一般的なシステムで対応不可能な在庫問題
従来はオープンソースの高機能ECサイト構築パッケージを使用していたアクセサリー販売サイト。同じ石をネックレスとブレスレット、さらにはピアスに使用する場合があるために、一般的な在庫管理とは違った概念での管理が必要でした。同時注文による欠品リスクと、それに付随して起こるお客様の不満足を抜本的に解消するため、独自システムの構築を決意。1ヶ月という緊急構築を目標に、フレームワークを柔軟に活用したシステム構築がスタートしました。
独自システムを構築し、在庫問題解消と省力化推進
今回のリニューアルの肝になる在庫の概念は、どのようにデータベースを設計するかが重要なパートを占めていました。データベースのメンテナンス性、速度等複数の指標で評価しながらシステムの仕様を策定。さらに汎用的なパッケージではない独自システムの利点を最大限に享受すべく、通常ECサイトにはない独自機能を仕様に盛り込み、受注から発送、フォローまでの大幅な省力化を目指しました。
WEBサイト利用者に便利な機能を同時追加
ECサイトの裏側とも呼べる管理画面のリニューアルにあわせて、WEBサイト利用者が目にする表側の機能拡張も実施。ついつい忘れがちな記念日をお知らせしてくれる通知サービスの実装や、お買い物プロセスの最適化などを行い、WEBサイト利用者にとっても有益なリニューアルになるよう配慮しました。
将来的な拡張にも十分に耐えうる柔軟な設計
楽天市場やYahoo!ショッピングに将来的に出店したときを想定し、在庫連動や受注の共通管理が可能なように設計を施しました。ECサイトの核となる部分と拡張部分を分けて開発することで、人的なエラーによるWEBサイトのダウンや機能バグを未然に防止しています。また、開発フレームワークには実績と知名度のあるフレームワークを採用。システム担当の引き継ぎも柔軟に行えるようになっています。
こういったお悩みをお持ちであればご相談ください
特殊な在庫管理が必要
仕入れたものを売る、というシンプルな販売モデルであれば、月額費用で利用できる在庫管理システムを利用することが間違いなく最善です。必要な機能は一通り揃っており、最初の立ち上げのデータ準備と、操作に対する慣れを除けば、移行に際して問題になることはないと思います。
一方で、在庫管理で考慮すべき特殊な事情がある場合は話が変わってきます。最近の月額課金型の在庫管理システムも高機能化しているため、工夫次第で対応できる場合もありますが、限界があるのも事実です。そういった場合に選択肢にあがってくるのが独自構築です。実際、多くの通販会社も、成長の過程で独自構築のシステムに移行しているところも非常に多くあります。どのようなケースでも独自構築が優れるわけではありませんが、より良い顧客体験やより精度の高いオペレーションを追求していくと、必然的に独自構築に至ることが多いようです。
誤解をおそれず言ってしまえば、独自構築であればどのような複雑な管理も実現が可能です。一つの在庫をいくつもの商品で使い回す、パーツのグループ単位で在庫が減るといったケースにも対応することができます。自社の既存システムとの連携はもちろん、仕入れ方や商品ルールなど、あらゆる制約を考慮して構築することができます。既存のパッケージ商品をカスタマイズするよりもコスト面で安くなる場合もあるため、独自構築という言葉が想起させる「高コスト」というイメージに引きずられずに検討されることをお勧めします。
買い物客向けのカスタマイズが必要
メッセージカードやギフトラッピングが選択できるようにしたい、という要望であれば簡単ですが、より複雑なサービスを提供しようとすると、一般に流通しているショッピングカートサービスでは困難になる場合が多くなります。仮にそういった機能が提供されていても、有償のプラグイン扱いになり、件数ごとに費用が発生したりと、収益性を圧迫する原因になってしまう場合もあるので注意が必要です。
インターネットショッピングにおいては、ネットショップそれ自体が顧客との重要な接点です。そこでの接客の満足度を高めるために積極的に投資したいのであれば、ショッピング機能自体を独自に構築してしまうことも視野に入ってきます。ショッピングカートというと大変に聞こえるかもしれませんが、システムとしてはそこまで複雑なものでもありません。決済の部分も年々決済サービス自体を提供するサービスが普及しており、カード決済を取り扱うリスクも下がってきています。
独自構築には独自構築ならではのメリット・デメリットがもちろんありますので、そうした情報をしっかりと収集し、吟味した上で方針決定されることをお勧めします。
コミュニケーション機能を充実させたい
インターネットショッピングは確実によりインタラクティブになってきています。チャット接客や、AIによる問い合わせ対応など、よりリアルタイムに顧客とのコミュニケーションを図る方向に進化しています。また、在庫入荷通知に代表されるメール通知、LINE通知のような通知系機能も今後も充実していくと考えられます。今はまったく普及していない未来のサービスが登場した際には、それらのサービスに継続的に対応していくことで、新しい顧客層を取りこぼさないことにつながります。
ECサイトにとってもこうしたコミュニケーション機能はますます重要視されていくことは間違いありません。ただ、スタッフの手間を増やしてしまっては意味がありません。ショップ利用者の満足度は高めながらも、省力化できることはどんどんと省力化していくことが鉄則です。そのためのシステムであり、流行りのAI機能を導入すれば終わり、という単純な話でももちろんありません。
「こうしたことがしたい」というイメージから、具体的な機能へ落としこんでいくのは簡単なことではありません。最初に思いついたものがベストとも限りませんし、コスト面、セキュリティ面で現実的でない場合もあります。あれこれと検討したものが、システム会社と話をしたらほとんどが無駄になってしまったということも珍しくありません。イメージ段階ででも、専門家と議論する機会をセットするところからはじめられることをお勧めします。
当社では、コストを抑えたECサイト構築はもちろん、徹底的にカスタマイズを施した独自ECシステムの構築までご提案することも可能です。ご相談はもちろん無料ですのでお気軽にお問い合わせください。