趣味も本気で
大学のゼミやサークル、部活動や、社会人有志によるサークルや同好会など、たくさんの趣味とそれを受け入れる場所というものが存在しています。本当に内輪だけで細々とやっているところもあれば、本格的な組織として継続的に運営されているところもあると思います。
こうした団体運営に欠かせなくなってきているのがホームページです。小規模であれば不要な場合もありますが、外部の人たちへアピールする必要がある場合は必須です。組織としての新陳代謝を維持するためにも、新規メンバーの獲得も重要になるでしょう。簡単につくれるサービスで作っているものもあれば、誰かがつくったものを脈々と受け継いでいるところもあるかもしれません。さらに割り切っているところであればLINEのグループしかないというところも多いでしょう。それで十分なのであれば、大きな問題はありません。
今回のテーマは、こうしたゼミやサークル、同好会や部活動のホームページ制作とその管理システムについてです。どのような工夫を施せば現実的な答えを見つけることができるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 Facebook単体かハイブリッド運用か
Facebookの国内での普及により、ホームページをわざわざ設けずにFacebookに団体のページを作ってそれだけで完結させるというパターンも増えてきています。Facebookにはグループウェア的に使える機能もそなわっているので、ひたすら低コストを目指して、かつFacebook上でのやり取りにしてメンバー間のコミュニケーションに支障が出ない場合は有力な選択肢だと思います。
一方で、全員にFacebookアカウントを使ってもらうのが困難な場合や、Facebookユーザー以外にも広く門戸を開放したい場合には、独自のホームページを構築する必要があります。とはいえ、この場合でもFacebookとの連動性を持たせることで、最小限の手間で独自のホームページも運用できるようにすることをお勧めします。
独自のホームページにした方が、外部の人が参照しやすくなるのは間違いありません。外向きの発信はホームページ、内輪の連絡はFacebookというような使い分けも便利でしょう。
Point.2 新規メンバー向けにコンテンツを統一
営利組織ではない団体のホームページの場合、とかく内輪のメンバーだけが楽しいホームページになってしまいがちです。わいわいと盛り上がるのはいいことですが、それが果たして新しくメンバーになってもらえる可能性のある見込み訪問者からして共感できるコンテンツかどうかは自問自答してみてください。
独自のホームページを構築する場合、その目的は新規メンバー獲得に据えるべきです。内輪が楽しく盛り上がるのはそれこそFacebook上や、メーリングリストのような閉じた空間内で行うので十分です。団体の説明や活動方法、スケジュールなど、見込み訪問者が知りたい情報をしっかりと掲載し、ちょっと恥ずかしくなるぐらいに真面目にコンテンツ化しましょう。
ついつい内部のノリを反映してしまいがちですが、インターネットに公開するということは世界中の人の目に触れる可能性があることを意味します。その発信が自分たちにとってポジティブなのかどうか、という視点でのチェックは忘れないようにしてください。情報が更新されないことも問題です。作ったときの情報が延々と掲載され続けているホームページも多くあります。更新しにくいがために引き起こされているケースも多いので、更新のしやすさの優先度は思っている以上に高いものがあるでしょう。
Point.3 世代交代を想定した権限管理を
メンバーは永続的ではありません。大学の組織であれば卒業という節目で強制的に世代交代が起こりますし、趣味性の高い社会人サークルでも、一人の人が永遠に所属していることは考えにくいです。こうした世代交代が想定される状況ではホームページの管理者も代替わりすることが考えられ、それを想定した上で管理者権限を管理する必要があります。
ホームページはコスト重視でWordpressをベースで構築する前提ですと、ユーザー管理を工夫することでこうした代替わりに対応することができます。複数のユーザーでホームページを管理することができますので、立場や関わり方、技術レベルにあわせてユーザー権限を設定しましょう。引き継ぎの方法やタイミングは、がちっと決めてしまうのがおすすめです。どうしても引き継ぎの前後でトラブルになることが多いので、毎年恒例ぐらいの勢いでルーティン化するほうが、準備やその後のフォローも含めてスムーズにいくでしょう。たとえ面倒でも、そうした引き継ぎ手順を記録したものが代々引き継がれるようにしましょう。
輪が拡がるのも楽しみ
団体運営において、新しいメンバーの獲得というのは楽しみでもあり怖いことでもあります。居心地の良い内輪の空間が壊れるリスクを恐れ、メンバー開拓に消極的な団体の方が多いのではないでしょうか。
人の輪というのは拡がることで新しい可能性を呼び込んでくれます。リスクよりもリターンに目を向け、新規メンバーが増える仕組み作りに是非取り組んでみてください。