今もなお最前線の販促手段

X(旧Twitter)やLINE、さらにはFacebookのSNSが勃興する今でも重要な販促手段であり続けるメールマガジン。今まで幾度となくメールマガジン衰退論がでてきては、それは打ち消すかのように中心的な販促手段であり続けています。様々なソーシャルメディアでの発信を組み合わせる中にメールマガジンも引き続き存在しているというのが実情ではないでしょうか。

月額費用で利用するASPサービスも豊富にある中で、より高度なことやよりカスタマイズされた使い方をしたいがために自前で構築したいというニーズもあると思います。メールマガジンは失敗すれば読者を失うというシビアなものだけに、メールマガジンに対して慎重に取り組み、少しでも精度を高めようという姿勢には個人的には賛成です。

今回のテーマはメールマガジン配信システムを独自に構築するケースです。もちろん各社の都合によりなかなか一般化しずらい部分はありますが、どのようなポイントに注意して構築すれば結果につながるシステムを作り上げることができるのか考えてみましょう。

Point.1 行動インセンティブ設計を可能に

インターネット黎明期とは違い、メールマガジンが大量に受信トレイに届く時代になってしまいました。好みの店やよほどおもしろかったり役立つ内容だったりしないと、購読してもらうこと自体がとても難しくなってきています。最悪の場合、そのまま迷惑メールフォルダに一直線というケースも珍しくなく、メールをいかに届けるか、という問題とあわせて取り組む必要があるのは言うまでもありません。

メールマガジンの中身をおもしろくしてください、ということは簡単です。もちろん、そういった努力を行うことは必須です。その一方でシステムをうまく活用し読者に対して適切なインセンティブを付与できるようにすることができれば、より購読者を増やし最終的なサイトの売上を向上させることができます。簡単なものでは割引クーポンの配布などが考えられますが、さらに踏み込んだ方法もあります。

どういうことかというと、メールマガジンを購読したら5ポイント付与。この特集ページを開いたら2ポイント、といったように、ユーザーの行動に対してポイント付与などのインセンティブを与えます。そしてそれが正確かつ公正に追跡できるようにシステム側で対応します。

ポイント欲しさに購読したりクリックしたりするだけの人は一定数発生しますが、それはそれでポイント負担分をきちんと折り込んでいれば問題にはなりません。大切なのはサイトに定期的に訪問してもらい、こちらが伝えたいメッセージに目を通してもらうことです。まずは訪問を促すことでユーザーの行動パターンを変化させましょう。新しいチャンスが創造できるのであればポイント負担分は有効な投資に化けると思います。

Point.2 文章配置の比較テストを効率的に

メールマガジン作成自体は、担当者の気合いやノリに任せているという会社も多いのではないでしょうか。それはそれで正しいアプローチですし、事実、カリスマ的なメールマガジン作成者が存在していることも事実です。メールマガジンも一つの文芸作品ととらえれば確かにそうなるのも自然なのかもしれません。ただ、それでは、人材のスキルに依存してしまうため、経営上は非常に問題です。

その一方で、メールマガジン作成に分析的なアプローチをとることも有効です。もちろん、文章を自動生成するのではありません。文章や紹介する企画の並び順を複数パターン入れ替えて最終的な文章にし、クリック率に与える影響を可視化する比較テストを行うのです。

メールマガジン購読者の中から一定数をサンプル抽出し、紹介順をいれかえた複数パターンのメールマガジンを送信します。送信直後からリアルタイムで集計されるクリック率を見ながら、最終的にどのパターンで全体に対して送信するかを決定します。

このパターン生成から送信、クリック率集計までを簡単に実行できるようにシステムを構築します。こうすることで人間である担当者にしかできないクリエイティブな部分を最大限に活かす最終文面ができあがります。人とシステム、最高のコラボレーションを目指しましょう。中長期的には、反応をもとにした分析から、送信対象をグループ化し、それぞれに最適化した文面を送ることも検討できます。工数がどうしても大きくなりがちな施策ですが、配信規模が大きく、ほんの数%の違いが大きな売上の違いを生み出す場合には検討する価値があると言えます。

小さな進化の積み重ね

最も変化に適応した種が生き残っていく。これは生物進化における考え方ですが、ビジネスにもそのまま当てはまると思います。そして、メールマガジンに代表される販促手段にも当てはまるのではないでしょうか。その時代ごとに手段のトレンドは確実に存在し、また、効果の大小も、その時々に流行っているツールを柔軟に取り込みながら全体として考えるべきです。

メールマガジンの地位は大きく変わらないまでも、送信先の端末やユーザーの期待値は大きく変化しました。そうした変化に適応し、自社のメールマガジンのレベルを向上させ続けられた会社だけが売上UPという結果を手に出来ているのだと思います。

文章というクリエイティブと分析に下支えされた完成度。そして何よりユーザーの訪問を受け止める企画・商品。この全ての完成度を上げ続けるのは骨の折れることですがそれこそがビジネスだと思います。人とシステム、その絡み合った先にある成功を是非目指してみてください。

開発スタッフのコメント
メールマガジンだからといってメールにこだわる必要もありません。ショートメッセージによる配信やLINEによる配信など、その配信ツールにできるだけ多く対応したほうがより多くのリーチを獲得できるのは事実です。配信部分は複数のモジュールを配置できるようにしておき、効果測定やその配信内容管理部分などを共通化しておけば、今後さらに新しい配信手段が登場しても柔軟に対応していくことが可能でしょう。