同じもののないレシピ

インターネットを活用して料理をする人が増えています。クックパッドなどはもはや料理をする人にとっての認知度が尋常ではないレベルに高まっています。他にも食品メーカーが発信するレシピなども含めると、多種多彩なレシピ情報がインターネット上に存在しています。動画を主体にしたサービスも人気を集め、スーパーマーケットでは、早送り動画で料理を紹介しながら販促をする小型モニタが置かれていることも珍しくなくなってきました。

例え後発であっても、そのレシピ自体にオリジナリティがある場合や、監修している人がユニークな場合、さらには切り口や絞り込み方がおもしろい場合にはまだまだチャンスがある分野だと思います。販売促進の一環として取り組みたい企業であれば、自社商品やコンセプトにうまく絡めるかたちで展開できれば、ブランディングにも役立つでしょう。

今回はそんな料理レシピ・クッキング情報サイトをどのように構築するかについて考えてみたいと思います。裏側のシステムをどのように構築すべきか、また、どのような機能を実装すべきかについて、いくつかのポイントにわけて整理してみましょう。

Point.1 コスト重視なら土台はWordpressでセキュアに構築

料理レシピのサイトで、ユーザーからの投稿機能をつけない場合、Wordpressをベースに構築するのがコスト的にはベストです。とはいえ、昨今、Wordpressを標的にした攻撃が盛んなため、しっかりとしたセキュリティ対策は施すべきです。常にアップデートを行って最新のWordpressは当然の対策として必要です。プラグインについてもアップデートはもれなく行ってください。

プラグインレベルでできるものから、ファイル配置やHTMLソース上の隠蔽、さらにはもしWordpressの管理画面を特定のIPアドレスからに制限できるのであればそういった対策など、Wordpressを乗っ取られないための対策がとても重要です。乗っ取られてしまった際の損害リスクは予測不可能なため、注意を払っても払いすぎることはありません。

画像の見せ方などにこだわり、一つ一つのレシピを制作スタッフがページ化する場合にはその限りではありません。他のホームページと同じ技術選定を行っても良いでしょうし、あらためてレシピ部分だけ最適なものを選定するのも良いでしょう。

Point.2 入力フォーマットやルール整備で担当者の負担減

料理のレシピ情報は、写真に文章、それに材料情報と作り方のフローといった比較的パターン化しやすい構造をしています。これを毎回HTMLタグを意識しながら投稿するのは大変なので、投稿のベースとなるフォーマットや投稿ルールをつくり、毎回それを複製編集するかたちで投稿するようにします。

こうすることでHTMLに不慣れな担当者でも、画像をアップしてしかるべきところの情報を書き換えていくだけで完成します。運用マニュアルで補えばミスはさらに減るでしょう。また、最初の段階である程度のレシピ情報がエクセルのようなフォーマットで整理されている場合は、インポートプログラムを開発し、変換の上Wordpressに読み込めるようにします。

写真や動画にはしっかりこだわってください。スマートフォンの高機能化に伴い、消費者の目は肥えています。しっかりとした機材、照明を準備し、十分にクオリティの高いものになるように配慮してください。

Point.3 ユーザーの反響はX(旧Twitter)のハッシュタグで読み込み

ちょうどクックパッドのつくれぽのような機能を擬似的に実現するために、X(旧Twitter)を活用します。具体的にはそのレシピを使って料理を作ったユーザーにX(旧Twitter)で特定のハッシュタグをつけて投稿してもらうようにサイト上に掲載します。Instagramでも同様の取り組みを行うのも良いでしょう。

そのハッシュタグのついたツイートを該当のレシピページで自動的に読み込む設定にすることで、人気のあるレシピなどは盛り上がり感を演出することができます。もちろん、完全オリジナルでシステム開発を行えば、ユーザー登録機能やクックパッドと同等の機能を実現できますが、コストを抑えるのであればこうした運用上の工夫で乗り切ることをお勧めします。将来的に、ビジネス規模が大きくなった時に改めて独自システム化するかの検討をすれば良いと思います。

おいしい食卓こそ世の中の元気の源

良い料理レシピはおいしい料理を生み出します。おいしい料理は食卓の笑顔を生み出します。食卓の笑顔は毎日の活力につながり、日本全体の元気の源になるのだと思います。食からは誰しもが逃げられないため、工夫次第で様々な事業展開が可能になるのも魅力的です。

塩加減を少し変えたり、材料に少しアレンジを加えたりするだけで全く別のものになってしまうレシピ。そのレシピを通じて世の中に元気を与える取り組みを是非始めてみてください。

開発スタッフのコメント
Wordpressは特に事業立ち上げ期においてはコストパフォーマンスのよい選択肢ですが、作ったままほったらかし、というケースも多くあります。日々発見される脆弱性対応のためにWordpress自体や、使用しているプラグインにアップデートが行われるわけですが、その対応ができていないのと、非常に危険な状態で放置していることになります。究極、乗っ取りや情報漏洩も起こりえますので、Wordpressといえどもきちっとメンテナンスし続けるという覚悟と予算を確保しておくことをお勧めします。