毎日の地味な作業
ネットショップを運営していると、商品管理を行う手間からは逃げられません。商品点数が少ない間は大きな問題になりませんが、点数が増えるに従って大変になってくるのが画像管理です。自分達で撮影するのであればなおさら、そうでなくても膨大な数の画像を管理し、適切な方法でアップロードするのは骨が折れる作業です。
専任の担当者を置くのが手っ取り早い解決策ではありますが、人件費があがり、最終的に競合との収益性で負けてしまいます。なるべく人に頼らない解決方法を模索するべきです。インターネット上のツールを何回も使ったり、Photoshopやフリーソフト等を使いまわしてなんとか対応しているところも多いかもしれません。
今回のテーマは、こうした画像変換や縮小、任意のサイズ変更はもちろん、文字の上乗せや透かしを自動的に入れてくれる画像管理システムについてです。どういったポイントに気を付けて構築すれば便利なものに仕上がるのか整理してみましょう。
Point.1 各ネットショップに最適化した画像を生成
楽天市場やYahoo!ショッピング、さらには独自ドメインのショップまで、商品画像の規格が違うことが多々あります。画像の縦横のサイズであったり容量、その他ファイル名の文字数に至るまで、個別に最適化する必要があります。また、その仕様は年月を経ると変更されることもあり、その度に対応する必要もあります。
また、自分達で撮影した画像が勝手に転用されることもよくある話ですので、こうした「パクリ」を防止するためにショップロゴなどの透かしを自動的に入れることも可能です。画像の片隅に重ねるだけではその部分を画像編集ソフトで消し去れば転用できてしまうので、薄く小さく全体に透かしを入れることをお勧めします。
画像サイズのみなら、画像形式も変化しており、複数の形式で出力できるに越したことはありません。対応環境にあわせて使い分けるトレンドもあるため、最初からいくつかの画像形式に対応するようにすべきです。
Point.2 アップロードまで自動化
画像に関する雑多な処理を自動化したとしても、アップロードを手動で行っていると結局スタッフの手間がかかってしまいます。適切な場所に適切な画像をアップロードするというのは細かい作業になり、またミスも起きがちです。ショッピングモールによっては画像ファイル数の制限があったり、フォルダ構造のルールがあったりと、細かいルールに対応するのも大変です。
画像のアップロードもシステムが行えるようにし、こうした作業からスタッフを解放すると共に、画像変換処理からアップロードまでの一貫した処理を実現しましょう。システムが認識する特定の場所に基となる画像をアップロードすれば後は全てシステムが滞りなく処理してくれる状態を作ることで、大幅な業務効率アップを見込むことができます。変更のあったものだけが再アップロードされるようにしておけば、毎日大量の画像が無駄にアップロードされるのを防ぐこともできるでしょう。
画像を特定の場所に放り込んでおけば、画像のリサイズや形式変換、バリエーション生成などが自動的に行われるようになれば、かなりの時間短縮につながるのではないでしょうか。
Point.3 セールなどの文言を自動反映
ポイント10倍といった文言や割引率の文言など、実施している販売促進施策に応じた文字を重ねることも可能です。固定の文字画像を使い回して重ねることもできますし、完全に動的に文字を重ねて保存することも可能です。文字画像を重ね合わせるほうがデザインの自由度が高いのでおすすめではあります。
このあたりのきめ細かい作業は膨大な処理と柔軟な変更が必要なため、人力ではほぼ不可能なレベルになってきます。商品管理データベースと連動するかたちでシステムに任せるのが非常に効果的になります。販促キャンペーンと連動させて、時間設定によって自動的に画像への挿入をON/OFFするのも良いでしょう。
パソコンで行う作業の大半は自動化可能
運営スタッフが日夜行っている作業の内、大半の作業はシステムによって自動化が可能です。もちろん、何かしらの判断が必要な作業は人間がやる必要はありますが、定型的な作業であれば何かしらのシステム的な解決策があると思います。
こうした自動化を通じて人件費を抑えることがビジネスの収益性に直接的に効いていきます。人材募集を行う前に一度立ち止まり、システムをもっと活用できないか自問してみてください。