電話の力を最大限に活用

日本全国、様々な食の逸品が存在しています。そうした逸品を通信販売という形式で販売することは古くから行われてきました。今でこそインターネット通販やテレビショッピングが主流のように錯覚しますが、今この瞬間も電話による食品販売の営業が活発に行われています。そういった電話での通信販売を経験したことがある人も多いのではないでしょうか。

インターネット通販やテレビショッピングがどちらかというと餌をまいて待つタイプのビジネスモデルであることに対して、電話による営業は積極的に狩りにいくスタイルのビジネスモデルです。ビジネスモデルの違いを反映したシステムを構築する必要があることは言うまでもありません。

今回のテーマは、こうした食品通販の会社向けのアウトバウンド/インバウンド管理及び受注管理システムについてです。どういったポイントに気を付けて構築すべきか整理してみましょう。

Point.1 クラウドベースで構築し環境依存を無くし複数拠点に対応

電話営業による食品通販は長い歴史を持つだけに、会社内のサーバーにシステムを構築、もしくはソフトウェアを利用するかたちで運用しているところも多いと思います。導入時は何も問題がありませんが、OSのバージョンアップに対応しきれず、古いシステムをずっと使い続けるはめになることがよくあります。システム自体は動き続けるかもしれませんが、脆弱性への対応も行われないことを意味しますので、非常に危険な状態です。運良く何もトラブルがなかったとしても、それは今までたまたまラッキーだっただけの話で、未来永劫そのようなラッキーが続くと考えるのは危険すぎます。

こうした環境依存の問題もそうですし、いざコールセンターを複数展開しようとしたときに、データの共有等で思わぬ手間がかかります。こういった問題を解決するために、システムをクラウド上に構築しましょう。クラウド上に構築することで、事務所に物理的に置いておく必要もなくなりますし、複数の拠点から同じように接続しやすくなります。

まず、大前提としてセキュリティは極限まで高めます。そもそも特定の場所からしかシステムにアクセスできないようにすると共に、スタッフ毎にIDを発行し、きちんとした権限管理を徹底します。その上でWEBアプリケーションとしてシステムを構築することで、使っているパソコンのスペックやOSに依存することなく、インターネット環境があれば利用できる環境が整います。

業務拡張に伴う拠点移転の際も何のトラブルも起きませんし、複数拠点で運用する際もデータの共有で問題が起こることはありません。機能追加も柔軟に行うことができますので、一度構築したシステムを長く新鮮な状態で使い続けることが可能です。

Point.2 番号割り振りを自動かつ条件設定可

アウトバウンド案件の場合、見込み客リストが肝です。リストを各スタッフに自動的に割り振る機能は当然のこととして、スタッフごとに特定の条件で抽出したリストを割り振るといったことも可能なようにします。

また、さらに進んだ使い方としては、受注実績の高いスタッフに類似の属性を持ったリストを優先的に割り振る機能をつけることも可能です。リストに年齢や性別、職業等のある程度の属性情報がついている場合限定にはなりますが、スタッフの得意パターンや相性を考慮することでより高い成約率を目指すことができます。

こうした売上をさらに高めるための割り振り最適化に加えて、電話スタッフの特性に応じた割り振りを仕組み化することで、数字を少しずつでも伸ばしていくことが可能になります。1秒でも多く、スタッフが売り上げアップのために時間を使えるようにしましょう。

Point.3 受注処理は極限までシンプルに

電話応対をする以上、「ながら操作」になります。ヘッドセットを使って両手があいているとはいえ、受注処理はスムーズであることに越したことはありません。その方が顧客満足度も高まります。

受注処理は終話してからというのもない話ではないですが、そのまま電話中に終えることにこしたことはありません。受注処理は極限までスムーズにすることで電話スタッフの負担を軽減します。作業に気を取られると、電話の応対に支障がでるため、ストレスフリーであるべきです。

郵便番号からの住所補完はもちろん、お届け予定日時を自動的に算出する機能など、調べるのに時間がかかる作業をすぐに行えるようにすることで、秒単位で業務を改善していきます。他にも現場ならではのアイデアがあると思いますので、そうした細かいアイデアを具体的な機能として実装し続けていくようにしましょう。

進化、進化、進化

電話営業の成約率を高めるためには、話数やトークスクリプトの改善など日々の進化が必要です。日々の業務の中で無駄な時間を極小化し、そういった付加価値の高い業務に時間を費やすことが重要になってきます。システムを活用することで余計な時間やコストを削減し、売上拡大に全力で取り組める体制を構築してみてください。

開発スタッフのコメント
産地直送の商品など、通信販売が主だった販売チャンネルの商品も多くあります。昨今のネット通販人気の流れを受けて、自社のネットショップも展開しながら電話営業も継続しているような会社も多いのではないでしょうか。そうした場合にはネットショップとの顧客基盤の統合といったことも視野に入ってきますので、さらに一歩踏み込んだ業務効率化を狙うことができるでしょう。