ONからOFFまで必需品
鞄を一つも所有していないという人はいないと思います。それほど生活に密着し、仕事からプライベートまでなくてはならないアイテムになっています。時に消耗品として、時に嗜好品として様々な商品が発売されている今、鞄を専門的に取り扱うお店もニッチではなくなりました。大きいかばんが流行ったり、小さいかばんが流行ったりとトレンドはあれど、まだまだものを運ぶ必要がある限り、市場としては健在でしょう。
鞄の販売経路も従来の都心の専門店から通信販売へシフトしつつあります。値段の安さや限定品の販売など、通信販売ならではの付加価値をつけることで、各社しのぎを削っています。実物を確認できないデメリットをも超えて、今後ますますの発展が予想されます。
今回のテーマは、こうした鞄専門店の通販サイト制作及び管理システムの構築についてです。どういった機能を実装すれば良いのかいくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 メンテナンスサービスも商品化
鞄は革に代表される頑丈な素材を使うことが多く、ついつい乱暴に扱われがちです。かといってメンテナンスをしっかりと行う人は少なく、まるで消耗品のように使い捨てにされているのが現状ではないでしょうか。
純粋なビジネス視点でいえば、どんどん消耗してどんどん買い換えてくれる方が良いのかもしれませんが、そういったビジネス視点だけでショップを運営しているとファンとなるリピーターを確保していくのは難しくなります。SDGsという言葉が広く知られるようになったように、環境意識というのは高まり続けているため、エコロジーであることが、世の中のトレンドとも言えます。
そこで導入すべきなのがメンテナンスサービスではないでしょうか。有料でやるのか、ショップのサービスとして展開するのかは会社の方針によりますが、ある程度の単価のある商品を扱うお店であればショップのサービスとして展開すべきだと思います。長く使えますというメッセージにもなるため、高品質をアピールする高単価の商品であれば、なおのこと親和性が高いサービスになります。
メンテナンスサービスは送付されてきた鞄のクリーニングやほつれなどの軽微な修理であれば無償で対応するもので、自社で買った商品を長く愛用してもらうためのサービスです。短期的には買い換えサイクルが長くなり顧客あたりの売り上げ高が下がってしまいそうにも思えますが、こういったサービスがあることで二個目、三個目の購入を促進することができるため、短期的にも中長期的にも売り上げ増効果が期待できると思います。
単価の低い商品には無償でのメンテナンスサービスではなく、有償にすることもできるよう、メンテナンスサービスを商品のように登録できる機能をネットショップに持たせておきます。顧客から問い合わせがあった際には該当商品がメンテナンスサービスの対象なのか、また、対象外であればメンテナンスサービスに加入しているのかをすぐに確認できるようにしておき、サービス利用の満足度を高めましょう。
Point.2 名入れやカスタマイズにも柔軟に対応
有名ブランドの商品であればそのブランドの直営店で買うしかないのであまり競争は起こりませんが、一般流通品の場合はどうしても価格競争に陥りがちです。経営努力によりこうした価格競争において負けないことも重要ですが、プラスアルファのサービスを提供することで同時に差異化も図りましょう。
具体的には名入れや色などのカスタマイズが行える鞄の種類をできるだけ増やし、一般流通品であっても自社のオリジナリティを付加します。そういったカスタマイズが選択式で行えるようにネットショップも改造し、世界で一つの自分だけの鞄が購入できる状態を作ります。名入れまでは、という人も、何か他のカスタマイズであれば心に響くかもしれません。少量多品種になってはしまいますが、それがユニークさを高めるのであれば検討の価値はあるでしょう。
最安値というのは泥沼の争いになりがちです。最安値グループに居続けることはとても重要ですが、1円単位のしのぎを削り続けるのは会社として疲弊してしまいます。こうしたカスタマイズサービス以外にも他とは違うサービスを積極展開することで、少しでも指名買いされるお店になれるように努力しましょう。
便利かつ魅力的なお店へ
インターネットで物を買うことが当たり前になってきた昨今、高級路線と便利路線という二極化が起こってきました。しかしここにきて、便利であることは当たり前で商品力を競い合う次のステージへ世の中が動き始めているように感じます。
価格の安さに安住することなく、また、サービスの充実に安住することなく、商品力も含めた全方位で向上し続けていかなければいけない時代とも言えます。既存のシステムをうまく改造していくことでこの荒波を乗り切ってください。