、こだわりを理解してもらえる客を選びたいという場合にこそ、ホームページでのしっかりとした発信が効果があると考えています。何も言わずに閉鎖的になるとあらぬ風評被害をうむ場合もあります。情報についてはオープンに取り組むというバランスも良いのではないでしょうか。