ゼロからのスタート

「競合が売れているようなので、うちもネット販売をはじめたい」というご相談をいただいたのは、古くから造花の問屋業を営まれている会社の社長様から。実店舗での販売の歴史は長かったのですが、ネット販売に関しては全くの手つかずの状況でした。お話をお伺いした上で、社内人材の育成や最小限のリスクでスピーディーに競合の背中を追いかけるために必要な道筋をご提案し、プロジェクトがスタートしました。

人力に依存しない仕組み作り

既に競合が自社サイトや楽天市場で圧倒的な地位を築いていたため、後発参入としての戦略をしっかりと構築する必要がありました。幸い、長い歴史とメーカーとの関係性から、仕入れ値では負けていなかったため、売れる商品の充実と少人数で効率運営を掲げ、仕組み作りを開始しました。仕組みが無くても最初の内は何の問題もないことが多いですが、注文量や商品数が増えてくると急激に現場が回らなくなり、採算性が悪化していきます。後発参入だからこそ、予期しうる事態には備えた上で攻めることを選択しました。

後発だからこその独自システム

プロジェクトスタート時はコンサルタントという立ち位置での契約でしたが、戦略上独自システムが非常に重要な役割を担うため、システム面も一括して対応。このあたりは当社の総合力が活きる場面のため、スピーディーかつ的確に仕様を定義し、コンサルティング活動と並行して構築を進めていきました。通常であれば人力で対応するような商品管理や在庫管理も徹底的にシステムが自動で行うようにし、ITにそれほど強くない担当者でも数千、数万の桁の商品数を管理、更新していける体制を構築することができました。

システム、デザインすらもPDCAのサイクルに

プロジェクトがスタートして数ヶ月後、楽天市場店がオープンしネット販売がスタート。オープンすることがゴールではもちろんないため、細かい戦術レベルの話から大きな戦略面の話まで継続的に支援を実施。オープン時には投入できなかったブランドの商品を追加しながら、競合の背中を追いかけている最中です。ネットショップ管理ツールは数有れど、どれも汎用性を担保するために痒いところには決して手が届きません。最初の構築コストは多少かさみますが、自社の状況にあわせてシステムやデザインも変えていけることが長期的な強みになっていくのは間違いありません。

こういったお悩みをお持ちであればご相談ください

今からインターネット販売に参入したい

インターネットで商品を買うことが当たり前になってきていることに疑いを持つ方はもういないと思います。一方で、商品の特性や販売対象、さらには長年の取引先との関係性の中で、今の今までインターネット販売に取り組まれていない方もまだまだ多いのではないでしょうか。ECサイト運営は簡単に見えて実際は実店舗運営と同じように大変なことなので、現時点で参入していないことが戦略的に正しい場合ももちろんありえます。

一方で、今までとは異なった販路で新しい顧客層を獲得できることはとても魅力的です。実店舗中心に運営されていたのであれば、それが全国に拡大するチャンスでもありますし、自分たちの商品・サービスを日本全体、さらには世界に対してプレゼンテーションしていく良いきっかけにもなり得ます。ユニークな商品を取り扱っているのであればなおさらでしょうし、そうでなかったとしても、何か勝てる算段があるのであればまだまだ遅くないとも言えます。

ただ、既にインターネット販売で経験を蓄積している競合他社に追いつくのは一朝一夕では叶いません。先行者利益は確実にあり。競合他社が囲い込んでいる顧客を奪いとれる保証もありません。「はじめてみたけど儲からないからやめた」というのはよくある話です。後発だという適切な認識と、どこに重点的に攻め込んでいくかを明確化にする必要があります。加えて、どこか一つでも、先行している競合にはない強みを築き上げていく必要があります。後発だからこそ参考にしうるベンチマークはたくさん存在しているはずですので、そうした競合分析と自社の強みを考慮した上で、インターネット販売に挑戦されることをお勧めします。

既存の仕組みをリニューアルしたい

その力の入れ方に程度の差はあれど、既にインターネット販売、ECサイト運営に取り組まれている方も多いと思います。楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモールに出店されている方も少なくないと思います。同時に、「思ったような成果がでない」「もう一段上の成長が欲しい」といった問題意識をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。いたずらに出店モール数だけが増えていって管理コストが余計に増えてしまったり、モール側の営業担当に言われるがままに効果のでない広告にばかり出費したりしてしまっている場合は注意が必要です。

成長の鍵になるのはもちろん商品力ですが、その商品力を高めるのは商品提案力であり、その商品提案力を左右するのは人材配置や業務効率といった、まさに店舗運営力です。業務が手一杯であれば商品ページを作り込むこともできませんし、かといって何でもかんでも外部にアウトソースしてしまうと、どんどんと収益性が落ちていき、売れども売れども儲からない、という状態になってしまいます。

こうした状況をシステムを活用することで改善できる可能性があります。月額課金の在庫管理システムでも良い場合もあるでしょうし、より自社業務にカスタマイズした独自システムの構築も選択肢に入ってくるかもしれません。いずれにしても、適切なツールを活用することで、業務効率を向上し、労働対効果の高い部分に自社の人材リソースを投入できるかどうかが、成否をわけると言えると思います。

立ち上げ時期は強力なサポートが欲しい

社内人材に経験者がいる場合や、採用活動を通じて優秀な人材を獲得できる場合はあまり問題になりませんが、ネットショップの立ち上げというのは非常にエネルギーの必要な作業です。お店の戦略を定め、デザインを作成し、商品登録や各種設定など、並行して行うべき作業量は膨大です。そして、この最初の方向性がその後の成長を左右するだけに、雑に扱って良い作業でもありません。

オープンして運営が落ち着いてくると、自社でのPDCAを回しやすくなりますが、売上があがるのかわからない最初の時期だけ、外部の力を利用するのも一つの方策です。今起こっていることが普通なのかイレギュラーなのか、といった不安に悩むこともなくなりますし、店舗運営を最短で軌道にのせるという意味では、投資対効果が非常に高いことも多いでしょう。時間を買う、という考え方で捉えると、外部リソースへの投資も、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスに優れた施策であると言えます。

自分たちで運営していくから最初から最後まで自分たちだけ、という考え方も一理ありますが、立ち上げ期に限ればそうとも言えない部分もあります。とりわけ細かい設定をどうすべきか、どういうオペレーションが最も効率的なのか、といったことは、その時点のベストプラクティスに精通しているほうが有利でしょう。冷静な視点で社内のリソースを俯瞰し、外部リソースの活用も前向きに検討されることをお勧めします。


当社では、マーケティング、システムの両方を高度に駆使する必要がある案件もワンストップでご支援が可能です。ご相談はもちろん無料ですのでお気軽にお問い合わせください。

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