SMS配信の可能性

スマートフォンの登場により、SMSはMMSにとってかわられるのではないかという予想が大半でしたが、用途を変えてその存在価値を高めてきています。最近の例であればSMSを携帯電話の認証に使用しセキュリティを高めている例や、エラーなどの緊急通知をSMSに配信しているサービスの例などがあげられます。

携帯電話番号さえあればOK、というシンプルながら強靭な性質が支持されており、いわゆるガラケーと呼ばれる古い携帯電話がほぼ存在しなくなったために、その利用への障壁はどんどんと無くなっているようです。

携帯電話を持っている人であればよほど古い機種でない限り大半が利用可能なSMS。自分のメールアドレスを記憶することや電話口で相手に伝えるのは骨が折れる作業ですが、携帯電話の番号がベースであるSMSであればその心配は要りません。さらに既に携帯電話番号を顧客データベースの中に持っている企業にとっては、確実にリーチできる手段を活用できる可能性があります。

今回のテーマはそのSMSを使ったメルマガ(メールマガジン)配信の仕組みをどのように構築するかについてです。どういったポイントに気を付けてシステムを構築すればビジネスとして有効なものができあがるのか考えてみたいと思います。

Point.1 配信の仕組みは外部APIを活用しコスト減

SMSを配信する仕組み自体を自社で開発するとなると、とてつもない工数とコストがかかります。ここはSMSを配信する仕組みを低価格で提供しているサービスを活用し、実際に配信する部分以外の開発に注力することで、コストパフォーマンスも完成度も高いシステムを構築します。送信料はどうしてもかかってしまいますが、その配信の仕組みを自前で構築するよりは圧倒的に低価格で実現できます。

配信の仕組み自体を外部化することで、新しい機種や技術仕様への対応の手間がなくなり、一度構築したシステムを長く活用することができます。仕様変更の度に使えなくなったり、システム会社に追加費用を払う必要はありません。また、配信あたりのコストもトータルで見ると安くなる場合がほとんどです。

LINEという媒体も勢力を増し続けていますが、携帯電話番号があればほぼ送信できる利便性はまだまだ現役です。コミュニケーション手段の一つとしてはまだまだ活躍の場がありそうです。

Point.2 空SMSで配信解除できる仕組み

パソコンに届くメルマガよりも、携帯電話に直接届くSMSメルマガの方がユーザーに確認してもらえる確率は高まります。それは同時にメルマガが不要と感じている人にとっては受信すること自体がとてつもないストレスであることを意味します。情報を登録しなければよかった、と思われてしまうと、なんとかして退会や、ユーザー情報を削除しようと思うかもしれません。

送りっぱなしのシステムではなく、送信元の番号に対してSMSを返答することで配信解除(オプトアウト)ができるようにします。こうすることでSMSメルマガが届いて欲しくない人への配慮もでき、クレーム発生を未然に防止することができます。

Point.3 登録や販促の中心として活用

SMSメルマガの運用に慣れてきたころを見計らい、ビラやショップカードなど、オフラインでの販促手段の中核にSMSメルマガを据えます。登録もSMSを送るだけで完了し、さらに初回登録時にすぐに使えるクーポンが返送されてくるなどのインセンティブを設けることで、新規登録を促します。

また、SMSメルマガとタイムセールのような時間限定・即時的なプロモーションを組み合わせることで、パソコンに届くメルマガではなかなか難しかったリアルタイム販促を行っていきます。SMSならではの活用法を模索し続けることで、コミュニケーションツールとしての価値をどんどんと高めていけるのではないでしょうか。

伝える手段確立の次は企画のレベルアップを

メルマガの開封率が高いとはいえ、SMSメルマガはどこまで言っても伝達手段でしかありません。読み続けてもらえるか、そこからアクションをとってもらえるかは中身や企画に依存することは言うまでもありません。ツールを何を使っても、最終的には企画力が肝です。

効率的にメッセージを伝達する手段が確立した後は、いかに魅力的な企画をユーザーに対して継続的に打ち出していけるかに経営資源を集中するべきです。キャンペーンのアイデアはいくらでもあります。その一つ一つの完成度を高め、SMSメルマガのようなツールで拡散する。この好循環をどれだけ素早く回していけるかが事業の成否を左右するのではないでしょうか。

SMSメルマガという仕組み、そしてその先にあるビジネスの成功。お役に立てることがあるかもしれません。お気軽にご相談ください。

開発スタッフのコメント
いかにユーザーに確実に連絡するかというのは最高の答えはありません。今であればLINEに登録してもらうのも効果は高いですが、流行廃りの中で、いつまで有効とも言えません。SMSはまだまだ二段階認証等でも活躍する分野でもあり、販促に限らず、SMSをプラットフォームしたソリューション提案で切り開ける領域はありそうです。