愛する我が子に贈る一点物

子供服の進化が止まりません。大人顔負けのデザインのものや、オーガニックなど安心感を追求したものまで、各年代にあわせて多種多様な選択肢がでてきました。百貨店の売り場もロードサイドのお店でも、はたまたインターネット上の選択肢も考慮に入れると、かつてないほどの選択肢が存在している時代と言えるかもしれません。

その一方で、世界に一つだけのもっとユニークなものを欲しいと思う親御さんや贈りたいと思う知人、親族が一定数存在しています。名入れといったシンプルなものからはじまり、デザインを自分好みに調整できる受注生産型のものまで、決して主流ではないにしろ、確かな市場を形成しています。身の回りで思いがけないオリジナルグッズを見かけたり、あらゆるものに名前の刺繍が入っているのを発見したりということがあるのではないでしょうか。

今回のテーマは、こうしたベビー/子供服の名入れやデザインカスタマイズをできるサービスのシステムです。ユーザーの使い勝手を高め、決して迷わせたりストレスを感じさせたりしないサイトにするためにはどういったことに気を付けるべきか、いくつかのポイントにわけて整理してみましょう。

Point.1 デザイン結果はシミュレーション可能に

名入れにしろ、デザインカスタマイズにしろ、最終的にどうなるかは確認したいところ。服を選び、サイズを選び、柄を選ぶか名前を入力することで、その仕上がりイメージが確認できるシミュレーション機能を実装します。

小さな柄や名入れに関しては、シミュレーション画面上で位置を調整できるようにし、選べる楽しさに加えて調整する楽しさもユーザーに体験してもらいます。また、同じ柄でも色を変えたり、名前もフォントを選べるようにしたりすることで、できるだけ多くの選択肢をユーザーに提供できるようにしましょう。

位置を自由にコントロールできるようにすると非常にシステムとして複雑になりがちですが、決まった場所にいれる文字をあれこれと変更できるのであれば比較的シンプルに実装可能です。モデル着用イメージでシミュレートするのは大変ですが、平置きの状態の画像であればコントロールが容易になるといった具合です。要件によりますが、必要なレベルを判断することで、無駄のない筋肉質なシステムにすることができます。

Point.2 子供情報は保存でき、成長度合いにあわせてサイズ提案

1回限りのユーザーであれば効果はあまりありませんが、リピートユーザーに対しては、登録しておいた子供の年齢やサイズ情報を基に、自動的に適正サイズを算出し提案します。前回から1年が経っているのであればそれを加味したサイズ提案を行うイメージです。

子供の成長は非常に早く、1年前に着れた服が着れるとは限りません。成長期であれば年単位どころか、月単位でサイズが変わっていくこともしばしばです。こうした子供の成長にうまく追随することができれば、サービス上の優位になりえます。ベビーである時期だけに限定するととても短期間のため、ライフタイムバリューを高めるためにも、より長期間提案できる商材準備を並行して行うべきです。

ほんの小さな機能ですが、「ここ、わかっているねぇ」という小さな感動をユーザーに体験してもらうことを目指します。また、同様の機能で算出したサイズを基に、メールでの新商品提案も行います。加えて、サイズ欠品があるセール商品の送信対象者もこうしたサイズデータベースや自動算出された推定サイズ情報を基に選別することで、より効果の高い販売促進活動が可能になります。

Point.3 保存、購入、思い通りに

シミュレーションはしたものの購入に至らないことはよくあることです。もちろん、そのままスムーズに決済まで行ってもらえるように「購入するボタン」を設置したり、その後の流れをスムーズかつシンプルにしたりする努力は必要ですが、それで全てが解決するわけではありません。

シミュレーションに費やした時間を無駄にしないために、今は買わないユーザーが簡単にシミュレーション結果を保存できる機能を実装します。後からいくらでも呼び出せるようにし、また、その保存した内容から再度シミュレーションが行えるようにもしておきます。こうすることで購入する以外のユーザーも拾うことができ、トータルでの購入率を高めることができます。

保存してしばらくほったらかしの場合には、リマインドメールを送信するのも良いでしょう。あまりに鬱陶しいとサービスの利用自体を停止されてしまうリスクはありますが、何かのきっかけで忘れていた場合には売上げアップの効果が見込めます。また、保存したものを誰かに共有しやすくするのも良いでしょう。自分では買わないけど、ギフトとして祖父母におねだりする、といったシーンで活躍します。

子供が成長しても使ってもらえるサービスに

子供はものすごいスピードで成長していきます。その成長スピードに対応した商品ラインナップを常に維持するのは至難の業ですが、受注生産型のこうしたサービスだからこそ、選択肢を増やしながら在庫は極限まで少なくすることができます。

継続利用の鍵は選択肢の魅力です。いくら自分の好きにカスタマイズできるといっても、ベースとなる服がかっこわるかったり、選べるデザインが今イチだったりでは流行りません。システム投資で労力を低減した分で、そういった本質的な魅力を高めることに時間とお金を投資してください。

開発スタッフのコメント
こうした名入れサービスは人気がある一方で、今後ますますプライバシー意識は高まっていくことが予想されます。顧客情報として注文情報を保存しておくことは非常に有用ですし、顧客にとってもメリットがありますが、その情報を消すことができる機能を提供するのも一つです。あまり利用される機能ではなかったとしても、プライバシーを大事にしている企業だとアピールする効果も期待できます。