少子化時代のアピール合戦

少子化の影響もあり、大学間の生徒の奪い合いが激化しています。その状況は専門学校でも同様のようで、人気のある専門学校とそうでない学校の差が拡がり、淘汰のスピードが加速しているように感じます。大学も全入の時代になり、専門学校同士の戦いだけでなく、大学も意識しないといけない時代になってきています。

生き残るためには就職率といった結果はもちろん、見込み客である高校生やその親御さんに積極的にアピールする必要があります。そのためのツールが学校案内の資料でありWEBサイトだと思います。ここにいかにこだわり、効果を発揮するメディアに育てられるかが、この先の競争力に直結するといっても過言ではないでしょう。

今回のテーマは、こうした専門学校のWEBサイト制作とその管理システムについてです。どのようなコンテンツを準備しWEBサイトを構成すればよいのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 裏側はWordpressで簡単更新管理

専門学校のWEBサイトであれば、新着情報の更新を筆頭にスタッフによるこま目な更新が重要になってきます。オープンキャンパスの案内や学校説明会の案内など、文字による情報掲載に加えてPDFファイルなどのファイルを掲載できる必要もあります。画像や動画など、さまざまなフォーマットの情報を発信したくもなると思います。

こうしたコンテンツ管理にはWordpressがお勧めです。たいていの運用に対応できる柔軟性を持っていますので専門学校のWEBサイトで必要な機能の大半は標準状態でも実現可能です。必要に応じて機能開発して補えば実運用で困ることはないと思います。ただ、Wordpressは特に対策なしに使ってしまうと、アクセスが集中してしまうと応答速度が遅くなる傾向があります。キャッシュの導入などしっかりとした対策をし、WEBサイトへの訪問者のストレスにならないように配慮してください。

Point.2 スマホに対応するレスポンシブデザイン

WordPressのプラグインを利用することで、簡単にスマートフォン対応は実現可能です。ですが、ものすごくシンプルな画面表示になってしまい、お世辞にも魅力的なWEBサイトとは呼べない状態になります。スマートフォンの普及率を考えると、WEBサイトのスマートフォン対応は必須です。むしろこちらに資源を優先配分するぐらいの方が現実的には有効です。

スマートフォンサイトを全く別で構築するのはコストが二重にかかってしまいますので、パソコンやタブレット、スマートフォンに動的に対応できるレスポンシブデザインをベースにWEBサイトを構築します。レスポンシブデザインとは、訪問者が利用している端末の画面サイズにあわせて要素を調節する技術で、画面の広いパソコンやタブレットの場合はサイドバーをだすけどスマートフォンの時にはださない、といった工夫ができます。

バナーやメニューといった要素をレスポンシブデザインを活用してそれぞれの端末に最適化することで、情報やデザインを充実させながら使い勝手を犠牲にしないWEBサイトを構築しましょう。さらに余裕があれば、スマートフォン、パソコン、そしてタブレットに対しても画面幅を考慮したデザインにすると尚良いでしょう。昨今はスマートフォンの大画面化も進んでいるため、メインはスマートフォン、という割り切りも良いと思います。

加えて各種ソーシャルメディアとの連携も積極的に取り組むのをおすすめします。X(旧Twitter)やInstagram、Youtubeなどを運用している専門学校も多いと思います。そうした情報の表示や、相互の導線づくりなど、できることはたくさんあります。

Point.3 資料請求フォームは徹底最適化

専門学校のWEBサイトの一つのゴールは資料請求の獲得だと思います。WEBサイト上のコンテンツで必死にアピールして、顧客情報を取得できる資料請求に導いていくことができなければ、生徒の獲得も危うくなります。生徒本人が請求することもあるでしょうし、親が請求することも想定されます。いくつかのユーザーペルソナを設定し、それぞれへの配慮を組み込んでください。

WEBサイトのコンテンツを充実させるのは徹底的にやりながら、資料請求フォームの最適化を行いましょう。EFO(エントリーフォームオプティマイゼーション)と呼ばれる考え方ですが、入力をストレス無く行えるようにする機能や必須入力項目をわかりやすくすること、郵便番号から住所を自動入力する補完機能など、専門学校の資料請求フォームで検討できる項目だけでもいくつもあります。資料請求を少しでも多く獲得するためにフォームにはしっかりとこだわってください。資料請求者に対しては資料を送って終わりではなく、オープンスクールの案内や、体験授業の案内などのイベント案内もかかさずに行なってフォローすると効果が高まります。

本物の教育を追求すること

WEBサイトを魅力的に構築することはとても重要です。見た目の印象で大きく変わる部分もあるだけに、マーケティング上は避けて通れないことだと思います。そしてそれ以上に重要なのは質の高い本物の教育を提供することだと思います。

質の高い教育が卒業生の結果をうみ、それが最強のコンテンツとしてWEBサイトの魅力を高めていく。この好循環を創り出すことができれば、少子化の時代でも生徒数を獲得し続けていくことができるのではないでしょうか。

開発スタッフのコメント
WEBサイトはどうしても一度作ったらしばらくはそのままほったらかしになりがちですが、それではあまりにもったいなさ過ぎます。世の中のトレンドが変わるように、高校生の間でのトレンドや、競合のWEBサイトも変化しています。できれば毎シーズン、少しずつでも手を入れていくことがベストです。本体WEBサイトに大きく手を入れることが難しければ、各年度ごとにランディングページ(LP)のかたちで切り出してコストや手間を圧縮するのも有効でしょう。