スマホ全盛の時代

スマートフォンの勢いが止まりません。少し前までは若い人専用のような風潮もありましたが、今では老若男女問わず、スマートフォンという時代になってきています。携帯電話会社各社のラインナップも如実にスマートフォン偏重になっており、この活況は変わりそうにありません。

そんな中でスマホケースに代表される周辺機器のマーケットが盛り上がっています。日本人の性質からか、飾ったり守ったりという需要が強いようで、他の国に例を見ないほどのバリエーションを誇っています。スマートフォンのメーカーが発売する公式ケース以外にも、低価格路線のものから高級ブランドが販売するものまで、本当に様々なケースやストラップが販売されています。スマートフォンケースだけを販売する店舗も見かけるようになり、そのマーケットの大きさを感じさせます。

今回のテーマは、こうしたスマホケース、ストラップ等を販売するお店のネットショップ構築に関してです。どういったポイントに注意して構築すれば良いネットショップを作り上げることができるのか整理してみましょう。

Point.1 機種別、ジャンル別、複数軸で検索可能

スマートフォンの周辺機器は、対応機種というやっかいな概念があります。スマートフォンのサイズの数だけ商品があるといっても過言ではありません。同じiPhoneでも、世代によってサイズやボタンの位置が微妙に違うため、同じ商品として販売することはできません。

スマホケースを探している人がただただ大量に並ぶケース商品一覧を見たら戸惑ってしまうと思います。自分が使用している機種、欲しい機種で商品を絞り込めるようにするのが最低限の配慮でしょう。また、機種だけでは年代によってサイズが異なる場合もあるので、年式もしっかりと絞り込めるようにしましょう。モデルチェンジしてもサイズが変わらず、ケースに互換性がある場合には、適切なカテゴリで表示されたり、互換性がある旨の記述を加えることで、商品選び間違いを減らしてください。

カテゴリのように機種を登録してしまうのもありですし、最初の段階で機種を選択してもらって、その機種情報に基づいてネットショップに表示する商品を変化させる手法も有効でしょう。どちらにしろ、膨大な商品の中から、自分の探しているものだけを探せるようにすることが重要です。

Point.2 機種登録で関連新製品の通知サービス

前項の機種選択の機能ですが、せっかくなので顧客情報とひもづけて管理するようにしましょう。こうすることで自分の持っている機種に関する情報だけをメールマガジンで受信する、といったようなことが可能になります。一人で複数端末を所有することも珍しくないので、一人のユーザーに対して一端末ではなく、複数端末の紐付けが可能にしておくほうが良いでしょう。

メールマガジンはいかに役立つ情報だけを届けるかが購読率のUPにとっては重要です。大半の情報が自分の機種では使えない情報であれば購読率が下がるのも必然でしょう。こうしたことを避けるためにも、機種情報を記録し、メールマガジンの個別最適化に活用してください。

もちろん、メールマガジン配信システム側も調整が必要になるでしょう。今までざっくりと同じ内容のメールを送っていたのであれば、これを機に内容の送り分けをテストしてみるのもお勧めです。より個別に、よりダイレクトにメッセージを作り上げることで、リピート率を筆頭とした重要指標を向上させることが可能です。また、機種変更の際にスムーズに情報更新できるような動線も用意すべきです。簡単でなければ情報更新をしようという気持ちが起こらないため、情報がどんどんと古くなってしまい、登録された情報の価値が下がってしまいます。

Point.3 売れ筋分析から独自商品開発へ

スマートフォン周辺機器を販売していると、実際の売り上げ傾向や顧客からの要望などの情報がどんどんと集積していきます。こうした情報をさらなるビジネスチャンスに生かさないのはもったいないというものです。独自商品開発は、金型からおこすと少し費用がかさみますが、すでにあるものの別注のようなかたちであればかなり手軽です。取り組み方は色々と存在しています。

会社の方針によりけりですが、もし独自商品の開発・販売を企んでいるのであれば、是非ともその情報を活用してください。どの機種でも人気のある商材が特定機種で販売されていない場合はその穴を埋めにいくのでもいいでしょうし、ものすごい売れ筋カテゴリがあればそこに商品を投入するのも良いでしょう。小売りにとどまらない業態開発のためにも、手元にある情報は積極的に活用してください。

プライベートブランドというかたちで自社商品を強化していくのも良いでしょうし、特定の顧客グループ限定の参加型商品企画を行うのも良いでしょう。クラウドファンディングも一般化してきているので、そうした外部サービスも使いながら、商品作りを盛り上げていくのも有効でしょう。

世界レベルで激戦区へ

日本の携帯電話は日本でしか販売されていない、という時代から、スマートフォン時代は根本的に違います。各社世界中で販売しているモデルを日本で販売しているという状況が当たり前になりつつあります。

こうなると、周辺機器も世界全体での競争になります。海外ブランドから国内に攻め込まれる恐怖もありますが、逆に海外に攻め込むこともできるということも意味します。小売りとしての力、そしてメーカーとしての力を蓄え、世界市場に生き残っていってください。

開発スタッフのコメント
スマートフォンの機種以上に、スマホケースがファッションや個性を表現する手段となっています。スマホケースを何度も買い替える人も多いようで、その傾向は今後も続くでしょう。一般流通品はますます多くの販売店で売られるようになっている今、自社独自の価値を模索する必要があります。自社独自商品に限らず、自社ならではの訴求方法等、今まで以上の高いレベルが求められているのではないでしょうか。