現代の学舎

昔は塾通いをする子のほうが珍しかった時代があったのが嘘のように、今の子どもたちは塾に通っています。小学校から高校まで、のべで考えるとかなりの長期間塾という場所で、さらには追加で予備校という場所で学ぶことになります。この傾向は今後も続くことが予想されます。

義務教育がその役割を果たせていないと悲しむのか、義務教育を超えるレベルにまで学習のレベルが高度化していると歓迎するのかは人それぞれですが、今や当たり前となった塾業界の競争が激化していることは想像に難くありません。通常の期間、夏休みや冬休みの集中学習といった具合に、あの手この手で積極的に集客を試みるのが当たり前なほど競争は熾烈です。

個別指導に集団指導、家庭教師にビデオ学習、さらには遠隔授業まで、そのスタイルだけでもどんどんと多様化しています。今回はそういった塾/予備校のサイト及び学習支援サイトの管理システムについて考えてみたいと思います。どういった機能を重視すればよいのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 講師やチューターとのやり取りはサイト上に蓄積

毎日の学習の中で、講師やチューターとのコミュニケーションが発生します。質問への回答であったりテストの採点結果へのコメントであったりと様々ですが、口頭や自筆で本人に伝えるのはもちろん、同一内容を生徒のマイページにどんどんと蓄積します。

こうすることで本人が振り返る際に膨大な紙の束をひっくり返す手間を減らせますし、生徒のマイページに保護者もアクセス可能にすることで、自分の子供がどういったコメントをもらっているか等を確認できるようになります。懇談会や相談会の際にはそのまま基礎資料として使用すれば、お互いに同じ情報を見ながら議論ができるのでスピーディーです。何より情報というかたちで取り組んでいる内容が蓄積されていくので、進んでいる感、成長している感の醸成にもつながります。

コメント以外にも数値化されているものはマイページ内で確認できるようにし、全体での順位や復習コンテンツへのリンクも配置し、学習意欲を高めましょう。

Point.2 カレンダーと連動した通知機能で学習促進

生徒一人一人に専用のIDとパスワードを発行し、マイページにアクセスできるようにします。そのマイページ内にイベントスケジュールが掲載されたカレンダー機能を実装します。試験日などの全生徒に関連することは予め自動で設定されるようにし、それに加えて生徒個別の学習スケジュールを設定できるようにします。

スケジュール設定された予定が近づくと様々なメッセージが送信されるようにしておきます。勉強することを応援するメッセージや、たまの息抜きを促すもの、さらにはちょっとしたヒントが説明された講師のメールマガジン的なものまで、机に向かう生徒の学習意欲を少しでも高めるための情報提供を行いましょう。同時に、子供の学習をサポートする親にとっても、どういったスケジュールで何が起こるのかが明確化されますので、便利になります。

進捗度合いが可視化されることで、無駄に焦る気持ちを抑えることができますし、イベントを意識しながら計画的に取り組むサポートにもなります。

Point.3 毎日の学習を定量化して意欲UP

勉強というのは先が見えない戦いです。全ての授業を受けたからといって何か明確な達成感があるわけではありませんし、頭に入っているかどうかは別問題です。学習の意欲を保つには、いかに努力の結果を実感できるかが重要になってきます。日々のモチベーションを保つためには、いかに達成感を醸成するかが重要とも言えます。

そこで、なかなか実感しにくい日々の学習の成果を定量化し、マイページ上で確認できるようにします。今日の学習が全体のどの位置なのか、自分はどの程度まで学びを進めてこれているのかをグラフなどを使い視覚的に表現します。一定の段階を達成したら特別な画面を表示するなどして遊び心をくすぐり、学習意欲のさらなる向上を狙いましょう。人によっては他人を意識した方が伸びるタイプもいるので、そうした場合には設定を切り替えることで、自分が全体の中でどこらへんに位置しているのかを表示するような機能を追加するのも良いでしょう。

勉強を楽しめる習慣作りを

勉強というのは本来楽しいものであるべきです。字面だけでしんどいものと考える人もいますが、新しい知識を知り、より難度の高い問題を解くという行為を楽しめるかどうかがその人のその後の人生を大きく左右すると思います。

勉強は教室の中だけで行われるものではありません。このインターネット時代、サイトをうまく活用し、学習環境の充実、学習意欲の刺激を行ってみてください。

開発スタッフのコメント
受験戦争と言われて久しいですが、まだまだこの競争は下火になるどころか、少子化を背景にますます過熱しているように感じます。成績を上げることが塾の最大の価値ではありますが、カリキュラム自体では差異化が難しくなってきているのも事実です。会社としての強さに投資することで、教員や事務員の業務効率を高め、生徒や生徒の家族とのコミュニケーションが加速する効果が見込めるでしょう。