過当競争のサバイバル
パン屋さん、ケーキ屋さんと言えば、小学生の将来の夢でいつも上位にいる憧れの職業の一つです。華々しい活躍をするトップ職人がいる一方で、街のパン屋さんやケーキ屋さんは、日々生き残り、支持を集めるために苦労しているのもまた事実です。またその就労環境も決して恵まれないものであることも多いのも事実です。
新規店の場合はなかなか客がつかないという胃の痛い日々を過ごしているところも多いと思います。「一度食べてもらえさえすれば・・・」というのは本質的で正しいですが、お店を知ってもらい、試してもらわないことには何も始まりません。また、人の好みは人それぞれですので、世界最高の味を誰かに評価された味も、出店している地域で支持されるとも限りません。
今回は、こうしたパン屋・ケーキ屋さんのホームページ制作や、ホームページを活用した集客について考えてみたいと思います。早速いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 地図、交通手段は充実を
お店のホームページであれば、まず間違いなく地図やアクセスといったページを作ると思います。場所を知らせるという意味では十分かもしれませんが、一歩踏み込んで地図ページを充実させましょう。
たとえば、Googleマップへのリンクをつけるだけでも違います。また、どの方面から来るかを想定して、お勧めのルートや駐車場所を掲載するのも一つでしょう。このあたりは旅館やホテルが経路別に充実したアクセス情報を掲載しているので参考になると思います。他にも、周辺の観光情報やお勧めショップなどを掲載するのも良いでしょう。立地が良い店であればそういった工夫の必要はありませんが、少し離れた場所にある場合は、どういくか、ついでにどこを回るか、といったユーザー視点を組み込んでみるとページが活き活きと進化します。
よく駐車場の情報を端折るケースもありますが、近隣のコインパーキング含め、しっかりと情報を掲載するほうが良いのは言うまでもありません。コインパーキングの情報はオープンや閉鎖の影響でよく変わることが多いのはその通りですが、自分たちのお店の周りで起こることですし、定期的に更新することはできるはずです。駐車場の広さや混んでいる時間帯、おすすめの周辺観光など、情報を充実させる方向性はいくつもあります。情報のメンテナンスの必要はありますが、「いけそうだ」と思ってもらえるための努力であれば積極的に行うべきでしょう。
Point.2 定番商品の育成とアピールを
たくさんの商品を作っていると思いますが、かならず定番商品と言いますか、うちの店はこれ、という商品を育成してください。それが必ずしも売れる商品でなくても構いませんが、お客様が店のことを友人に紹介する際に「何の店か」というのを明確にしておくにこしたことはありません。マーケティングでいうところのポジショニングになります。
お店でのアピールはもちろん、ホームページでも、「どれほどその商品にこだわっているか」をしっかり伝えましょう。店頭で伝えられる情報はあまり多くないので、積極的にホームページで情報を伝えることで、見込み客にアピールすることができます。素材やその配合バランスについても、どうしてそうなったかという理由があるはずです。そういった味のこだわりをできる限り伝わるかたちに翻訳して発信することもとても重要だと思います。
定番商品は、売りたいもの、から生まれることもあれば、売れているもの、から生まれることもあります。まだ決まったものがない場合には、まずは売れているものがなぜ売れているのかを考えるところからはじめてみるのも良いかもしれません。
Point.3 人、そして人となり
小規模のお店の場合、やはりオーナーシェフの人を前面に押し出すべきです。華々しい経歴があればそれをアピールするべきですし、たとえ派手なものがなくても、今までの努力や出店までの軌跡、どれほど商品を愛しているかをしっかりと書くことで、お店のアピールにつながります。
シェフのタレント化は今のご時世、避けて通れないぐらいに有効な施策です。お客様は商品の向こう側に物語を求めています。こだわりを隠さず、どんどんとアピールしていってください。自分で自分のことを書くのが難しければ、自分をよく知る人や、ホームページ制作者に委ねるのも良いでしょう。少しこっ恥ずかしいぐらいがちょうど良いバランスになると思います。顔出しが恥ずかしいのであれば、作業風景の写真を中心にしてしまうのも良いと思います。親近感と職人としてのかっこよさとのバランスの中で、最適解を見つけてみてください。
しっかりやることにマイナス無し
ほんの5年前までは、しっかりしたホームページを持ったお店は少なかったのですが、今ではしっかりと取り組んでいるお店も増えてき、そういったお店は軒並み人気店です。もちろん、人気店だからこそホームページにお金をかけられるという考え方もできますが、ホームページにお金をかけるようなマーケティング的思考を持っているからこそ人気店になっていると考えることもできます。
商品がおいしいことは当然のこととして、後はそれをどうアピールできるかが商売の成否をわけます。ホームページという一度しっかり作れば24時間がんばってくれるツールを活かさない手はありません。そこに可能性があると少しでも感じたなら、ホームページの強化を是非検討してみてください。