セミプロの急増
デジタル一眼レフの登場と機能向上、そしてエントリーモデルの充実により、写真を趣味にする人が増えています。カメラが趣味といえば男性のイメージが強かったのも今は昔、今ではカメラ女子と呼ばれる層も登場するなど、男女の垣根を越えて愛される趣味になっています。
デジタル一眼レフの高機能化は著しく、そこまでの機種を持たなくても写真のクオリティはどんどんと上がっています。スマートフォンに内蔵されているカメラの性能も高まっており、趣味としては非常に入りやすい環境が整っていると言えます。ハイエンド機はとんでもない値段になってきていますが、エントリーモデルでもひと昔前のものよりも格段に性能があがっており、所有欲をくすぐるモデルも増えてきています。
写真関連機材を販売するお店が成長する一方で、写真やカメラを趣味とする人達が集まる交流サイトも賑やかになってきています。今回はこうしたカメラ愛好家のための交流サイトの制作やシステム開発について考えてみたいと思います。
Point.1 自由なトピックで議論できる掲示板
カメラ愛好家の人は、写真を愛でるのも撮るのも好きですが、機材について語るのも大好きです。一言にカメラ愛好家と言ってもさらに細分化でき、機材が好きな人や場所が好きな人、シーンが好きな人など、様々な人達が存在しています。
そうして興味を細分化し掲示板にすることで、色々な議論が活発に行われる場所を設けます。機材であればカメラごとに掲示板を作成し、買うべきか買わないべきかの与太話や、ここが良い、ここが悪いといった評価談義までできるようにしましょう。レンズなど、レンズ沼と呼ばれるだけあって、底なしの世界が待っているだけに、コミュニティ化に向いています。実際の写真サンプルをアップロードしやすくしておけば、ただの文字情報だけのコミュニケーションにとどまらず、サンプルベースの議論でより盛り上がるかもしれません。
掲示板があれないように不快な投稿は事務局に1クリックで通報できるボタンを設置しておき、事務局がある程度の頻度で介入することで秩序を保てるようにします。人力だけではこうしたチェックは破綻してしまいますので、うまくシステムの自動判別システムや、通報数によるブラックリスト入り機能などを実装することで、負担軽減を図りましょう。
Point.2 お気に入りのユーザーをフォローする機能
X(旧Twitter)によって一般に認知されるようになったフォロー機能を、交流サイト内に実装しましょう。お気に入りのユーザーをフォローすることで、その人の最近撮影した写真や、掲示板での発言などをリアルタイムにチェックできるようになります。
どれぐらいの人達にフォローされているかの数は、創作活動の励みになりますし、実際に「いいね」のような後押しをもらえると俄然やる気が高まるものです。内輪だけで盛り上がるのも良いですが、見ず知らずの人からも評価されるようになると、モチベーションが最大限に高まるのではないでしょうか。そこから新しい交流が生まれればしめたものです。
同時に、トラブル防止のために、過剰なコミュニケーションが行われないようにするのも検討の余地があります。あくまでフォローやいいね、といったポジティブなコミュニケーションだけに限定することで、ネガティブなやりとりを未然に防ぐことも可能です。
Point.3 アルバム機能やギャラリー機能を実装
こうした交流サイトの肝は、どれぐらいユーザー自身にサービスを宣伝してもらえるかに尽きます。こうすることで広告宣伝費を抑えながら、急速な成長を目指すことが可能になります。そのために、カメラ愛好家や写真好きの人にとっての必須コンポーネントであるアルバムやギャラリー機能を充実させましょう。
簡単にギャラリーのリンクを共有できるようにしておき、ユーザーが知り合いに自分の写真を見せるときにリンクを送れるようにします。そのリンクをクリックした人が新しくサービスの存在を知って広がっていく、という流れです。本人が撮ったものではないものを勝手にアップロードするのは権利関係の問題をはらむため、通報機能や、悪質なユーザーの管理は必要でしょう。
ユーザーあたりの保存容量はそのままコストに直結するので判断に悩むところですが、話題をつくるために、競合の10倍ほどの容量が欲しいところです。容量を確保するためのコストは年々低下していますので、うまくやりくりしながら保存容量で一番をとれるようにすることと、機能を徹底的に磨くことに投資してください。
フリーミアムモデルの模索へ
無料で何でもできることは重要ですが、すべてが無料ではビジネスとして成立しません。サーバー費用がかかりますし、広告で収益化しようとしても限界があります。ここはフリーミアムモデルを導入することで収益化を狙ってください。
無料である程度使えるけれども、より便利に使おうと思うと有料プランへアップグレードしなければいけないようにサービス内容を設計します。とはいえ、無料で全く使い物にならないようではそもそもの利用者が増えませんので、9割の人には無料プランで十分なぐらいにゆったりとしたサービス設計にし、残りの1割の人から代金を頂戴するのが丁度良い感じだと思います。
何よりサービスを魅力的にできるかが全てです。フリーミアムモデルを信じて、改善に改善を重ねていってください。