地域密着という戦場

家電量販店という業態の躍進により、昔ながらの街の電気屋さんが次々と廃業に追い込まれています。丁度オーナーの高齢化とも相まって、全体として見ると街の電気屋さんという業態は試練の時代を迎えていると言えると思います。廃業や業態変更など、なかなか次の一手を打てずにいるお店も多いのではないでしょうか。

そんな中でも業績を落とすどころか伸ばしている電気屋さんが存在しているのも事実です。高齢化によって生まれる新しい需要を確実に拾い上げていく努力や地域密着ならではのサービス展開などで、がっちりと顧客をつかんで離さないお店が生き残っているように感じます。

今回のテーマは、こうした街の電気屋/電器店のホームページ制作及びその管理システム構築についてです。どのような内容や機能を設ければお客様もスタッフも使い勝手の良いものができあがるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 Wordpressをベースにブログを積極活用

街の電気屋は、家電量販店のように知名度だけで集客できるわけでもありませんし、テレビCMや大量のチラシで集客することもできません。知り合いづての紹介や地道な新規開拓を続けていくのが基本路線になると思います。

こうした自然拡大を促進するために、ブログを積極活用しましょう。ブログ上で家電のトラブルや修理に関する話題を継続的に投稿したり、地域のイベントやお店のイベントなどにまつわる話題も積極的に投稿したりすることで、ロングテールSEOと呼ばれるニッチなキーワードでの集客が可能になります。身近なトラブルをきっかけとしてお店の存在や技術力を認知してもらえればしめたものです。大手がやらないようなニッチなことこそ、より効果を持ってきます。あわせてGoogleMapへの情報登録など、近隣へのマーケティングを意識したアクションはすべて漏らさず実行してください。

まさに継続は力なりですが、一度書いてしまえばコンテンツとして蓄積されてずっと販促効果を持ち続けます。スタッフが順番交代で記事を執筆するようなルール作りも有効です。継続できる体制を作り、資産となる情報発信を行いましょう。

そしてこうしたブログとの連携がとりやすいよう、ホームページはWordpressをベースに構築します。ブログの投稿から新着情報の更新、さらにはページ内容の修正まで一箇所でまとめて行うことができるため効率的です。さらにこういった管理コストの削減に加え、制作コストを抑えることもできるので一石二鳥です。

Point.2 お近く表示で親近感醸成

ブログ上でもどういった依頼にどう応えたかといった、活動実績の報告は信頼感や親近感を醸成する上でとても重要です。紹介されている人が知り合いだったなら、ぐぐっと親近感が増すはずです。特定の地域での需要を総取りするぐらいの勢いでローカル戦略を徹底すべきでしょう。

こうした試みに加えて、「あなたの街に出没中」といったような企画で外出しているスタッフの現在地をホームページ上に表示してしまうのもおもしろいと思います。自分の近くに出没していると親しみが湧きますし、前を通るから覗いてみるか、となる場合も考えられます。さらに近くの人であればその場で相談を持ちかけたりといったことも十分考えられます。もし仕事で使っている車両にインターネット媒体への誘導がないのであれば、これを機会に追加することも検討してみてください。

最近のスマートフォンは位置情報を簡単に送信することができますので、必要なものはスタッフの数だけのスマートフォンです。もしスタッフが既にスマートフォンを使っているのであれば何も設備投資が要らないのも魅力的です。

Point.3 明朗会計+シミュレーション機能

街の電気屋は便利屋的な仕事が結構あります。それこそ電球の交換からちょっとした電気工事まで、そのサービス内容はあまりに多岐にわたるため整理しづらい面もあります。ただ、利用者の立場で考えると明朗会計であることに越したことはありません。見積もりが必要になる類のサービスや商品であっても目安の金額だけでも載せられるかどうかで大きく印象は変わってきます。

依頼主の条件によって金額が変化する類の商品/サービスは、ホームページ上で見積もりシミュレーションが行えるようにしましょう。すぐにある程度の目安を知ることができることで利用者にとってもメリットがありますし、ホームページが自動で24時間接客をしてくれるようなものなのでスタッフにとってもメリットがあります。

もちろん、最終の見積もりで金額が変わる場合もあるので、そうした記載を忘れずにいれるようにしておきましょう。

満足度を高め、掴んで離さない

電気屋/電器店にとって冬の時代であることは冒頭に述べたとおりですが、ピンチはチャンスでもあります。商売の種は身近なところに転がっていて、そこに食い込み、固定客へとつなげていくことができれば安定した売上基盤がまだまだ構築できるのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
家電を売って終わりの業態は、家電量販店やネット通販にすっかりとって変わられてしまいました。単純な御用聞きもそんな時代でもなくなりつつあります。地域に根ざし、地域の電気にまつわる需要をうまく取り込んでいる店だけが存続と成長を実現している気がします。うまくその地域でポジショニングができれば売上をあげるチャンスはまだまだ存在しています。ホームページやローカルSEOをしっかり行うことがその第一歩として有効でしょう。