かかりつけ医のポジション争い
かかりつけ医やホームドクターと呼ばれる言葉が叫ばれるようになり、地域医療の担う役割はますます大きくなっています。古くは街のお医者さんと呼ばれ、各地域に存在している小規模な医院にとって、この状況はとても大きなチャンスです。今後も大病院への集中をいかにして解消するかは課題であり続けることが予想されるため、当面はこの状況が続くことが予想されます。
とはいえ、多方面での競争にさらされる医院経営は昔ほど簡単なものではありません。規模の大きな病院との競争はもちろんありますし、同規模の医院での顧客争奪戦も激しくなってきています。インターネットの普及により簡単に情報を集めることができるようになったことで、医院選びに関しては情報武装する患者さんが増えてきました。
こうした環境下で成長の鍵を握るのはホームページであることは言うまでもありません。いわば24時間自院のことをアピールしてくれる営業担当として、積極的かつ魅力的な情報発信が重要です。近くの医院を探す際にインターネットで探す人が大半になってきました。こうした時代の医院経営の一つの肝は、インターネット集客であることは間違いありません。
今回のテーマは、こうした小規模医院のホームページ制作及びその管理システム構築についてです。コストを抑えながら短期的にも中長期的にも強みとなるホームページにするにはどうするべきか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 Wordpressベースで大幅コストカット
医院向けのホームページというと、たくさんの制作業者が魅力的な提案を持ちかけてきます。とりあえず最低限の情報発信をできるホームページ簡単サービスのようなものを安価で提供するところも多く存在しますが、競合との差異化を目指すのであれば自由度の低さからお勧めしません。いくらコストが安くても、集客につなげるという目的を達成しないのであれば全く意味がありません。
かといって、制作業者の言われるがままに数百万円の提案にサインするのも馬鹿げています。目的を達成できる範囲内でコストを抑える工夫を施すことが最善の選択肢だと思います。聞こえのよい言葉に従っていると、オーバースペックなものができあがったり、作ったが最後、誰もさわれない不思議なものが出来上がってしまうこともあります。
医院のホームページであればWordpressをベースに構築することがベストだと思います。大幅に管理システム構築の手間を省くことができるため、最終的な制作コストを大きく圧縮することができます。同時に、スタッフでも内容を修正できるように充実したエディタ機能が標準で備わっていますので、制作後の運用という観点からもお勧めできます。
WordPressはそのままの状態ですとただのブログのような見た目ですが、適切にデザインを編集することでオリジナリティ溢れるホームページへ進化させることができます。その柔軟性は無限とも呼べますので、思いつくことはほぼ全て実現可能ではないでしょうか。事実、大手企業のホームページもWordpressで構築されている例が多く、よほどの業界関係者でかつ詳しく調べないとWordpressをベースにしていることすらわからないほどです。
ブランドイメージの定義やメッセージの洗練、キャッチコピーの作成など取り組むべき課題は多く存在しますが、競合との差異化につながるホームページの構築が可能です。
Point.2 医院の情報を積極配信
かかりつけ医という存在は、病院よりもずっと身近で親しみを持てる存在であるべきです。毎日のように通う患者さんとはそういった関係ができているのは当然のこととして、それほど頻度の高くない患者さんやまだ通院したことのない患者さんにも、そういった心の通った関係を構築する必要があります。
その際に役立つのがブログ等を通じた情報発信です。患者さんの情報を発信するのはもちろんNGですが、医院のこだわりやスタッフの人柄など、発信するとプラスになるものは多くあります。
毎日の出来事や医療に関する話題など、院長や医師、看護師が時間を見つけて投稿しましょう。ペースは週に1回からはじめ、可能であれば診療日は毎日投稿しましょう。そのブログを楽しみにしてもらえるようになればしめたものですし、継続的に発信することで、ホームページの集客を強化する効果も見込むことができます。
もちろん、臨時休診のお知らせや、年末年始の営業案内など、定型的なお知らせはあらかじめテンプレートを作っておいて、簡単に発信できるようにするのも良いと思います。
密着、密着、密着
これからの医院市場での差異化の原点は、いかに患者さんに密着できるかだと思います。来院時の満足度を高めるために、スタッフや医師の対応力を高めるのはもちろん、来院時以外の時も心の通った関係を育んでいくことが重要です。
そこまでやりたくない、という旧来の考え方の医院も多いと思いますが、だからこそ取り組むことで差異化につながります。どこよりも患者さんに密着し支持される医院として、継続的な成長を手にしてください。