毎日の手間を軽減
個別指導の学習塾を運営している場合、どの講師にどの生徒かという情報を細かく管理していると思います。常に通常運転であれば問題ありませんが、講師の欠勤や生徒の休み、その他不測の事態に対応していくのはなかなか至難の業だと思います。
エクセルで管理して、変更のある度に修正して印刷し直しということをやっているところもあると思います。変更によって月謝額に変動がある場合などは、事務作業だけでも大変な手間です。こうした地味な作業の積み重ねが人件費というかたちで収益を圧迫する可能性があります。手書きや人力対応は柔軟性という意味では最強ではありますが、どうしても慣れや不慣れの問題があり、ある程度の規模になってきた場合に簡単に破綻してしまう対応でもあります。
今回のテーマは、こうした個別指導塾の座席管理システムについてです。どのようなシステムを構築すれば運営も授業もスムーズにできるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 システム化し、講師のシフト管理と座席管理を統合管理
個別指導の先生にアルバイトを雇っている場合、運営側には講師の管理と生徒の管理という両方が必要になります。どちらかに変更があるとどちらにも影響が及ぶため、個別に管理することはミスやエラーの元です。まずはこの両者を同じシステム上で管理しましょう。
教室内に専用のサーバーを設置することも可能ですが、サーバーの管理の手間とリスク、そしてコストを考えると、きちんと構築されたWEBサーバー上にシステムを構築するほうが現実的と思います。コストも月額1000円程度で運用することも可能ですので、将来的な機能拡張も考えてWEB上に構築しましょう。もちろん、セキュリティ面の配慮は欠かせませんので、適切な対策を行うべきなのは言うまでもありません。
生徒マスタとも統合してしまえば、生徒の情報をあっちにもこっちにも登録する必要がなくなります。生徒マスタと教師マスタがあれば、そこから割当や席配置も容易に算出することができます。マスタのメンテナンス自体が手間にならないように、一括での処理にも対応すると尚良いでしょう。
Point.2 講師のシフト希望はネット経由で
講師の管理はシステム上で運営側が紙ベースの申請内容を打ち込んでいくかたちもとれますが、一歩進んで、講師側からのシフト希望もインターネットを通じて行えるようにします。こうすることで講師側からするとスマートフォンなどで申請ができるので利便性が高まります。
また、申請に対する事務作業が軽減されるのでより細かい期間でのシフト設定が可能になります。今までは毎月20日に翌月の1ヶ月分のシフト希望といったかたちだったのが、毎週、翌週のシフト希望を提出、といったことも可能になります。より細かなスケジュール調整ができるようになるため、講師が出勤できる率が高まる可能性があります。どうしても入って欲しい日程調整などもメッセージ機能を使ってやりとりできるようにすれば、システムで完結することが増えますので利便性が高まります。
重要なステークホルダーである講師の利便性を高めることで、離職率を下げる効果も見込めます。講師の採用はいつの時代も骨の折れる作業なだけに、安定した講師陣容で、より安定した塾経営を目指しましょう。
Point.3 座席配置は枠管理で
講師のシフトに紐尽くかたちで、生徒の座席配置を設定していきます。教室の席配置に応じた枠を設定し、その枠に対して講師と生徒をセットで設定していくかたちが無難でしょうか。講師が休み等で変更の必要がある場合は、講師の紐付けを変えるだけで対応できますし、そもそも授業がキャンセルになる場合もキャンセル処理をすると同時に生徒との紐付けが自動的に解除されるようにすることも可能です。
授業の取得状況は各生徒ごとに完全に管理されますので、変動制の月謝の塾でも再集計が簡単です。今までエクセルで集計していた作業の大部分がシステムで自動化できることになります。このあたりは全ての情報を同じシステム上で管理するからこそのメリットではないでしょうか。必要なのは月謝マスタのメンテナンスぐらいになるため、締日前後のバタバタを抑制する効果が期待できます。
運営の手間を省力化
個別指導塾は通常、講師以外の純粋な運営スタッフは、オーナー一人であることが多いと思います。その事務作業を軽減し、生徒集めや講師集めというより重要な仕事に時間を割けるようにすることが塾経営の成否を握っていると思います。
今まで力業で乗り切ってきた部分を見直し、エクセルからシステムへ移行することで楽かつ正確になることがたくさんあります。次のステージ目指して攻める際には、システム化を検討してみてください。