高いものを小分けにして提供

高級ブランド品や高機能な家電が根強い人気を保ち続ける昨今、こういった高単価の商品をレンタルするサービスも活況を呈しています。1日単位でレンタルしたり、購入前に試してみたりといったニーズから、利用者も市場への参入も増え続けています。気軽に買えない価格帯の家電については特に需要が大きいようです。最近は家電も高機能化、高価格化が進んでいることも、こうした需要を後押ししていると言えます。

ブランド品であれば結婚式といった晴れの舞台の時のみに利用したい小分けニーズがあります。見栄を張りたいときだけ張れるので非常に合理的なサービスと言えるのではないでしょうか。今後も多方面からの参入が予想され、競争は激しくなっていくものと予想されます。

今回のテーマは、こうした家電やブランド品といった商品のレンタルサービスの管理システムについてです。どのようにサイトを構築し商品を管理していくのが良いのか、いくつかのポイントで整理してみましょう。

Point.1 商品の空き状況をカレンダーで表示

レンタル商品の収益性を高めるためには、いかに回転率を高めるかが重要です。できる限りレンタルされている状態にするのはもちろん、倉庫で遊んでいる時間が少ないように密度の高いスケジュールで貸し出せるかが収益を大きく左右します。特に、新商品のようなものは、鮮度が高いうちにいくら回転させるかが肝とも言えるかもしれません。

先々までの予約状況を基に、予約受付サイト上で商品の空き状況をリアルタイムにカレンダーで表示します。利用者は自分の希望する日時が空いているかを簡単に確認できるので余計な問い合わせの手間も無くなり、また、申し込んだものの借りられないといった事態を未然に防止することができます。

返却予定日から次の貸し出しまでの間にどれぐらいの期間を空けるかは個別または商品カテゴリに応じて設定できるようにしておけば、次の貸し出しまでに準備が間に合わない、といったトラブルを防止することができるでしょう。

Point.2 レンタル価格を状況に応じて変化

商品の回転率を高めることが重要であることは一つ前のポイントで述べた通りですが、より回転率を高める工夫として、空き状況に応じてレンタル価格を変化させる施策を実行するのも一つのアイデアとして有効です。

例えば次の貸し出し期間とその次の貸し出し期間に1週間の間がある場合、その歯抜けの期間のレンタル価格を通常より安くするといった具合です。また、その前後に借りる予定の人に、延長や前倒しでの貸し出しを提案するのも有効でしょう。機材が遊んでいるぐらいならどんどん貸し出す、という方向性を実現するための手段はいくつもありえます。高度に行うことができれば、より進んだダイナミックプライシングの方向性もありでしょう。

もちろん、放っておいてもどんどんと予約が入るような人気商品は除外するべきですが、放っておくとなかなか動かない商品などはこういった積極的な価格施策を導入しましょう。倉庫に眠っているぐらいであれば多少収益が悪化しても貸し出す方が結果的に良いことが多いのも事実です。バランスを見ながら導入を検討してみてください。

Point.3 延長の自動催促や料金の自動徴収

商品を貸し出す以上、商品が貸出期間が終了しても返ってこないことがあります。単純に忘れていた場合や何かしらのトラブルがあった場合など理由は様々ですが、こうしたイレギュラー対応をどこまで効率化できるかがスタッフの負担を考える上で重要になってきます。誰しもが気ののらない仕事は、できる限りシステムが代わりに担いましょう。

指定期日までに返ってきていない商品に関してはシステムが自動で催促通知を送信するようにします。このアクションだけで正常に返ってくる率が上昇します。それでも返ってこない場合は電話や法的なアクション等が必要になってきますのでスタッフの出番になります。各社、こうした延長トラブルについてはノウハウがあると思いますので、自動の部分とスタッフによるフォローをうまく使い分けてください。

また、申込時にクレジットカード情報を一時的に保持し、期日までに返ってこない場合は延長料金を自動で徴収していくようにすることもできます。経営的にはものすごく合理的な機能ですが、利用者の必要以上の反発を招くリスクがありますし、返品してこないような利用者のカードが通常通り決済できるかどうかわからないリスクもあります。導入は慎重に行うべきですが、より抑止力を働かせる意味でも有効な施策の一つだと思います。

憧れを現実に提供するサービス

レンタルというのは信頼関係の基、非常に合理的な仕組みだと思います。買うことが現実的ではないものを小分けにすることで利用しやすくするという発想は、単価の高いものであれば応用がきくためビジネスの発展性は大きくあります。

通常の販売と違い、商品を管理し続ける必要があるため、いつまでも力業で運営しているとどんどんとしんどくなってきてしまいます。利用者満足度とスタッフ満足度を高めるためにも、積極的なシステム活用を検討してみてください。

開発スタッフのコメント
カーシェアリングに代表されるような、持たない生活、を支援するサービスが賑わいを見せています。所有すること自体がそこまで価値を持たなくなった今、必要なときにだけ借りるレンタルサービスの流行は、必然の流れなのかもしれません。長期的には価格競争が起こることが予想されるため、より効率的に運用できるよう、また、稼働率を最大化できるような仕組みづくりに投資することをおすすめします。