地域との共生

世の中にとってとても重要な役割を担いながらもどうしてもその印象が悪い業態というのが存在します。音や臭いの問題もあり、廃棄物処理業・ごみ処理業にとって、地域との共生はいつの時代も頭を悩ませる問題ではないでしょうか。古くからの関係性で成立しているところもあれば、地域との定期的なトラブル対応に追われているところもあると思います。

説明会や雇用創出など、直接・間接問わず、地域社会とのコミュニケーションを行う方法はありますが、ホームページという情報発信の場が担う役割も大きくなってきました。発信する側も受信する側にとっても効率の良いデジタルコミュニケーションの重要性はこれからも増し続けることが予想されます。

今回は、こうした廃棄物処理業・ごみ処理業の会社が、ホームページをどのように制作し、活用していくべきかについて考えてみたいと思います。早速いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 写真先行型改革

情報発信の基本は写真です。普段はうかがい知れない内部の様子を知るために写真はうってつけです。この写真を小さいサイズかつ、あまりきれいでないもので済ませるところも多いのですが、そこをあえて高性能なカメラできれいに撮影することをお勧めします。加えて、晴れの日に撮影するなど、明るさにも気をつけるべきです。スマートフォンのカメラでも十分にきれいな写真が撮影できるため、重い腰をあげて撮影してみてください。

ごみ処理業であれば、整理整頓やもちろん、掃除を徹底しているところも多いと思います。人間は不思議なもので、見慣れると汚いものも汚いと思わなくなります。麻痺してしまった感覚を補正するためにも、きれいな写真でとり、それを公にするというプレッシャーをかけることで、現場の清掃意識をさらに向上させることができます。根拠のない社長の檄よりも、1枚の何も言わない写真が効果的なこともあります。写真先行型の改革と周囲への情報発信を通じて、より強固で洗練された社内体制を目指してみてください。

Point.2 ブログの内容は地域性重視

一時期のスタッフブログの流行もあり、ホームページ内にブログを設けているところも多いと思います。その投稿内容が適切か、今一度チェックしてみてください。スタッフに書かせることが目的になってしまって、内容的に疑問符がつくところも散見されます。

その地域ならではの情報になっているか?ただの自慢内容になっていないか?読んだ人に不快感を与えないか?真摯・真面目な印象を与えているか?最初の頃はしっかりとした内容だったのが、いつのまにかランチ日記になっているようでは問題です。スタッフの人となりをアピールするのであればそれも無しではありませんが、日々の業務に少しでも関係しているほうが良いのは言うまでもありません。

チェック項目は多岐にわたりますが、大切なのは自社がホームページを通じて伝えたい内容・形成したいイメージにあっているかです。投稿のペースを守りたいが為に、投稿内容が崩壊してしまっては意味がありません。運用体制の見直しも含め、ブログが適切に運用されているかをチェックし続けることが重要です。

Point.3 スマートフォン対応は当然

近隣住民、地域社会に対する発信を大きな目的の一つとして考えたときに、ホームページのスマートフォン対応はもはや必須です。新しく作るのであれば当然スマートフォンでも見やすいように作るべきですし、既にホームページを持っているならリニューアルもしくはスマートフォン用のデザインを追加すべきです。

ますますパソコンを開くという習慣が薄まってきています。仕事での調査等は相変わらずパソコンが優勢ですが、個人レベルでの情報収集やお買い物レベルではスマートフォンの比率の方が大きいことも珍しいことではありません。この時代にきちんとスマートフォン対応をすることで、情報を読みやすいかたちで受け取ってもらえるようになります。

とはいえ、パソコン版とスマートフォン版で2つ作る必要はありません。レスポンシブデザインで画面サイズに応じて可変なホームページにすることで、制作工数を低く抑えることが可能です。長期的にみてもレスポンシブデザインで両対応することが最もコストパフォーマンスに優れることが多いため、リニューアルや新規作成の際にはお勧めです。

透明性と親近感の先に

廃棄物処理やごみ処理は、業態上、透明性が何よりも求められます。定期的に同業者の悪いニュースが世の中を賑わす中で、自社の透明性をアピールし続けることは手間がかかりますが、何より長期的な発展を支える土台になります。

きれいなだけのホームページではなく、中身や、ブログの投稿内容まで、現場の手間を抑えながらも効果的に設計することは可能です。後手後手に回ってしまいがちなホームページ管理を攻めに転じたいのであれば、今このタイミングでの投資を検討してみてください。

開発スタッフのコメント
取り扱うものの種類からどうしても地域から敬遠されがちな業種ですが、わからないから怖い、というイメージ先行型の嫌悪感であることも多いのではないでしょうか。全体的に暗かったり、古い設備も多かったりで、写真映えしないからという理由で情報発信に消極的だったとしたら意識を変えていきましょう。真摯な情報公開が、地域にも、そして未来の顧客にとってもプラスになると思います。