暮らしを彩る花

花というのは昔から暮らしを彩るアクセントとして親しまれてきました。冠婚葬祭には無くてはならないものですし、高級商材を扱うお店や高級感を演出したいホテル等のサービス業にとっても必需品と言えると思います。造花やプリザーブドフラワーも進化を続けていますが、生花の牙城を崩すにはまだ至っていません。

花には鮮度があるため、どうしても実店舗での競争が中心になりがちです。いかに良い立地に出店し集客するかがこれまでの経営戦略の全てでした。その状況が近年、少しずつ変わりつつあるようです。

もちろん、出店戦略の重要性はこれまでと変わりませんが、インターネットで花屋を探す人口の増加や、インターネットで花を購入するという新しい形態も登場し、オフラインで完結していた競合との競争がオンラインにも及び始めています。この流れを無視するか、無視しないかは会社の方針によりますが、効率的にオンラインの流れにも適応する対応を行うべきです。

今回のテーマは、フラワーショップ/花屋のホームページ制作及び通販サイト構築についてです。どういった工夫を施すことで集客に貢献したり売り上げを向上させたりすることができるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 宅配や近隣お届けに対応した通販サイト

花を本格的に通信販売する際は、梱包の手間の多さや配送中の損傷など非常に取り扱いの難しいリスクが存在します。こうした事情から通信販売への対応を後回しにしているお店も多いのではないでしょうか。

配送に耐えうる商材だけに絞って展開するのも一つですし、全国への配送は受け付けずに、店舗の近隣にのみ自社のスタッフが配送するかたちで展開することも一つです。いわば注文受付をインターネットを通じて効率的に行うモデルです。従来のFAX注文をすべて置き換えるとするとイメージしやすいかもしれません。

電話でのやり取りよりも商品写真があるためイメージを伝えやすく、必要事項も正確に取得することができます。メッセージカードのメッセージ内容も正確に取得できるので、オペレーション上のミスを減らすことにつながります。写真準備は手間がかかる作業ですので、しっかりと撮影環境を構築するのをおすすめします。新商品があるのに写真撮影が間に合っていないという状況はよく起こるので、繁忙期でも効率的に撮影できるような環境を整えておくのが良いでしょう。

今まで電話であうんの呼吸で注文していた人たちは抵抗するでしょうし、実際使わないと思うのであまり気にしなくて良いと思います。インターネットを待っていた既存客+これから出会う新規客のために開設することだけでも十分な効果があるのではないでしょうか。

Point.2 アレンジの価格を簡易シミュレーション

花屋の腕の見せ所の一つがフラワーアレンジではないでしょうか。通常は予算を伝えてリクエストを伝えれば対応するお店が多いと思います。このアレンジの簡易シミュレーションをホームページ上で行えるようにしてしまいましょう。

取扱いのある花を選択し、どれぐらいの数量、どういったかたちで使用するかを選択することで、おおよその費用を算出します。開発予算に余裕があればドラッグアンドドロップでわかりやすくシミュレートできる機能を実装するのも一つですが、そこまでやらなくても最初の一歩としては十分だと思います。要望に対して基本方針と見積もりを提示し、OKがでれば作成して納品するという流れです。

あわせて実際のアレンジ例を価格と共に掲載することで、ショップの実力のアピールにもなりますし、訪問者がおおよその算段をつける目安にもなります。同一のアレンジでよければそのまま注文できるようにもしておきましょう。あまりに古い情報がずっと残り続けていると、価格のサンプルとしても不適切になる場合があります。アレンジ例は定期的に整理するようにしてください。

競争激化と需要創造の両対応

花屋を取り巻く環境は決して優しいものではありません。一方では次々にオープンする競合との競争への対応。そして一方ではじわじわと減少していく需要を新しく創造することへの対応も行わなければなりません。ITの力を活用することで業務効率を高めながら、客数、客層共に拡げていく対応が必要なのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
よほどの立地で無い限り、お店の前を通る人の需要だけでお店を切り盛りするのは年々難しくなっているように感じます。販売する商品やサービスを多様化したり、業者向けの営業を強化してみたりと、あれこれと模索しているフラワーショップも多いのではないでしょうか。一方でまだまだインターネットへの投資は保守的なところが多く、大きな機会損失をしているのも事実です。実店舗を盛り上げるためにも、そして実店舗以外の売上を作るためにも、ホームページや通販サイトへの積極的な投資をおすすめします。