国民食ラーメン

日本の国民食のアンケートをとったとして、カレーと並んでランクインするであろうラーメン。老若男女問わず愛されていることを考えると、その地位はこれからも盤石な気さえします。もはや日本の食の代表格として独自の進化をとげつづけるラーメンですが、これからもその進化は止まらないことが予想されます。

インスタントラーメンからレストランで出されるラーメン、さらには専門店のラーメンまで、その市場の裾野は大きいですが、ラーメン専門店だけでも星の数ほどあり、生まれては消えるという厳しい淘汰が日々起こっています。景気の上がり下がりにも影響を受けやすいようで、ラーメン店の開店や閉店のニュースは、一つのジャンルとして確立している印象すら覚えます。

今回のテーマは、こうしたラーメン専門店のホームページ制作やその管理システムについてです。どのような視点で企画し構築すれば良いのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 Wordpressをベースにブログと一元管理

ラーメン専門店であれば、他の飲食店と比べるとそれほど頻繁にメニューが変わることはないと思います。メニュー変更時には該当のページを編集し更新することができるようにしておく程度で十分ではないでしょうか。

発信力という意味でブログを開設しているお店も多いと思います。アメブロのような外部ブログサービスを使っている場合はそのままリンクで飛ばしてしまうのも一つの方法ですが、折角独自のホームページを作っているのであれば、ホームページと同じ場所にブログも設けてしまう方がイメージ統一や管理の一元化といったメリットを享受することができるのでお勧めです。

前述のメニューのような変更する箇所の管理もWordpressで行うことで、特別なソフトを用意しなくても、パソコンさえあれば誰でもどこでも内容を更新することができるようになります。スマートフォンに慣れている人であれば、スマートフォン主体でも更新は可能ですので、場所とITスキルを選ばないと言えます。さらに進んだ使い方であれば、メニュー表を大胆に無くしてしまって、インターネットで参照してしまう、というのもありかもしれません。こうした場合はそのまま注文できるようにすべきなので、注文管理システムとの統合も視野に入ってくると思います。

Point.2 混雑状況を簡単更新

ラーメン専門店は時間帯によっては行列ができることもしばしばです。人気店であれば尚更だと思います。予約という概念はそもそもありませんし、お客さんの立場からすると行ってみないとどれぐらい混んでいるかが分からないという不安がどうしても発生してしまいます。かといって電話で問い合わせされても対応するスタッフの時間を取られてしまいます。

この状況を打開するために、ホームページ上に現在の混み具合を掲載しましょう。一席単位の正確なものではなく、あくまでどれぐらいの待ち時間かを知らせる目安程度の情報です。例えば10分待ちですとか、5分以内にご案内、といった具合です。

掲載されている情報の更新はお店にあるスマートフォンかパソコンで1クリックするだけで更新できるようにしておき、繁忙時間帯でも手間無く更新できるようにしておきます。混んでいないなら行こうと思っているお客さんにとっては貴重な情報ですので、行列を分散化し、繁忙時間帯と閑散時間帯の客数を平均化する効果が期待できます。設定したものを更新し忘れてずっと混んでいる、ずっと空いているというのも問題ですので、設定忘れの場合に通知が来るような仕組みにするのも有効でしょう。

順番待ちの整理券を発行するようにするのも良いでしょう。行列は近隣へのトラブルの原因になりがちなので、店先で待たなくてもいい状況を作ることも対策の一つになり得ます。

Point.3 来店回数でバッジ授与

ラーメン専門店は新規客も重要ですが、ファンになって何度も来店してくれる固定客もとても重要です。味にこだわっていれば固定客は来てくれる、という職人気質も正論なのですが、味へのこだわりに加えて、うまく固定客のハートをくすぐることで更なる来店を促しましょう。訪問頻度を高めることができれば、お店も常連さんもハッピーな状態を実現できるでしょう。

具体的にはラーメン専門店のホームページから会員登録をできるようにし、来店する度にポイントが貯まるようにします。来店回数に応じて会員ランクが上昇し、常連からやがて神様といったランクまで上がるようします。貯まったポイントは会員ランクに応じて、味玉無料や替え玉無料といった特典と交換できるようにします。このように実利と名誉を提供することで固定客のさらなる来店を促します。ポイントカードのようなアナログなかたちでも実現はできる施策ですが、インターネット上で行うことでソーシャルメディアでの拡散にもつながりやすくなります。

長く愛される名店へ

ラーメン業界の流行廃りはとても早いサイクルで起こっています。10年前は不動の地位を築いていたラーメン屋が倒産していたりということはよくあることです。

長く愛されるには味はもちろん、ファン作りに長けている必要があります。情報発信や囲い込みツールをうまく活用し、ファン作りを確実に進めていってください。

開発スタッフのコメント
人気のある業種のため、開店が多い一方で閉店も多い業界ですが、人気店になったときの回転率と売上効率には経営上も魅力的なものがあります。とはいえ、人件費を際限なく使うわけにもいきませんし、常連客の満足度を保ったり、次の新規客のための仕込みを行ったりしながら店の切り盛りをするのは至難の業です。うまく労力がかからないかたちを模索しながら、攻めと守りのバランスをとってみてください。