静岡茶屋の挑戦

若社長の危機感

日本有数の茶処、静岡県島田市にある製茶工場直営のお店。若社長から「なんとかお店をもっと盛り上げたい」というご相談をいただきました。本体である製茶工場が直営店を支えるという構造が長年続いていたことと、お茶離れが急速に進む市場環境に危機感を強く感じられていたのです。

現地への訪問と打ち合わせ・ヒアリングを数回重ねた上で、具体的な戦略と方針のプレゼンテーションを実施。「是非手伝って欲しい」という若社長の言葉をいただき、二週に一度の訪問を軸としたマーケティング支援(コンサルティング)契約がスタートしました。

地域密着戦略を掲げ、試行錯誤のサイクルをスピーディーに

過去の売上動向を緻密に分析した結果、現在の売上の9割が近隣のお客様によるものであることがわかりました。近年は新規客の流入が止まり、既存客の流出が進んでいるのが、右肩下がりの状況を生んでいることも明白でした。お茶離れという大きな視点での影響は多少あれど、お客様の流出を止め、来店を促し、リピーターへと育成していくサイクルを構築できればまだまだ成長の余地はあると判断。受け身な運営体制にもメスをいれ、積極的に攻めるお店への転換がスタートしました。

イベント、コラボ、お店新聞

具体的な施策としてまず実行したのが、イベントによる集客でした。お茶の煎れ方教室といったお茶屋らしいイベントから、夏祭りやスイーツ試食会など、季節や地域性に配慮したイベントを毎月開催。お店の存在は認知しているのものの、なかなか足を運ぶきっかけがなかった新規客の来店促進はもちろん、既存客に案内を出すことで、関係性が薄れつつあった既存客の掘り起こしを狙いました。毎回、イベントテーマ、集客方法に関してはしっかりとレビューを行い、イベントを通じた集客に関するノウハウを蓄積しています。

次に来店促進策・客単価向上策として、コラボレーションによる戦略商品の開発を実施。お茶の風味を活かしたスイーツという切り口で、地元の有力スイーツ店から北海道の有名スイーツ店、愛知のシフォンケーキ専門店などコラボレーションを実現。ここにしかないレベルの高いスイーツを揃えることで従来とは違った客層の取り込みを狙いました。また、スイーツ導入時には大々的に試食会を実施し、来店のきっかけとしての機能も果たしています。

イベントや新商品などの通知媒体として、また、お店自体の認知度向上策としてお店発行の新聞をほぼ月刊で発刊。紙面上では商品を売ることは狙わず、認知度さらには好感度をあげるために、「楽しみになる新聞」というコンセプトを掲げ、お店で起こったことやクイズ、役立つ知識などの情報を発信しています。来店客からも「新聞を見て来ました」という声も多く、地域に愛されるお店を下支えする媒体に育ちつつあります。

長期的な好循環の肝はチーム力の向上

支援が1年を過ぎたあたりからは、チーム力の育成にも取り組み始めました。毎月のイベント企画や販売促進施策を訪問時にみっちりと議論するMTGを設定し、「自分達のお店だ」という感覚を持ってもらうと共に、各自が持つ知識や経験を持ち寄ることで、より精度の高い施策立案を目指しています。さらにはマーケティング関連の本を中心に読書会も実施。本を通じての気付きをお店運営にすぐさま取り込むことで、チーム全体の知識レベル向上を実現しています。