侮れない周辺ビジネス

アパレル産業というと、どうしても服や小物を販売、製造する部分にスポットライトがあたりがちですが、お直し産業という周辺ビジネスも根強い支持を得ています。通信販売で服を買うことが当たり前になるにつれ、ズボンの裾直しやその他お直しを服を買った店以外で行うことも一般的になりつつあります。他にもこわれたかばんの修理など、周辺領域も需要があり、服のお直しにとどまらないマーケットに進化しつつあります。

こうした流れをうけて顧客の争奪戦がはじまっているのがお直し/リフォーム店です。若者が集う都市部から、郊外の駅中まで、様々な場所に出店して、細かい需要を拾っています。ミシン一つで開業できるので、これからも競争環境は激しくなっていくでしょう。出店に相応しい坪数のテナントスペースも奪い合いです。

今回のテーマは、こうした洋服お直し/リフォーム店のホームページ制作についてです。どのようなホームページにすれば潜在顧客に対して効果的にアピールしていけるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 メニュー別の明朗会計

洋服のお直しやリフォームは、服の種類や部位別にある程度体系的に整理することができます。カテゴリごとに整理した上で、それぞれのサービスメニューの料金をわかりやすく掲載しましょう。裾直しであれば○○円と掲載することで、依頼する側からするとイメージがわきやすくなります。

もちろん、素材や仕上げの希望によってはその通りの金額にならないことも多いため、そうしたバリエーションについても可能な限り記載しましょう。また、どうして追加で費用がかかるのかの理由についても詳細に記載することができれば、利用者の納得度も高まります。持ち込まれたものの思った以上の費用で依頼に結びつかないというのはミスマッチで双方にとってアンハッピーな状態です。価格を掲載することで客足が遠のいてしまうかもしれないと思われるかもしれませんが、インターネットで簡単に調べたり比較したりできる時代には隠すことのメリットより、積極的に公開していくメリットの方が大きい場合が多いでしょう。

Point.2 技術力や対応力をしっかりアピール

たかがお直し、されどお直し、というわけではありませんが、どうせ頼むからにはより技術力のあるところへ依頼したいと思うのが人間の心理です。「自分たちなんて・・・」と謙遜せずに、技術力を感じさせることは積極的にアピールしていきましょう。

たとえば年間の対応件数という実績をアピールすることもいいでしょうし、スタッフの経験年数を提示することでスタッフの技術力をアピールするのもいいでしょう。また、使っている機材もしっかりと説明することで安心材料を提供することができます。業界人からすれば当たり前に見える情報でも、素人目には十分すごいことである場合も多いです。謙遜の気持ちはいったんどこかに置いておいて、アピールできることは声高にアピールするようにしてください。

技術力もそうですが、どういった難しい事例に対応してきたですとか、こういう珍しいものを直してきたというのもアピール材料になります。どうせ直すなら詳しくて経験がある人に直してもらいたくなるのが心情というものです。

Point.3 空き状況や所要時間予測を掲載

これはホームページに掲載するか、X(旧Twitter)やFacebookのようなメディアに掲載するか慣れ親しんだ方を採用してもらって大丈夫ですが、今のお直しの空き状況を公開することで急ぎのお客さんにアピールするようにします。

毎分の公開でなくてもいいですが、1日に3回ほど、もし可能であれば1時間ごとに状況を公開すると良いでしょう。お店としてもできるだけ時間帯によってお客さんの数がばらけたほうが助かりますし、お客さん側からしてもできるだけ空いている時間にぱぱっと仕上げて欲しいと思うものです。ちょっとした情報の公開で、双方にメリットのある状況を作り出してみてください。

また、可能であれば、依頼メニューごとの仕上がり予想時間(納期)の目安も掲載できると良いでしょう。日数がかかるものも多いと思うため、持ってきたものの持ち帰るという事態を未然に防止することができます。支払い手段は検討する必要はありますが、郵送による受付も行うと良いでしょう。

顧客はIT世代へ

お直しサービスを利用する顧客層はこれからどんどんと若くなっていきます。インターネットで服を買うのは若い層ですし、今現在こういった層を取り込めていないのであれば、大きなチャンスがあるということになります。

こうしたインターネット世代にリーチするためにもホームページ施策は重要です。上記のポイント以外にも当たり前のこととしてスマートフォン表示に対応するなど、できる範囲でインターネット販促に投資を行っていってください。

開発スタッフのコメント
ファストファッションが流行したことで下火になるかと思われたお直し店は今も商業施設の一角で躍動し続けています。とはいえ、その存在アピールや、利用頻度向上などの課題も多く、ほっておいても順風満帆な時代ではないのも事実です。自店の存在をしっかりアピールすることは当然ですし、また使いたい、あれもこれもお願いしたい、と思ってもらえるような店作り、サービス作りに、投資してみてください。