シズル感を伝える

かつてはぐるなびに登録しているだけで自店のホームページを持っていなかった飲食店も、独自のホームページを持ち、積極的に情報発信することが増えてきました。料理写真はもちろん,スタッフやインテリアをアピールすることで、新しいお客さんを獲得しようとどこも熱心です。

手作り感あふれるホームページもあれば、ハッとするようなきれいな写真を配置したホームページまで、日々のお店探しで目にすることも多いと思います。ただ、ホームページはオープン時に作ったのはいいものの、うまく活用しきれず、更新されているのはもっぱらInstagramだけ、というお店も多いかもしれません。

今回のテーマはこうした飲食店/レストランのホームページ制作や管理システム構築についてです。どのようなポイントに注意して制作/構築すればよいのか整理してみましょう。

Point.1 Wordpressをベースにコンテンツ管理

世の中にはまだまだ一度構築したっきりで放置されているホームページがたくさんあります。最終の情報更新が1年以上前だったりすると、お店に行こうという気力が失せてしまうのも仕方ありません。ただ残念ながら、最後のお知らせが何年も前、というホームページが多いのも事実です。

ホームページは作ることよりも作ってからの運用の方が重要です。そのためにスタッフブログや新メニューの案内などの新着情報を通じて、ホームページの鮮度を保ちましょう。定休日や営業時間の変更なども、忘れずに更新するのが大切なのは言うまでもありません。

こうした新着情報はWordpressをベースに管理システムを構築することで楽に管理/投稿することができます。隙間時間にスマートフォンから内容を投稿することも可能ですし、新着情報が投稿されたらトップページのお知らせ欄を自動で更新するということも簡単にできます。

スタッフが持ち回りでブログを更新する際も、ノートパソコンやタブレット、さらにはスマートフォンが一台でもあれば環境を構築できますので、写真を撮ってブログを書くという流れが初期投資なく実現できます。ファンを作るのはこうした地道な情報発信です。競合店ができないレベルまでおもしろおかしく充実した情報を発信しましょう。

Point.2 メールマガジン機能で直接販促を

ホームページに特別クーポンと称して割り引きチケットを掲載しているお店が多くあります。これはこれで一つの有効な販促手段ですが、クーポンをただ掲載するだけではぐるなびに掲載していることと大差ありません。加えて、広く一般にクーポンを表示するのは値引きとイコールですので避けられるなら避けるべきです。

そこでメールマガジン機能を導入しましょう。お得なクーポン情報はそちらで配信するようにし、ぐるなび等で配布しているクーポン条件よりもお得な条件設定を行います。こうすることでメールマガジンを購読するということに対するモチベーションを少しでも高めましょう。

月額費用で利用できるメールマガジンサービスを導入するのも一つですし、Wordpressのプラグインでお手軽に運用するのも一つです。想定される読者数や配信頻度を基に最適な方法を選択します。季節限定のメニューなども、こうしたメールマガジン購読者に優先的に案内して、先行利用できるようにするのも良いでしょう。

メールマガジンの購読者は直接販促活動が行える貴重な資産です。この資産を育成していくことで顧客基盤が安定し、お店の経営安定化につながります。割引という誘因をなんとなく使うのではなく、こうした仕掛けとして最大限に活用することをお勧めします。

Point.3 スマートフォン対応はばっちりと

飲食店の情報を家のパソコンで見る人はよほどの事前準備派です。たいていの人は当日や直前に見ることが多いのではないでしょうか。こうなると必然的に重要になってくるのがスマートフォン対応です。出先で見られるため、お店の近くにいる人にもリアルタイムにアピールしやすいメリットもあります。

とりあえず内容が見られればいいというお手軽対応から、本格的な対応まで様々なレベルで対応可能です。とりあえずは最低限の閲覧性を確保しておいて、第二段階で追加投資を行うという方法もお勧めです。スマートフォンでの表示時には、電話番号には電話番号リンクをつけるなど、細かい配慮も忘れないようにしてください。

持つ意味のあるホームページを

繰り返しになるかもしれませんが、ホームページを持つこと自体は何の価値もありません。ホームページをうまく活用してこそ、投資する意味がでてきます。そのためにも様々な仕掛けを施す必要があります。

うまく構築することができれば、見込み客へのアピールという短期的な効果と、顧客リストの獲得という中長期的な効果の両方を狙うことができます。資産であると同時に資産を生み出すホームページを、是非検討してみてください。

開発スタッフのコメント
毎日の仕入れや仕込みなど、飲食店を経営しているとホームページの更新までは手が回らないことも多いと思います。Instagramだけで済ませているというところも多いと思いますが、閉じたサービスでの発信では取りこぼしが出てしまうことも事実です。また、特定の会社のサービスに依存するのは、その会社のサービス終了や、方針変更の影響を受けるためあまりおすすめできません。しっかりと育てていける仕組みと体制を作れるかが、明暗をわけると言えるかもしれません。