細かく手入れする時代

家が古くなったからといって、いきなり建て替えという行動にでるのは、一部の人に限られます。多くの人にとってはリフォームが第一選択肢であり、日々投函されるチラシやインターネットから情報を収集するのではないでしょうか。家電量販店も力をいれており、リフォームを担う業者の種類は様々です。

そういった需要から、数多くのリフォーム専業会社が誕生し、激しい競争を繰り広げています。気付いたら支店が減っていた、会社が無くなっていたということも珍しくありません。その一方で、直接、職人や大工とマッチングさせる中抜きモデルを実現する土台ができてきました。スマートフォンの普及もこうした流れを後押ししているのは間違いないでしょう。

リフォームを考える世代がインターネットを十分に駆使するようになった今、リフォームに関連する職人と直接マッチングできる仕組みのシステム構築についていくつかのポイントで考えてみましょう。

Point.1 スケジュール管理とセット

日々、いろいろな協力会社から仕事を請ける職人にとって、スケジュール管理が複雑になるのは是が非でも避けたいことです。ましてやダブルブッキングなどが起こっては職人としての信頼に関わります。かといって予定がスカスカだとそれだけ売上が減ることになるので、可能な限り効率的にスケジュールを埋めたいというのが本音でしょう。天候によりどうしてもスケジュールが変更になることもあるでしょう。

そこでシステム内にスケジュール管理機能を設け、GoogleCalendarからデータを読み込んでそこで一元管理できるようにしたり、逆に、GoogleCalendarに書き込む機能を作ることで、今使っている管理方法と違和感なく統合できるように配慮しましょう。GoogleCalendar以外にもたくさんのカレンダーサービスがありますが、どこまで対応するかは優先順位付けをすることで予算を圧縮できます。

Point.2 依頼項目を自動分解

リフォーム依頼者は、「こういったことをしたい」というのはあっても、それを具体的な工程に落とし込むことはできません。そこで、例えば「バスタブを交換したい」といったメニューを複数用意し、そのメニュー毎に工程を自動分解し、職人が「これなら自分も参加できる」という単位に分解できるようにしましょう。いわば、現場監督の役割をシステムがうまく担ってくれるイメージです。どのように分解するかは運営側の腕の見せ所ではありますが、まずはシンプルなものから取り組んでノウハウを確立していくのも一つです。

分解した後はその個別要素について職人に入札/立候補してもらい、条件があえば施工へと流れるイメージです。運営者側でそのやり取りの要所要所でチェックすることで、意思疎通やその後のスケジュール管理がスムーズにいくようになりますので、自動と手動のベストなバランスを模索してみてください。

Point.3 プロジェクトページにすべての情報を集約

一つのリフォーム案件をプロジェクトと見立て、そこに参加する職人、スケジュール、伝達事項といったことが、すべてそのプロジェクトページで完結するようにしましょう。全員がこのプロジェクトページを中心に動き、言った言わないや忘れていたといったミスを防止します。

また、顔もスケジュールも一目瞭然なので、発注主も職人も安心してリフォームを進めることができます。変更があれば関係者に即時通知され、また、関係者に一斉連絡もこのプロジェクトページから行えるようにすることで、相互コミュニケーションの手間を低減しましょう。通知を独自システム上で完結させる方法では確認率があがらない場合には、LINEやメールに通知する機能を拡張するのも良いでしょう。

もし明らかに工程が遅れてしまっている場合にはその状態警告がわかるようにし、場合によっては運営側が介入するのも良いかもしれません。責任のなすりつけ合いになっては元も子もないため、最終的な監督責任者は運営側が積極的に担うべきです。

スマホ時代の中抜き

職人との調整が必要な業界は、インターネットが普及した後もなかなか中抜き化が進みませんでした。それが今、スマートフォンの普及によって、少しずつですが様相が変わってきています。

このうねりの中で、リフォームや補修を考えている施工主と、仕事を直接欲している職人/大工を結びつける仕組みは、大きな可能性を秘めていると言えるかもしれません。

開発スタッフのコメント
家を建てるような複雑かつ複数の工程が入り組むものはさすがに厳しくても、1日や数時間で終わるようなリフォーム案件は、ますます中抜きが進んでいく可能性を秘めています。職人側も直接受注できる方が実入りがよくなるため、拒む理由はありません。システムがうまくリフォーム会社を担っている役割を代行することができれば、規模を拡大しながらも、一つ一つのリフォーム案件でコストを抑えることも可能になってきます。システムの力をフル活用した事業に取り組んでみてください。