駐車場ビジネスも群雄割拠

街を歩いていると、たくさんの駐車場/パーキングがあることに気付きます。見慣れた大手チェーンのものから、初めて見るような名前のところまで、大小様々な会社が駐車場サービスを行っています。料金から対応の決済手段まで、会社によって、また、立地によって本当に様々です。

車を停めるという基本的な価値の部分ではどうしても差異化しきれないため、立地勝負や価格勝負になりがちです。大手に知名度の劣る中小チェーンの場合は価格勝負になりがちなことも多く、その価格を実現できる効率的な運営が必然的に求められます。大手ほどシステム投資に積極的なことも多いため、規模や業務効率面で引き離されるとなかなか追いつけないのも事実です。しっかりとした対応策が求められます。

今回のテーマは、こうした駐車場管理会社、駐車場チェーンの管理システムについてです。どのような機能を実装すれば、大手競合に比しても負けないレベルの効率運営を実現できるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 事前調査に露出する情報サイト構築

自動車を運転しながらの駐車場探しは瞬間的な判断になるため、自分達の良さをアピールしきれない場合があります。見慣れた大手チェーンにとりあえず停めておこうと考える人も多く、現場での勝負になると不利な部分があります。

その一方で、車の移動の際に、事前に駐車場の有無を調べることが珍しくなくなってきました。パソコンが普及したのもありますし、スマートフォンでちょっとした隙間時間に調べられるようになったというのも大きいと思います。現地についてから助手席の人ががんばって近くの駐車場を調べるというのも、ファミリーカーあるあるではないでしょうか。

こうした事前調査の際にきちんと自社の駐車場スペースの存在をアピールすることができれば、指名駐車も期待できますし、現場での戦いにも多少プラスに働くことが予想されます。情報発信をするにこしたことはありませんので是非取り組みましょう。

いわば一度作れば無料で働き続ける営業マンを雇うような感覚です。もちろん、情報登録の手間は多少発生しますが、駐車場の位置と画像、価格を掲載するだけでも十分です。スタッフのアピールコメント等があると尚良しです。地図上に駐車場のアイコンを重ねるかたちで表示し、自分の目的地から近い駐車場を効率的に探せるようにします。スマートフォンからの閲覧にも完全対応させます。

駐車場情報は自社のサイトで検索できるようにしておき、検索エンジンにも掲載されるように各駐車場ごとを1枚のページにしておきます。また、Googleマップへの情報登録もあわせて行うようにし、インターネットで調べる人への露出を少しでも高めましょう。もし、駐車場に設置している機械が駐車場の空き状況を通信できるものであれば、現在の空き状況も確認できるようにします。それが無理であればおおよその混雑予測などを掲載しておくのも良いと思います。口コミレビューにも目を光らせておくと良いでしょう。不平や悪評はどうしようもないものもありますが、小さな改善で対応できることも混ざっています。そうした細かい改善を積み重ねて評判を高めていくことも重要でしょう。

Point.2 巡回スタッフの現場対応力をUP

複数の駐車場を運営していると、駐車場スペースの保全や集金のために巡回スタッフが必要になってきます。通常の際は何も問題ありませんが、機械の調子が悪い場合や一人では何ともしがたい事態が発生した場合には大変です。

不測の事態の度に本部とやりとりしながら問題の解決にあたるのもありですが、それでは本部のスタッフが同じ時間拘束されてしまいます。機械などは納品した会社に問い合わせることが可能ですし、マニュアルである程度の対応が可能です。

こうした機材のマニュアル一式や、不測の事態の問い合わせ先や対応方法などを記載したマニュアルをタブレットやノートパソコンで持ち出せるようにしておき、そのまま現場でたいていの問題が解決できるようにしましょう。巡回スタッフが必要なものをできるだけコンパクトにまとめて常に携帯できるようにすることで、万全の体制を維持することが容易になります。参照がしやすい編集を行うことで、業務の経験年数に関係なくある程度の対応が行えるようになります。どうしても困難なものはどこに連絡すれば良いかもあわせて記載しておくことで、トータルでの問題解決のスピードが早くなる効果が期待できます。

たかが場所貸し、されど場所貸し

駐車場というスペースを貸し出す性質上、駐車場ビジネスは場所貸しのビジネスモデルです。よほど立地がよければ待っているだけで何もしなくても収益をうむビジネスですが、価格競争あり、知名度競争ありでマーケティングの要素無しには戦っていけない時代が来ているようにも思います。

限られた経営資源をマーケティングに投資するためにも、余計な時間、余計なコストを削減する必要があります。システムを活用することで可能なアイデアはまだまだあると思います。駐車場ビジネスに役立つシステム導入を是非検討してみてください。

開発スタッフのコメント
駐車場のシステムはどうしても機材自体と一体となることが多く、自由度があまりないこともあると思います。そうした環境下では空室状況の表示には一工夫必要ですが、それ以外の情報提供やアピールについては各社の特色を出していくことが可能でしょう。駐車場を広くすることは土地の制約がありますが、駐車場をより良く見せることは工夫次第で可能です。業務効率と集客の両面から、業務管理システムの未来形を模索してみてください。