ブランディングの時代

環境保護の意識が高まることで、エコバッグが大きく普及しました。同時に、ショップの袋は二極化が進み、エコをアピールする路線と、ブランディングを強く意識したものにわかれてきています。素材や形状の多様性もましており、印刷や加工での差異化も活発です。

紙袋は街中での宣伝ツールであり、その重要性は今も昔も変わりません。むしろ、写真によって物事が拡散する今、改めて注目されている販促ツールとも言えます。

今回は、こういった紙袋、手提げ袋の企画製造やOEM、販売を行っている会社のホームページ制作について考えてみましょう。

Point.1 写真、写真、写真

街中で見かけたことはあれど、「こういう加工がしたい」というものは、よほど袋作りに詳しくない限り知らないことばかりです。過去の製作事例にあるような加工は一つ一つ写真で解説し、どういったことが可能で、どういった仕上がりになるのかのイメージを持ってもらえるようにしましょう。

また、自社では製作事例がないことでも、技術的に対応できるのであればのせるのをお勧めします。たとえそのサンプルを作るのにコストがかかったとしても、加工技術指定で探している見込み客へのアピールになりますし、たくさんの技術をもった会社というアピールにもなります。先進的な取り組みや加工であれば、なおさら実物サンプルの提示に挑戦すべきです。こういうことができるというのを示すことも、デザイナーの感性を刺激するかもしれません。

情報を求める人に対して、業界ならではの情報をしっかりと発信することでSEO対策として非常に有効です。見込み客の集客にもつながりますので、技術的なこと、加工オプションのことはしっかりと情報掲載するようにしましょう。

Point.2 スピード感をアピール

製作までの流れ、といったページを設けることは一般的と思いますが、そこに掲載されている日数は本当に適切でしょうか。

クレーム回避のため大きな日数を設定し過ぎているとしたら、大きな機会損失があるかもしれません。タイムイズマネーではないですが、納期重視で探している見込み客にとって、ある程度の間隔があるとはいえ、長い納期が設定されているところは候補からはずされがちです。幅のある表記でもいいので、短い側の日にちもできる限り短縮してみせるようにしましょう。

日数を詰めるのが難しければ、「お急ぎ納期も対応します!」といったアピール文言を入れる等の対応で、スピード感をアピールしてみてください。また、実際に対応した実績があるのであれば、こういうものならこれぐらいでできます、という実例をたくさん紹介するのも有効でしょう。

Point.3 手軽にサンプル請求を可能に

使える紙、加工の精度、そういったものを確認するにはサンプルを見てもらうのが一番です。サンプル自体にもお金がかかりますし、郵送料がかかるためにサンプル請求に非常に多くの必須項目を設けているとしたら、少しでもその必須項目を減らせないかを検討してみてください。無料での対応が難しければ、有償で提供するのも一つです。ショッピングカートに追加するようなかたちで決済までいければ、インターネットショッピングと同じ感覚でサンプル請求が気軽に行えます。

また、余計な営業はしません、という文言を追加することで請求率が向上する場合があります。サンプルが到着した頃合いをみてのフォロー電話だけの旨を記載し、のちのちDMが送られてくることがないということを約束してあげるのも一つです。いずれにしても、アクションに対するハードルを積極的に下げていくことが重要なため、一連のフローを見直して、少しでも精神的、時間的な負担を軽減できないかを検討してみてください。

当たり前を突き詰める

以上のポイントはどれも当たり前のことばかりです。ですが、その当たり前は、リスク回避の発想の中でないがしろにされがちなのも事実です。見込み客のフォローにかかるコストは広告宣伝費です。ここをけちらず、気持ち良く取引がはじまるような、攻めたホームページにできないか、ぜひ検討してみてください。

開発スタッフのコメント
古くからの付き合いや紹介ベースで仕事が埋まっているというところを除き、新規客の確保はどこの袋製造工場にとっては死活問題ではないでしょうか。大口顧客が確保できるに越したことはありませんが、広く需要を取り込み、付き合いを重ねていくのが最短ルートでもあります。ホームページはそのための有効な手段であることは間違いなく、アピール度を極限まで高めるためにできることはたくさんあります。一つ一つ確実に取り組んでいってみてください。