人の手により作られるイベント
インターネットが普及した今も色あせることのないイベントの楽しさ。リアルに展開されるからこそのエンターテイメントですが、同時に多くの準備や人手を要する宿命にあります。大きなイベントであれば数百人のスタッフによって運営されていることも珍しくありません。
こうしたイベントの成否の鍵を握るのがスタッフの確保です。商業ベースのイベントであればアルバイトスタッフを募集して動員するかたちが一般的かもしれませんが、非商業ベースのイベントの場合はボランティアスタッフを募り運営に協力してもらうかたちをとる場合が多いのではないでしょうか。
ボランティアとはいえ、人の集団を管理するのはとても大変です。当日の作業割当のみならず、事前準備もある場合であればなおさらです。スタッフの大半が手持ち無沙汰にしている、ということは避けなければなりませんし、運営スタッフが気合で乗り切っているというところも多いのではないでしょうか。
今回のテーマは、こうしたイベントボランティアスタッフの管理システムについてです。好意を最大限に活用するための効率的な運用をどうすれば実現できるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 専用の管理画面で登録制に
単発のイベントではあまり意味を持ちませんが、同じイベントを継続的に実施する場合や、違うイベントでも同じような性質のイベントを開催する場合には、できるだけ多くの人に多くの回数、イベントに協力してもらえる体制をとるべきです。
具体的には専用の管理画面を設けボランティアスタッフに登録してもらい、スタッフが必要なイベントの情報を配信します。全体への連絡等もこの管理画面を通じて行うことで運営側の効率性も高めます。スタッフ登録もパソコン、スマートフォン両方から快適に行えるようにし、「前から予定を確保して参加」という人から「たまたま時間ができたので参加」という人まで、可能な限り多くの人の参加を促しましょう。
こうすることでボランティアスタッフのリピート率を高めることでき、スタッフ基盤の安定につながります。定期的な予定として各スタッフの中で便利よく参加できる体制が構築できれば、ボランティアスタッフ側もスケジュールが組みやすくなります。もちろん、個別の調整を行いやすいよう、メール等はシステムから発信してそのままやりとりできると良いでしょう。送信間違いなどのミスもなくなり、運営スタッフの負担を軽減することができます。
Point.2 金銭報酬以外のもので達成感を
ボランティアスタッフである以上、金銭的な報酬を支払うことはできません。イベントへの共感がやりがいにつながるからこそ参加してもらえるという側面はありますが、運営側はそこに甘んじることなく積極的にボランティアスタッフの満足感向上に取り組むべきです。
ゲーミフィケーションの流れをうまく活用するのであれば、参加したイベントの数や質によってボランティアスタッフのランクが変わるように管理システムに機能実装をしてみたり、イベント中に配布されるスタッフ用の腕章の色を変えてみたり、はたまたある一定基準を満たした人にだけ公開されるイベントや仕事内容があったりと、色々な仕掛けでより多くのコミットを引き出し達成感や満足感を提供しましょう。ただ、ベテランが大きい顔をして、新しい人の居心地が悪くなってはダメなので、あまりに煽りすぎないバランスは必要になると思います。
金銭以外にも人がやりがいを感じることはいくつもあります。外部向けのコミュニケーションも大切ですが、一番身近な外部であるボランティアスタッフとのコミュニケーションもしっかりとデザインするようにしてください。
Point.3 ソーシャルメディアとの連携も
ボランティアスタッフに参加してくれる人の周りには同じような興味を持った人が存在する可能性が高いです。こうした人達をうまくボランティアスタッフに誘導できるよう、ソーシャルメディアを徹底活用しましょう。
X(旧Twitter)やFacebookに公式アカウントや公式コミュニティを作るのはもちろん、既に登録してくれているボランティアスタッフが拡散しやすいよう、イベントの告知や募集案内を簡単にソーシャルメディアに投稿できるボタンやリンクを整備しましょう。その活動に参画していることが自慢になるような、そんな後押しができるとさらに良いでしょう。
個人で発信するのを後押しするような、ブログ記事の投稿や、紹介しやすいようなソーシャルメディアでの発信なども組み合わせて行うと良いでしょう。
イベントの成功こそが次へのモチベーション
ボランティアスタッフは参加する以上、イベントの成功を願っています。閑古鳥が鳴くようなイベントよりは大盛況なイベントのほうが満足度が高まるのは言うまでもありません。
ボランティアというかたちで提供される好意を次につながるために重要なのは言うまでもなくイベントの成功です。イベントを成功に導くために必要な活動に十分な時間を割くためにも、うまくシステムを活用し、業務効率を高めてください。