人生の大きな晴れ舞台
結婚が一生に一度という価値観は時代の流れと共に変わってきていますが、それでも結婚式はとても大きなイベントであることには変わりありません。たくさんの人が関わり、新しい船出を祝うというセレモニーは今後も続いていくことが予想されます。ホテルウェディングからレストランウェディング、結婚式場や変わりどころではガーデン等のアウトドアでのイベントなど、多種多様なかたちで開催されています。
こうした大イベントを管理するのはとても骨の折れる作業です。新郎新婦の希望を聞き、スケジュールにあわせながら手配を進めていく。そして当日、アフターフォローと進む進行管理は大切なイベントだけに決してミスは許されません。喜びも大きくなりえますし、失敗による怒りも大きくなってしまう人生の一大イベントです。
今回のテーマは、こうした結婚式/ウェディングの現場を支える管理システムについてです。ミスを防ぎ、スタッフの手間を減らす。そしてスムーズな進行管理を実現するシステムにするためにはどうすべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 新郎新婦とのやり取りをオンラインで
かねてからのパソコンの普及に加え、スマートフォンが登場したことにより誰でもインターネットの時代になっています。こうした中、新郎新婦とのやり取り管理もインターネット上で行う土台ができたとも言えるでしょう。かといって、式場担当者と新郎新婦がLINEを交換してやり取りする、というのは現実的ではありませんし、組織管理上避けるべきです。あくまで、業務システムとして高度な情報管理ができる形態を準備しましょう。
毎回の打ち合わせの議事録は簡単に後で振り返られるようにすると共に、どういったスケジュールで何をいつまでにしないといけないかも簡単にネット上のマイページで確認できるようにします。また、必要なファイルのやり取りも行えるようにすれば、ほぼ全てのやり取りが完結するためミスや行き違いを防止できます。Zoomなどのビデオ会議ツールを導入済みであれば、そうしたツールと連携して予約管理や打ち合わせ管理ができるようにするのも良いでしょう。
昨今は、料理のメニューやドレスもインターネット上で確認できることが多いため、打ち合わせ前に新郎新婦に情報を閲覧しておいてもらうこともリンクを設置するだけですので簡単に案内可能です。
Point.2 前撮り、当日の写真もマイページに掲載
結婚式といえば写真が重要な位置を占めます。撮影した写真は顧客専用マイページで確認できるよう、スタッフが簡単にアップロードできるようにシステムを構築します。アップロードされた画像は自動でギャラリーになるようにし、スライドショーや一枚一枚画像を楽しめるようにしておきます。
画像の一括ダウンロードも可能にし、アルバム製本の際の写真指定もマイページ上から行えるようにします。最終的な写真選びは打ち合わせで行うにしても、事前にある程度目星をつけておけるだけでも打ち合わせ時間が短縮する効果が見込めます。たくさんの写真を眺めながらあれこれ考えるのもまた、結婚式準備の中で楽しい時間になるのではないでしょうか。こうした写真や動画は、プランに含むこともできますし、単品や点数売りをしてしまうのもどちらでもあり得ます。
Point.3 式後もアクセスできる思い出の場所に
こういったマイページは式が終わって一定期間が経過するとアクセスできなくなるところが多いようですが、式が終わってもずっとアクセスできるように、思い出を振り返る場所として機能するようにしましょう。
とはいえ、事務的な機能は不要になるので誤操作を防ぐためにアクセス不可にし、思い出を振り返ることにフォーカスしたデザインと機能に自動的に変わるようにしておきます。
画像や動画データは容量が重いためサーバー費用を節約するためであれば一定期間で削除するか保管に対して費用を請求するなどするのもありですが、容量増加のペースは予測可能なため対策は容易ですし、保存領域に必要なコストは年々低下してきています。可能であれば無料で保管し続けることをお勧めします。もちろん、新郎新婦側の希望でアクセスできないようにすることもできるようにすべきですし、より付加価値をつけたサービスで月額のサブスクリプションサービスを目指すことも可能でしょう。自社が何を新しい夫婦に提供できるのかを棚卸しした上で、事業としての可能性を検討してみてください。
準備が楽しくなるシステムを
結婚式の準備というと、面倒なイメージだったり、新郎新婦がけんかしたという話を聞いたりと、どこか楽しくないイメージの人も多いようです。だからこそ、その準備が楽しくスムーズにいく管理システムに競争優位があるのだと思います。
スタッフの魅力を存分にアピールするべき領域は人が担い、それ以外の裏方部分はシステムが担う。こんな理想の分業体制を構築してみてください。