出張や旅行の強い味方
コストをできるだけ抑えたい気持ちは、ビジネスパースンも学生も変わりません。パッケージツアーに申し込むことで費用を節約している人も多いのではないでしょうか。正規の値段で利用することが馬鹿らしくなるような値段のものも多く、庶民の味方としてこうした格安ツアーサイトが人気を博しています。
新幹線を利用したものやバスを利用したもの、さらには飛行機を利用したものまで様々なツアーが掲載されているのが一般的です。各社検索性には力を入れてユーザビリティの高さとツアー数の充実を日夜競い合っています。自分の好みにあったツアーかどうか、また、十分に安い価格かをいろいろなサイトを比較しながらあーでもないこーでもないという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回のテーマは、こうした格安ツアーの予約販売サイトのシステムについてです。どういった機能に注力しどういった視点で構築すれば良いのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 検索条件を保存して再利用可能に
格安サイトのユーザーは、何度も何度もリピートしてくれる傾向があります。もちろん値段という意味で支持され続けるに足る魅力がないといけませんが、価格競争力を維持している限りはある一定以上のリピート率を確保することが可能です。
リピートユーザーの中でも、出張用途のユーザーは同一内容の検索を行うことが多くなってきます。たいてい出張の目的地は一緒なだけに、毎回同じように検索してツアーを探すというのは面倒な作業です。
こうした手間を省くために、検索条件の保存機能やお気に入りのツアー登録といった機能を実装しましょう。何度も繰り返し行う動作を無くすことでユーザビリティを大きく高めることができますし、新着通知サービスと組み合わせることでプッシュ型の販売促進にもつなげていくことができます。利用履歴や検索履歴から、こうした検索状況をダイナミックに生成するのももちろん有効でしょう。使えば使うほど、使いやすくなっていくというのが理想的です。
新規客の獲得も重要ですが、リピート客を逃さず、頻度高く再利用してもらうこともとても重要です。ストレスなく利用できるための機能追加は、積極的に行うようにしてください。
Point.2 ツアーリクエスト機能でニーズを吸い上げ
ツアーに求めるものは人それぞれです。人によってはツアー内容に100%満足することもあれば、そうでない場合もあります。後者のユーザーはそのままサービスを利用せずに離れていくことが多くなり、大きな機会損失を生んでしまいます。
こういった状況を少しでも打開するために「このツアー内容のこれが○○ならなぁ」という細かい要望点を簡単にフィードバックしてもらえる仕組みを作りましょう。ツアーリクエスト機能という名称で展開し、既存のツアー内容をベースに、「こうして欲しい」を簡単な操作で送信できるようにします。
リクエストに対して何も応えないのでは意味がないのは言うまでもありません。送信されたリクエストに対してすぐに対応できるのであればサポートすべきですし、すぐには無理でも今後の商品開発に活かすことができるのであればその旨を返答しましょう。そういったやりとりだけでもいいでしょうし、さらに踏み込むのであれば、寄せられている要望を公開したうえで、どういった進捗状況かを公開する場を設置するのも良いでしょう。
こうした地味な吸い上げが中長期的なマーケティングに役立ってきますし、真摯にユーザーの声に耳を傾ける姿勢や対応は、潜在的なリピーター達の心を掴むはずです。さらに踏み込めば、企画参加型のツアーを顧客と一緒に作り上げるというのも視野に入ってきます。十分に盛り上がると思われる顧客基盤があってこそではありますが、そうした話題性のある取り組みも検討してみてください。
Point.3 自宅からの移動も含めた旅程表出力
ツアー内容が集団のものであれ個人のものであれ、申し込むと各種チケットと共に旅程表というものが送られてくるのが一般的だと思います。それを見ればどういった流れでツアーが進行するのかがわかるため便利ですが、この旅程表に自宅からの行動も追加することができるようにすることでユーザーの利便性を高めましょう。集合場所までの生き方を別で調べてというのは地味に面倒なので、手厚いサービスということでユーザーにも喜ばれるでしょう。
会員登録の際に取得する住所情報を基に最寄り駅を算出、集合時間から逆算した乗り継ぎプランを掲載することで、その旅程表を見れば家を出発するところから完璧に網羅されている状態にします。地味な機能ですが集合場所へたどり着くまでもツアーの一部と定義するのであれば是非とも充実させたい機能です。幹事役の人が参加者に配布するような用途でも役に立つと思います。
ツアー体験全体で差異化を
格安ツアー業界も競争が激化し、単純なツアー内容や価格だけでは十分な差異化ができなくなってきました。かといって大々的な広告宣伝を行うわけにもいかないのが実状だと思います。
こうした中で差異化の方向性として目指すべきはツアー体験全体の満足度を高めることだと思います。旅程表のポイントもそうですが、細かい積み重ねでユーザーの満足度を高めることはまだまだ可能なように感じます。システムを活用することでできることもまだまだあります。ツアー体験向上を目指し、システムへの投資も検討してみてください。