専門店市場と競争激化
インターネットの普及により、インテリア関連のものの買い方も変わってきました。よほど都会に住んでいない限り、豊富な種類の中からカーテンを選ぶことは困難です。柄はもちろん、長さや幅にも影響を受けるので、オーダーメードを除けば、身近にある選択肢というのはそう多くありません。特にこだわりがなければ、ホームセンターで買ったり、ニトリで買ったりと、手軽に済ませる選択肢があるだけに、待っていれば客がくる状況ではもちろんありません。
こうした中で台頭してきたのがインターネット通販を展開するカーテン専門店です。専門店ならではの豊富なサイズ展開、商品展開と安い価格で利用者の支持を伸ばしてきました。サンプルを事前に取り寄せることができるところもあり、各社利用者獲得に躍起になっているようです。ショッピングモールへの出店から、独自ショップでの展開など、精力的にマルチチャンネル化に取り組んでいるところも増えてきました。
今回のテーマは、こうしたカーテン専門店の通販サイト及び販売管理システムについてです。どのような機能を実装すれば利用者やスタッフから支持されるのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。
Point.1 サイズ毎の構造化で検索性UP
カーテンを探すときは自分の部屋にあったサイズを基準に探すことが多いと思います。サイドナビ等もサイズから探せるようにし、商品をしっかりと構造化します。また、柄や特徴でさらに細分化して探すことができるようにし、クリックだけで的確な商品探しができるようにしましょう。キーワード検索中心よりは、クリック主体のほうが、スマートフォン全盛の時代にはユーザビリティが高まります。ストレスなく操作できるのは心地よいユーザー体験の大前提です。
もちろん、検索機能も充実させ、キーワードに合致した商品に対してサイズや特徴で絞り込みをかけられるようにしましょう。検索という基本機能だけにないがしろにされがちですが、一番利用者が使う機能でもあります。ここの使い心地の差が最終的な注文数に大きく影響してきますので、しっかりと改善してください。
さらに投資するのであれば、部屋の写真と重ね合わせて雰囲気をシミュレートする機能の開発も良いでしょう。実際の設置イメージが膨らむため非常に効果的です。同時に構築に必要な費用もあがってしまうため、事業規模や費用対効果を見極めながら検討してみてください。
Point.2 サイズによって価格自動計算
サイズが決まった既製品に加えて、ある程度布の大きさを調整できるセミオーダーの商品を取り扱っているところも多いと思います。こうした商品は注文方法や数量計算が複雑になることが多く、利用者のすっきり感を高める工夫が必要です。
セミオーダー商品は必要なサイズを指定すればリアルタイムに価格が変わるようにします。あとはそのままカートに追加するだけで自分の好きなサイズが変えるという流れです。10cmごとに数量をあげてもらう仕組みでも問題はないのですが、こうした細かい工夫で利用者のストレス源を除きましょう。細かく設定できることは柔軟で便利ではありますが、「こんなに選択しないといけないのか」というストレスを利用者に与えることにもつながります。自社の取り扱い商品を踏まえて、適度なバランスを見つけてみてください。
Point.3 衣替え提案
過去の購入履歴を分析すると、顧客ごとにどういったサイズのカーテンをいくつ買ったかが簡単にわかります。大量買いの人はおおよその間取りが想像できますし、一点買いの人も少なくとも一箇所の窓近辺のサイズは想像をつけることができます。購入履歴はいわばデータの宝庫といえます。
こうした情報は貴重なマーケティング情報です。同じサイズの新商品を季節毎に案内することで、衣替え需要を刺激することができます。全員に同じメールマガジンを送るのではなく、購入サイズに応じた商品提案になるようなメールマガジンを送信しましょう。もちろん、衣替えの頻度というのはそう高くないので、関係のない提案を何度も送るのは意味がありません。タイミングをあわせるか、商材としてクロスセルが見込めるものを選ぶセンスももちろん必要でしょう。
文章をスタッフが全員分作成していては時間がいくらあっても足りませんので、ここはシステムの力を活用します。購買履歴を基にメールマガジンの文面を作成し、スタッフが加えたコラム部分と合体させることでメールマガジンを完成させます。紹介URLにはクリックされたかどうかを識別できるパラメータを埋め込み、さらに精度の高いマーケティング情報の取得に努めましょう。
部屋の雰囲気を変える
カーテンは部屋の雰囲気を大きく左右します。シンプルなレースのものからカラフルな柄カーテンまで、身近な衣替えとして人気です。提案力次第で購買頻度や購買単価を変化させられるビジネスなだけに、スタッフの英知をできる限りそういった分野に振り分けるべきです。そしてシステムの力も活用しながら、積極的なマーケティング活動を展開してみてください。