良い物を世界中から

少子化の影響で未来が暗いと思われているマーケットの中にも、希望の光が見えることがあります。ベビー用品はそういった性質を持つマーケットの一つではないでしょうか。低価格路線のものと高級路線のものとの二極化がすごいスピードで進んでいますが、支持をあつめるお店は継続的に成長を続けているように思います。

実店舗を展開していようがいまいが、これからの命運を左右するのはインターネットの活用の仕方だと思います。事実、現在伸び盛りな会社のほとんどはネットショップにも同様に力を入れています。中にはインターネット販売のほうが売上が大きいというところもあるほどです。インターネット専業にしようかと悩まれているところももしかするとあるかもしれません。

今回のテーマは、こうしたベビー用品の販売サイトや顧客管理システムについてです。どういった点に気をつければ良いのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 顧客カルテで適切な提案を横断的に

ベビー用品は購入者と使用者が一致しません。母親や父親、時には祖父母や友人といった購入者が日常使いやギフト需要のため買うというパターンが一般的ではないでしょうか。同時に、使用者であるベビーは刻一刻と成長していきます。1ヶ月前の情報がどんどんと古くなってしまう特殊なマーケットでもあります。

こうした変化を的確に捉えて、ストレスを与えるどころか、感動を呼び起こすコミュニケーションをとるためにもベビーカルテ(顧客カルテ)を整備しましょう。最初に年齢や性別などの基本情報を登録してもらえれば、一般的な成長にあわせてベビー情報を変化させていきます。時折、情報の正確性を高めるために情報更新を利用者に依頼するのも一考の価値はあると思います。登録率が悪ければ、登録に対して何かしらのインセンティブをつけるのも良いでしょう。登録することで次回使える1000円OFFクーポンを発行したり、10%OFFにしたりといったことが考えられます。

このようにして社内でベビーカルテの情報を中心にして販売促進を行える体制を築いた後は、その情報を活用して商品を提案したり、キャンペーンを提案したりしましょう。どの商品を提案すべきかはまずは年齢に応じた商品提案からはじめれば良いと思いますが、社内でどういった商品の購入率が高いかのデータを蓄積していき、提案の精度もどんどんと高まるようにしてください。

Point.2 世界中の商品をスピーディーに

ベビー用品の選択肢は国内だけに絞るとどうしても少なくなってしまいがちです。視線を世界に向け、世界中から良い物を貪欲に集めていきましょう。バイヤーのカバー範囲で足りない時には、思い切ってお客様に聞いてしまうのも有効です。

インターネットが普及した今、バイヤー以上に特定の分野の商品に詳しいお客様がいる場合もあります。こうした人達が簡単にリクエストをできるように窓口を設けると共に、リクエストを送ることで何かしらの精神的満足につながるような仕掛けを準備しましょう。送られたリクエストには、社内での検討結果をきちんと返答するようにすると、送りっぱなしの虚しさを軽減することができます。さらに、ソーシャルメディア上での話題にも目を配るようにしましょう。どの分野にも、規模の大小はあれどインフルエンサーと呼ばれる人たちがいます。その人たちが何に注目しているかは商品選びの参考になるはずです。

また、ネットショップ上から情報を送ってもらう以外にもヒアリングイベントを開催し、議論の中で求められている商品を探っていくという活動も有用です。準備が必要な活動のため腰が重たくなってしまうかもしれませんが、長期的に資産となる活動です。人員をやりくりして継続的に運用していってください。

Point.3 ベビーモデルを積極掲載

定番化していない商品ではなかなか難しいかもしれませんが、継続的に販売していく商品であればお客様の声ならぬ、ベビーモデル写真を積極的に募集し掲載しましょう。自分のベビーが掲載されることでお店への愛着も高まりますし、ブログなどでお店のことを取り上げてもらえるかもしれません。

応募写真はベビーカルテとも連動させ、アップロードなどの操作もまとめて同じ画面で行えるように機能を実装しましょう。掲載にあたっては何かしらのインセンティブをもうけ、楽しく応募してもらえる環境作りに努めましょう。応募写真とはいえ、大切な写真データのため、その管理には細心の注意を払うようにしてください。

ずっと掲載しっぱなしがお店としては楽ですが、きちんとリクエストがあれば消す運用にしておくことも検討してください。信頼できるお店として、そういった対応のひとつひとつが応募を増やすことにつながる場合があります。

少しでも長いお付き合いを

赤ちゃんが成長するスピードはものすごく早いものがあります。通常の商売であれば1年に1度買ってくれれば良いぐらいの腹づもりでいても大丈夫かもしれませんが、赤ちゃんは成長していくためにどんどんと店から離れていってしまう可能性が高まります。

こうした状況で少しでも長くお店を利用してもらうためには、愛着形成と豊富な商品提案しかありません。1年に1回ではなく3ヶ月に1回、そして1年限りの利用ではなくその後も3年間リピートしてもらえるために何ができるか、必死に考えてみてください。

開発スタッフのコメント
少子化は確実に進んでおり、一昔前とは比べ物にならないぐらい子供の数が減っています。こうした中で赤ちゃん市場はなんとかして単価をあげられないかとどこのお店も苦心しているのではないでしょうか。マーケットシェアを高めるためには競合よりも安いか、優れたサービスを提供するかというのが基本戦略になります。そのためにネットショップや周辺機能でできることがたくさんあります。短期的には手間が大きくとも、中長期でのリターンを視野にいれ取り組んでみてください。