活きた知識の伝導

インターネットの登場により、ありとあらゆる情報が手に入るようになりました。その一方で表には出ない情報というのも相変わらず存在しています。特定の領域のニッチな情報や、表にはなかなかだしにくい暴露系の話など枚挙に暇がありません。Youtube などでのインターネット配信も多くなってきましたが、肝心の内容はリアルのイベントで、という導線をひいているところも多くあります。

こうした情報を媒介してビジネスにする一つのやり方がセミナーや講演を主催する方法です。会員になれば受講できるようにし、毎月の会員費を収益源とします。セミナーや講演に参加できない会員に対しては内容を収録したDVDや音声CDをかわりに配送するところが多いようです。会員だけに許される知の共有を提供するビジネスモデルと呼べると思います。

今回のテーマは、こうしたセミナーや講演を通じた会員ビジネスの管理システムについてです。どのように会員を管理し、DVDの発送やイベント開催をスムーズに行うべきか。その中でシステムが果たせる役割についていくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 イベントの出欠管理をスムーズに

システムにはセミナーや講演などのイベントを管理する機能を設けます。そのイベント管理機能で会員の出欠確認を行えるようにし、リアルタイムで参加状況を確認できるようにします。会員側は専用ページにログインして参加の意思表明を行うか、参加確認のメールに記載されたリンクをクリックすることで出欠連絡をできるなど、簡単にイベントへの出欠連絡を行えるようにします。

出欠確認がとれていない会員に対しては自動的にシステムがリマインドメールを送るように設定することも可能です。どのタイミングで送るかといったことは設定値で変更できるようにし、最適な送信タイミングを検討してみてください。最終的に期日が来た段階で申し込みは締めきりますが、後からでもスタッフが手動で参加者追加ができるようにシステムに柔軟性を持たせておきましょう。

出欠状況はダッシュボードで一覧できるようにしておき、追加のプッシュをすべきかの判断を簡単に行えるようにしましょう。毎回、データを集計して、というのでは手間が多すぎるため、集計がからむレポート機能は当たり前のように準備すべきです。こうした操作はすべてイベントごとに容易に抽出できるようにしておくことで、複数のイベントが並行して準備されている状況でも、優先順位をつけて効率的に取り組むことができるようになります。

Point.2 配送伝票の出力まで機能強化

イベントの出欠管理を同一システム上で行うことで、誰がそのイベントに参加して、誰が参加していないかが正確にわかります。当日の飛び入り参加の可能性を考慮しても、イベントが終了する頃には最終的な出席状況が判明しています。出席状況は貴重なデータですので、できるだけ早く、できるだけ手間がかからずにシステムに反映できる仕組みを整えましょう。

この出席状況を基に、参加していない人へのDVD等の配送作業を進めます。実際は収録コンテンツの編集作業などがあるためそれを待ってからになりますが、参加していない人をまとめてCSVに出力し、そのままヤマト運輸や佐川急便の配送ソフトに読み込めるようにします。こうすることで効率よくラベルが出力でき、出荷業務を大幅に効率化することができます。

DVDではなく動画配信に移行しているところも多いかもしれません。視聴パスワードの配信など、動画を見るための連絡も、1クリックで行えるようにしておくと便利です。

Point.3 問い合わせ等も統合管理

会員ビジネスを運営している以上、会員からの問い合わせが日々発生すると思います。担当者が自分のパソコンで受信し返答しているところも多いと思いますが、その担当者が急遽不在の場合や一人ではさばききれない量になった場合の対応に困ります。

そこで、問い合わせ管理も同じシステム上で行えるようにし、そこから内容を確認し返答を作成・送信できるようにしましょう。担当者が複数人の場合は問い合わせごとに割り振りを行えるようにし、会員規模が大きくなってきた場合にも対応できるようにあらかじめ設計しておきます。システムはクラウド上に構築するため、使っているパソコンの環境にあまり依存しません。また、オフィス以外の場所からも対応業務が行えるため、セミナー会場からも素早い対応が行えるなど利点があります。

時間がある人が対応できるようにしておけば、ほんの隙間時間で作業を分担することができます。少人数で運営していたとしても、イベントの合間など、手持ち無沙汰な時間を活用することにつながるのでおすすめです。繁忙期にはそれこそスタッフ一同総出で対応していく、といったことも可能になります。

「特別な場」に見合ったサービスを

会員ビジネスというのは会員であることに対価を払う性質もあるため、会員にいかに満足感をもってもらうかが重要です。そのために良質なコンテンツを提供するのはもちろんですが、スタッフの対応含め、ストレスのないサービスを提供する必要があります。

システムが直接的に会員と接点を持つ部分の精度はもちろん、スタッフの負担を減らすことで間接的に会員満足度に貢献することができます。しっかりとしたシステムを作り上げ、会員基盤を盤石にしていってください。

開発スタッフのコメント
リアルのイベントはもちろん、リモートでの開催など、開催形態はここ数年で多様化してきました。情報もインターネット上に溢れているため、セミナー自体の満足度のさらなるアップが求められていると言えます。提供する情報の質を高めることはもちろん、ユーザー体験全体をアップグレードすることで、競合はもちろん、他の情報サービスとの差異化が可能になるのではないでしょうか。