トレンドを発信

街の服屋が転換期を迎えています。都市部では大きな商業施設が相次いでオープンし集客に成功する一方で、地方部では大規模なショッピングモールが一大消費地となっています。こうした中で立地的にそこまで恵まれていない服屋は廃業に追い込まれるか、新しい方向性を模索するしかありません。

こうした中でインターネットを活用するお店が増えてきました。独自のネットショップを開設したり、インターネットオークション上で積極的に販売を行ったりと、現実世界での立地の悪さなどものともせずに積極的に事業展開を行っています。店の前を通る人は増やせなくても、店を目当てに来る人は増やせるというアプローチで、実店舗の集客増に成功しているお店もあるようです。

今回のテーマは、こうした服屋/アパレルショップのホームページ制作及びネットショップ構築についてです。コストを抑えながら効果のあるインターネット戦略を実現するためにどうすべきなのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 ホームページはブログ主体

服屋のホームページは、シンプルでいてパンチのきいたものであるべきです。お店の商品を紹介するのも一つですが、そうした紹介はネットショップで行う方が効率的かつ効果的です。ホームページのメインとなるコンテンツはショップコンセプトやアクセス情報などにとどめ、鮮度の高い情報発信はブログで行いましょう。

ブログでの発信は最重要視し、買い付けの様子や取扱ブランドの紹介、コーディネートの紹介など、写真付きで積極的に発信しましょう。ブランド名で商品を探している利用者が検索エンジンで見つけてくれる効果が期待できますので、積もり積もって大きな集客効果を生み出します。ソーシャルメディアを活用するのであればX(旧Twitter)やInstagramで同様の発信を積極的に行うのも良いでしょう。動画に抵抗がないのであればYoutubeチャンネルを開設するのも良いでしょう。

ホームページは静的な情報を掲載し、ブログで動的な情報を掲載することでお店としての情報発信をどんどんと強化していきましょう。

Point.2 小規模なら低価格ネットショップを活用

よほど大規模にインターネットで商品を販売し売れる見込みがあるのでなければ、楽天市場のようなショッピングモールに出店するのはお勧めしません。月額1000円程度で利用できるカラーミーショップやおちゃのこネット、STORES.jpなどのサービスを利用するのがお勧めです。海外からの注文も想定するのであれば国際化に強いShopifyも有力です。いずれのサービスも基本機能では遜色ないため、あとは実現したいことで優先度をつけて選定するかたちになります。

こうしたサービスの中には標準でスマートフォン対応やクレジットカード決済に対応しているところもありますので、最低限かつ合理的な機能をもったネットショップがスピーディーに手に入ります。店頭在庫とネット在庫を定期的に数合わせをする必要はありますが、最初のうちは売れた分をもう一方の在庫からきちんと引いておくという運用で大丈夫でしょう。ネットショップの販売量が増えてきた段階で在庫をわけたり、POSの仕組みで在庫連動をするようにしてみたりと段階的に投資をすることも可能です。

Point.3 メールマガジンを実店舗と連動

小規模だからこそ、ネットショップと実店舗の連動にはこだわりましょう。実店舗でよく買い物をしてくれるお客さんにメールマガジンを配信していないのであれば、ネットショップ開設を機に共通して配信するようにしましょう。

ネットショップを開設する際に、実店舗のお客さんとの扱い方で悩む方がいますが、あまり気にせず、一人の人がどちらも使うという前提で考えるのが現実的ですし何より気楽です。実店舗に来店してくれる人にもネットショップを勧めるべきですし、ネットショップ利用だけの人に実店舗を勧めることも行うべきです。人気商品などは店頭で予約を受け付けるのではなくネットショップで優先販売するのも良いかもしれません。お得意さんとそうでない人を区別できるようにしておけば、こうした優先販売を効率的に行うことも可能です。

両方で共通化できる情報は共通化し、顧客データも一元管理します。こうすることで管理の手間を減らすとともに、限られた時間で行う販売促進策の効率も効果も倍増させましょう。インターネットに注力するからといって今までの常連さんが遠ざかっては意味がありません。常連さんがもっと深みに入ってしまうような配慮や仕掛けを用意することをおすすめします。

接客力とマーケティング力と

服屋/アパレルショップは、いかに販売力・接客力を高めるかが生命線でした。通行客がふらっと入ってきてくれさえすれば後は腕の見せ所、というイメージでしょうか。これからはそれだけでは生き残れないように思います。

従来の接客力も重要ですが、来店する前の見込み客に働きかけるアクション、来店できない見込み客に働きかけるアクションといったマーケティング力が求められているように思います。最小限のインターネット投資で、こうしたマーケティング力を発揮できる体制作りを実現してみてください。

開発スタッフのコメント
大手アパレルの存在感がどんどん増していく中で、小さいながらもニッチを追求していかなければ生き残れない時代になってきました。逆に言えば、しっかりとやることをやっていけば、大手にはない価値でファンを作れるということを意味します。情報発信のレベルを高め、お得意さんを増やしていくことが重要なのは言うまでもありませんが、やればやるだけ、チャンスが拡がるでしょう。